多くのSFファンにとって、2019年は特別な年だ。伝説的なマンガ「AKIRA」(原作:大友克洋、連載:1982〜90年、映画:1988年公開)とSF映画の金字塔である「ブレードランナー」(1982年公開)の、劇中の舞台となった年だからだ。「AKIRA」は作中でなんと2020年の東京オリンピック開催を的中させていたこともあり、現在建て替え工事中の渋谷パルコの仮囲いにアートウォールにもなった。いずれも今でも色あせない名作だが、作中に出てきた超能力やアンドロイド、超高層ビル、空飛ぶ車など当時の近未来的なモチーフは、約40年後の今でも実用化されていない。テクノロジーと人間にフォーカスしている両作ではあるものの、当時想像された世界とは何かが決定的に変わっているのだ。(この記事はWWDジャパン2019年10月14日号からの抜粋です)
こんなことを考えたのは、先日米国のリーバイ・ストラウス社(以下、リーバイス)とグーグルが共同開発した次世代型スマートウエアである“リーバイス トラッカージャケット ウィズ ジャカード バイ グーグル”について、リーバイス側の開発のトップであるポール・ディリンジャー=リーバイ・ストラウスグローバル・プロダクト・イノベーション担当バイス・プレジデントの話を聞いたからかもしれない。
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