ケリング(KERING)は11月14日、フランス・パリのファッション専門学校アンスティチュ・フランセ モードと共同で、ファッション産業におけるサステナビリティと企業の社会的責任(CSR)に関する研究機関「IFM-ケリング・サステナビリティ・チェア」を発足させた。議長には、同校でサステナビリティに関連する活動全域を担当する生産工学博士のアンドレ・アン・ルミュー(Andree Anne Lemieux)を任命した。
同機関では、責任あるビジネスモデルやトレーサビリティーの測定など幅広いトピックの科学的研究を行う。環境や社会問題を測定・対処するためのツール開発のほか、サステナブルな商品開発といったクリエイティブな側面にもアプローチする。研究活動には、博士課程の学生の論文執筆指導や科学出版物への貢献、会議への参加なども含まれる。
同校の学長を務めるグサヴィエ・ロマテット(Xavier Romatet)は、「同機関は本校の戦略において不可欠なものだ。学生が未来のプロフェッショナルとして産業の変革に参画できるよう、サステナビリティの課題に関する全方位的な理解を深めることができる」とコメントした。
マリー・クレール・ダヴー(Marie-Claire Daveu)=ケリング・チーフ・サステナビリティ・オフィサー兼国際機関渉外担当責任者は「研究と教育は、ファッション産業におけるビジネスモデルの変化において重要な役割を担っている。ラグジュアリー・グループとして、未来のファッションを作り上げる世代を教育するのは私たちの任務だと確信している」と述べた。
ケリングは2018年に、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションと共同で、サステナビリティとラグジュアリーファッションに特化した公開オンラインコース(MOOC)を開講した。コースは6週間にわたる合計18時間の授業で構成され、生徒たちはモバイル機器やタブレットを利用して空いた時間に受講ができる。