※この記事は2019年7月10日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
個性なきキャラは、デジタルでは瞬時に忘れる
バーチャルモデル、イロイロ登場してはいるものの、イマイチ盛り上がっていないような気がしますが、キャッチアップできてないだけでしょうか?僕がインスタグラムで注目する“100%ツクリモノ”のキャラクターと言えば、エイリアンのlilmayoくらい。正直、あとは物珍しさから1カ月くらい動向を見守ることはありますが、あっという間に忘れます(苦笑)。「グッチ(GUCCI)」や「バレンシアガ(BALENCIAGA)」に囲まれラッパー風に気取るlilmayoを見ると「アホだなぁ」とエモーションが掻き立てられますが、正直、ほかのバーチャルモデルには今のところ何の感情も沸きません。イマイチ盛り上がらないのは、きっとそれが理由でしょう。振り返ればリアルモデルだって、ケイト・モス(Kate Moss)やナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)はもちろん、ジェマ・ワード(Gemma Ward)やサーシャ・ピヴォヴァロヴァ(Sasha Pivovarova)だって、美しいのみならず個性に惹かれ、トップに君臨したワケですからね。その意味で時の人、yutoriの片石代表が送り出すバーチャルモデルは、どうなるでしょう?発する言葉からすると、彼女は相当な個性をもっていそう。今後の活躍が楽しみです。
参加した5人はいずれも目標を達成できませんでしたが、その過程を随時「WWD JAPAN.com」でレポートした、フォロワー1万人を目指したインフルエンサー育成企画ではまず、「あなたは何者で、何を、誰にインフルエンスしたいのか?インフルエンスしたいほど情熱を持つモノはあるのか?」を徹底的に考え、アカウントのアイデンティティーを確立するよう教えられました。振り返れば5人はこの段階で早くもつまづき、以降フォロワーを伸ばすことができなかったように思います。
ツイッターでは、素性が明らかだったり、運営主のパーソナリティーが“中の人”として垣間見えたりのアカウントが人気を集めています。正直ツイッターでは、素性が明らかではない人の発言は「戯言」と認識するようになり、惑わされないようになりました。
TikTokやnoteなどの新SNSは、フザけたダンスや、長文さえ厭わない意志の表明がパーソナリティーをあぶり出しているからこそ、台頭し、メジャーになる勢いです。逆にメッセージを匿名でやり取りできるSarahahは、彗星の如く現れ、あっという間に消えて行きました。
デジタルだからこそパーソナリティーが大事、なんでしょうね。情報も、コメントも、アカウントも、キャラクターも無数に存在するデジタルの世界では、パーソナリティー無きモノは無価値だし、パーソナリティーがなければ気付けないことも多いのかもしれません。アナタは日々、感情を抱きながらスマホの画面に向かっているでしょうか?
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