ビューティ

“元祖オルチャン”ホン・ヨンギのコスメブランド「ミルクタッチ」が日本上陸 実業家としての一面に見るこだわり

 韓国語で美女や美男子を指す造語である“オルチャン”。“元祖オルチャン”と呼ばれ、日本でも人気を集めるインフルエンサー、ホン・ヨンギが来日した。プロデュースするコスメブランド「ミルクタッチ(MILK TOUCH)」が4月に韓国でデビューし11月から日本でもECサイトで販売する。日本で販売展開を行うのは、アジアトレンドに特化した日本のマーケティング会社Coogee(鈴木ヒロユキCEO)。

 ホン・ヨンギのインスタグラムは約74万フォロワーを超え、インフルエンサーとして活動するかたわら、ECサイトをプロデュースするなど実業家としての一面も持つ。韓国国内のみならず、日本の若年層にも影響力を持つホン・ヨンギがコスメブランドを立ち上げた経緯や、今後の展開にいて聞いた。

WWD:「ミルクタッチ」を立ち上げたきっかけは?

ホン・ヨンギ(以下、ヨンギ):基本的には私が使いたいものを作りたい、ということから始まりました。あと、私だけじゃなく家族や知人が安心して使えるようにと思って作りました。仕事柄、化粧品関係の方と接することが多く、その中には「自分が使うものじゃないからお金だけ稼げればいい」という考えで作っている人もいて……。そういうものは安心できないので、成分などにもこだわり、「私が作ったものだから安心して使っていいよ」と。

WWD:「ミルクタッチ」のターゲットは?

ヨンギ:トレンドに敏感で、かわいいものが好きな20代女性をイメージしています。でも私もそろそろ30代になるので、年齢は関係ないと思っています。

WWD:ブランド名の由来は?

ヨンギ:ブランドを立ち上げるときに、どうしても“ミルク”という言葉を入れたかったんです。私にとってミルクって、純粋できれいなものイメージなので。社内でたくさんアイデアをもらった中で「ミルクタッチってどうですか?」と提案がありました。ミルクっていう純粋なものにタッチして、ミルクみたいな肌を作る、という意味でその名前になりました。

WWD:「ミルクタッチ」のアイテムを作る上でこだわった点は?

ヨンギ:私たちのブランドにはメイクアップのラインとスキンケアのラインがあります。スキンケアのラインは直接肌に使うので、成分が大事なのは当たり前ですが、私たちはそこからもっと発展させて、メイクアップのラインでも成分にこだわっています。

WWD:メイクアップラインの特徴は?

ヨンギ:例えばチークですが、色味にこだわると肌に負担がかかる成分を入れざるを得ません。しかし、「タッチ マイ チーク」は肌に優しい成分で、発色にもこだわった処方にしています。あと、ファンデーションは肌に負担がかかるイメージがありますが、「マシュマロ ファンデーション」は使い続けるほどに肌のコンディションがよくなります。肌なじみも自然です。

WWD:一番のお気に入りアイテムは?

ヨンギ:私が一番おすすめするのは「グロッシー モイスチャー パッド」です。拭き取りタイプのスキンケアアイテムなのですが、韓国ではこのパッドがすごく流行っていて、いろんなコスメブランドが出しています。クレンジングの後にこのアイテムで拭き取ると、クレンジングで落としきれなかった汚れをきれいにオフでき、肌の調子がよくなります。また、刺激がないので肌荒れしているときに使えるのもポイントです。さらにこだわったのはクーリング効果。肌に熱があると化粧のりが悪くなるので、メイク前にどれだけクーリングできるかが大切です。拭き取った後はひんやりとした効果が続き、角質除去の効果も期待できるため、とても化粧のりがよくなります。ほかにも肌荒れに効果がある成分を配合し、低刺激だけど美肌効果も。パックみたいに使うこともできます。

WWD:今後、日本での展開は?

ヨンギ:韓国では4月に発売して、いろんな商品を段階的に展開しています。日本は11月から自社ECで販売を開始し、その後ポップアップストアなどで展開していきたいと考えています。

WWD:今の韓国メイクのトレンドは?

ヨンギ:少し前までは平行眉が流行っていましたが、最近はアーチ型の眉がトレンドです。あと、MLBBです。“My Lips But Better”の頭文字をとったもので、私のリップがより自然に美しく、という意味です。自然な発色で肌になじむ色が好まれています。その理由として、韓国ではマイカラーが流行っていることが挙げられます。日本でいうブルべ、イエベなどのパーソナルカラーみたいなもので、韓国ではクールトーンとウォームトーンとに分けます。その中でもいろいろな種類があって、それをさらに四季に例えます。春のウォームトーンや、夏のクールトーンといったように。みんなマイカラーを基準にリップやチークなどを選びます。

WWD:最近日本でもメンズビューティが広がってきているが、まだまだハードルが高い印象。韓国では?

ヨンギ:たぶん割合でいうと10人に2人くらいはメイクをしていると思います。男性用のリップティントもすごく人気があるし、アイドルやテレビに出る人たちがメイクしているので、韓国では男性がメイクをしたり、自分を着飾ることに違和感が少ないのだと思います。逆にあまりしないことに違和感があるくらい(笑)。メイクをしている男性はまだ多くはありませんが、スキンケアはすでに当たり前です。

WWD:実業家、インフルエンサーなどさまざまな面を持っているが、今後どういった活動を行っていく?

ホン・ヨンギ:今は「ミルクタッチ」が始まったばかりなので、モデルとして私の名前を全面に出しています。信頼してもらうためにはそれが必要だし、批判も含めてすべて受け入れるべきだと思います。しかし、「ミルクタッチ」を韓国の中で終わらせるのではなく、世界中の人に楽しんで使ってもらいたいという夢があります。世界に流通させるために、ゆくゆくはモデルよりも実業家としての立場に注力し、ブランドをサポートしてきたいと考えています。

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