ファッション

地球は人間を必要としていない。でも、人間には地球が必要 ブルーノ・ピータース/「オネスト バイ. ブルーノ ピータース」

bruno_hd

 「オネスト バイ. ブルーノ ピータース(以下、オネスト バイ.)」はパリ・コレクションの常連デザイナーだったブルーノ・ピータースが2012年に立ち上げた100%トレーサブルなファッションのeコマースサイトだ。彼は、自身のブランド以外にもヒューゴ ボス「ヒューゴ」やベルギーのバッグブランド「デルヴォー」などを手掛けファッション業界の一線で活躍していた。ところが、ブルーノは10年、突然自身のブランドの休止を発表。2年間世界中を旅し、インドでの滞在が彼の人生を変えることになった。ブルーノはその旅で環境や動物愛護などの重大さに気付き、“トレーサブル”というキーワードを元に新たなビジネスモデルでファッション業界にカムバックを果たした。

 「100%トレーサブルなファッションを提供している会社がないから、『オネスト バイ. ブルーノ ピータース』をスタートした」とデザイナーのブルーノ・ピータースは語る。「商品情報を公開するのは当然のこと。今、消費者は見せかけばかりのファッションに飽き飽きしているはずだ。地球は人間を必要としない。でも、僕たちには地球が必要。少しでも『オネスト バイ.』が人々の意識に変化を起こすきっかけになれば」と続ける。
 「オネスト バイ.」では、商品を構成するすべての要素である素材、糸、各種ラベル、タグなどやそれらが生産された工場を明記。製造に関しても、パターンから縫製などすべての工程にかかった時間及び、工場の情報を公開している。ブルーノは「最近、さらに多くの消費者がデザインのみならずその背後にあるストーリーがある洋服に関心を持ってくれてとても嬉しい」と述べる。
 以前と変わった点について聞くと「僕は全く違う人間だよ。生まれ変わったといってもいい。以前は、“ファッション業界”に捕らわれすぎていた。今は、内面的にとても充実しているよ。洋服もカジュアルなものを好むようになったね」という答えが返ってきた。サステイナブルなファッションが持つ制約に関しては「今は、素材やカラーだってサステイナブルに開発できる。それをしないのは、知識がないか、単にコストが高くなるから。モードとサステイナビリティの完全な融合は可能だ。3Dプリンターを筆頭に技術の発展が、さまざまなことを可能にすると思う」とポジティブな姿勢を見せた。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

疾走するアシックス 5年間で売上高1.8倍の理由

「WWDJAPAN」11月4日号は、アシックスを特集します。2024年度の売上高はコロナ前の19年度と比べて約1.8倍の見通し。時価総額も2兆円を突破して、まさに疾走という言葉がぴったりの好業績です。売上高の8割以上を海外で稼ぐグローバル企業の同社は、主力であるランニングシューズに加えて、近年はファッションスニーカーの「オニツカタイガー」、“ゲルカヤノ14”が爆発的ヒットを記録したスポーツスタイル…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。