「WWDジャパン」11月25日号は、22日にオープンしたばかりの渋谷パルコを4ページにわたって取り上げています。時計担当で古着、靴好きの“四十路男子”の僕も内覧会受付開始の9時半には集合し、次の取材までの1時間、しっかり内覧させてもらいました。
まず向かったのは4階の「リストック」です。渋谷のスニーカーカスタムショップ「リクチュール」と、パルコの子会社ヌーヴ・エイとの協業による館内唯一のリペアショップです。売り場面積は約46平方メートルで、店内に“オープンファクトリー”とも言うべき、見せる工房を備えています。スニーカーはもちろん服やiPhone、そしてヌーヴ・エイが5階に出店する時計専門店「チックタック」のノウハウを生かした時計の修理も受け付けます。リクチュールの廣瀬瞬オーナーとは、靴好きコミュニティー“Jの会”を構成する仲。リクチュールの前身である「国分寺シューズ」時代からの付き合いで、靴のことならなんでも相談できる間柄ですが、国分寺から渋谷、そしてパルコに駆け上がる姿に僕は目を細めていました。ちなみに内覧会当日は、廣瀬オーナーのまさかの出張で会えず。「行くね」ってメッセージしたのに、ブツブツブツ……。
2軒目は、3階の「セイコーブティック」。ギンザ シックス、グランフロント大阪に続く3店舗目です。てっきり、8月にパルコ隣の「ホテル コエ トーキョー」でプロスケーターを招き「セイコーらしからぬ」(セイコーウオッチ関係者談)イベントを行った「セイコー 5スポーツ」を推してくるのかと思っていましたが、メインは「グランドセイコー」と「セイコープロスペックス」。「グランドセイコー」の平均価格帯は50万〜60万円で、「渋谷的若者が買うには、ちと高いのでは?」と聞くと、「“時間を知るのはスマホでOK”ではなく、“きちんと時計を着けよう”というムードが若年層にも広がりつつあります。彼らに“本格派”の時計を提案したい」との回答。一方で「セイコープロスペックス」は、その若年層に人気のダイバーズウオッチをしっかり打ち出します。ほかにも「プレザージュ」の、ダイヤルにほうろうや有田焼を使ったモデルはインバウンド客向け。カオスな雰囲気の渋谷パルコの中で、高級時計が本当に売れるのか――数カ月後に“結果”を確認しに行きたいと思いました。
最後は、今や世界中から注目される古着店の「ベルベルジン」です。でも3階のフロアガイドをしっかり見たのに、たどり着けないんです……。それもそのはず、一度大きく重いガラス戸を開け、ウッドデッキの共有通路を渡り、再び室内に入る必要があるんですもの。僕の「フントニモー!」をよそに、山田和俊オーナーは「この立地が気に入ったんだ」と笑います。店内には「20代や外国人客に人気」だというバンドTシャツが500枚以上。ほかにも渋谷パルコ店のオープンに合わせて発売する、オリジナルブランド「トゥービーアナウンスド(TOBEANNOUNCED)」のウエスタンシャツやニットカーディガン、コーデュロイパンツが並びます。価格は1万9000~4万8000円。「スーパービンテージはないんですか?」と聞くと、「あるよ」と見せてくれたのは1950年代製の“501XX(レザーパッチ)”(98万円)。ハイ、目の保養になります。
デニム担当でもある僕は、ルックホールディングスが10月に日本法人の株式譲渡を発表した3階の「デンハム(DENHAM)」や、ドラァグクイーンがずらりと並んだ地下1階の「キャンピーバー」も気になりましたが、とにかく時間がなくて……。今度は子どもと一緒に、6階の「ポケモンセンターシブヤ」や「ニンテンドートウキョウ」にもゆっくり訪れたいと思います。