キム・カーダシアン(Kim Kardashian)は、自身の補正下着ブランド「スキムス ソリューションウエア(SKIMS SOLUTIONWEAR)」で男性用補正下着を取り扱うことを示唆した。
キムは「E!ニュース(E! News)」に対して、「これまでにも男性からの質問を多く受けてきたし、とても前向きに考えているわ。すぐにでも取り掛かりたいと願ってる。おもしろいスタッフたちもいるのよ」とコメントしている。
キムは7月にインスタグラムで「私のブランドの商品は包括性と多様性に基づいている」と投稿している。「スキムス ソリューションウエア」は男性用補正下着ラインを展開する可能性について否定していたが、もしかすると同ブランドにはぴったりの案件なのかもしれない。
昨年のシェイプウエア全体のグローバル市場は約20億ドル(約2160億円)規模で、リポートによると2024年までに64億ドル(約6900億円)にまで成長すると報告されている。
しかし、男性用の製品に関しては“補正下着”というよりも“コンプレッションウエア”と呼ぶ方が認識されやすく、市場規模は女性用のそれよりもはるかに小さい。
男性用補正下着は「スパンクス(SPANX)」「ROCボディウエア(ROCBODYWEAR)」「レオニーサ(LEONISA)」などのブランドでいくらかの製品がある。また、トレーニング目的の男性用コンプレッションウエアは「ツー・タイムズ・ユー(2XU)」や「アンダーアーマー(UNDER ARMOUR)」など数多くのブランドが取り扱っている。米市場調査会社エヌピーディー・グループ(NPD GROUP)のマーシャル・コーエン(Marshal Cohen)=チーフ・インダストリー・アドバイザーによると、男性用のコンプレッションウエアは“消耗しない限り買わないモード”にあるのだという。
コーエンは「“消耗しない限り買わない”という形のままでは、ビジネスは単に維持されていくにすぎない。男性たちはコンプレッションウエアを着古してから新しいものを購入している」と語っており、この状況は同氏自身が「男性用のコンプレッションウエア業界が2ケタの成長率を見せている」とした数年前とは著しく対照的だ。この伸び悩みは、革新的な何かが欠如している状況に起因しているという。
コーエンは「男性は同じような製品をいくつも必要としない」としながらも、「スキムス ソリューションウエア」が革新的な商品を提供すれば、キムは男性用補正下着のビジネスに成功するのではないかと予想する。
キムがマーケティング能力にたけていることは彼女のこれまでの実績からも明白だ。商品を日常的にSNSで取り上げ、それを通じて消費者とコミュニケーションをとることにも精通している。また、キムはクリス・ジェンナー(Kris Jenner)や米リアリティー番組への出演でも有名な女優のカイル・リチャーズ(Kyle Richards)、リサ・リナ(Lisa Rinna)らとインフォマーシャル番組も立ち上げている。
キムが男性用補正下着を売り出せば、少なくとも彼女に注目している人びとからの関心は得られるだろうし、実際その数はかなり多い。男性用補正下着というカテゴリーが広く認識されていない現時点でキムが“シェイプウエア”について率直に言及したことで、この新しいカテゴリーの認知度が上がる可能性もある。