「ユニクロ(UNIQLO)」の2020年春夏は、“LIVABLE CITIES(リバブル・シティーズ/豊かで心地よい暮らしのために)”がコンセプト。「都市空間でのライフスタイルをより快適に、さらに豊かにするために必要なもの」を探求したというコレクションがそろう。展示会で発表した「ユニクロ」本ライン、クリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)による「ユニクロ ユー(UNIQLO U)」、グラフィックTシャツがメインの「UT」、イネス・ド・ラ・フレサンジュ(Ines de la Fressange)とのコラボラインなどのうち、ここでは「ユニクロ」本ラインと「UT」を紹介する。(PHOTOS:SHUHEI SHINE)
「ユニクロ」本ラインは、商品を3つの要素で構成。“ワーク&クラフト”“アウトドア”“アート&デザイン”の3つで、いずれも19-20年秋冬からの継続要素だ。機能性とデザインの融合がいっそうすすみ、「服を通じて人々の暮らしをより豊かにする」という“LifeWear”の考え方を凝縮したアイテムがそろった。
「本質への回帰」をうたう“ワーク&クラフト”のカテゴリーでフォーカスしているのは、「アーバンファームの拡大」「地産地消への積極的な取り組み」といったキーワード。実際に販売する商品として、注目はデニムパンツのバリエーションだ。
デニムパンツは、ウィメンズでは3つの新型を企画した。ハイウエストのスーパーワイドタイプは、非常に薄く、スカートのような感覚ではける。他は、ゆったりとした腰周りからきれいなラインを描くスラウチテーパードタイプ、ベルト付きでタックプリーツを効かせたタイプ。いずれも、米ロサンゼルスの同社のデニムイノベーションセンターで開発しており、サステナブルな生産を追求したもの。メンズの新型デニムパンツは、股下にはぎを入れて3D設計にしている。東レとカイハラと共同開発したという。メンズでは、きれいなシルエットのジョガーパンツも充実する。
「都市と自然の調和」を意識したという“アウトドア”のカテゴリーでは、防水、防風、透湿を打ち出した機能素材“ブロックテック”で、より薄手で軽い“ライト ブロックテック”を新たに開発した。ウィメンズ、メンズでコート(各6990円)などを企画。“ライト ブロックテック”はUVカット機能も搭載しており、東京五輪やパラ五輪などの観戦シーンにもピッタリ。他に、薄い中綿入りで家での洗濯も可能な防水のパデッドパーカ、オーバーサイズのアノラックパーカなどを新型として企画した。
ミニマルなシルエットで機能美を追求する“アート&デザイン”のカテゴリーでは、19年春夏も非常に好調だったという“エアリズム”や“感動パンツ”のシリーズをシックなスタイリングの中に落とし込んでいる。“感動パンツ”は、軽量で速乾、高い伸縮性といった持ち味はそのままに、今季はカーキを新色として投入。“感動パンツ”と同素材で“感動ジャケット”も作っており、セットアップで着ればオフィスや食事会などのシーンもカバーする。ウィメンズではシームのない3Dニットをプルオーバーとサーキュラースカートのセットアップで提案する。
「UT」ではフーディーも豊富に提案
「UT」では、「シーズンで70以上のコンテンツを企画している」といい、展示会では話題性の高い6コンテンツにフォーカス。デザイナーブランドとのコラボレーションでは、「アナ スイ(ANNA SUI)」と組んで商品を企画したのがニュース。カットソー地のトップス(1500円)に加え、布帛のブラウス(2990円)やワンピース(4990円)など、「アナ スイ」らしいボヘミアンムードのアイテムがそろう。淡い色使いなどで、幅広い層に支持されるよう工夫している。
他は、フィンランドの老舗テキスタイルメーカー、フィンレイソン(FINLAYSON)との協業や、吉田ユニがディレクションするサンリオキャラクター、オーストラリア・メルボルンで12月1日から開催されるというキース・へリング(Keith Haring)とジャン=ミシェル・バスキア(Jean-Michael Baquiat)の合同展覧会を記念したグラフィティTシャツ、フューチュラ(FUTURA)やアンドレ(Andre)などのストリートグラフィティを生かしたフィーディーやビッグサイズTシャツなどがそろう。
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