ファッション

ロベルト・カヴァリ、買収が正式に成立 ドバイの大富豪が190億円で

 財政難に陥っていたロベルト・カヴァリ(ROBERTO CAVALLI)の買収が11月28日に正式に成立した。7月に報じられた通り、ドバイの投資会社ビジョン・インベストメント(VISION INVESTMENT)が、ロベルト・カヴァリの親会社である伊投資会社クレシドラ(CLESSIDRA)から全株式を取得した。また、ビジョン・インベストメントが買収に当たって提示した事業再建策もミラノの裁判所によって承認された。

 取引の詳細は明らかにされていないが、情報筋によれば買収額は1億6000万ユーロ(約190億円)程度で、6500万ユーロ(約77億円)の増資や全ての債権者への支払いなども含まれていると7月の時点で報じられている。

 ビジョン・インベストメントは、ドバイの不動産開発会社ダマック・プロパティーズ・グループ(DAMAC PROPERTIES GROUP以下、ダマック)のフセイン・サジワニ(Hussain Sajwani)創業者兼会長が保有。同社とロベルト・カヴァリの関係は深く、ダマック傘下の投資会社がドバイに建設しているホテルの内装などを「ロベルト カヴァリ」が手掛ける予定であるほか、「ロベルト カヴァリ」のコンテンポラリーラインである「ジャスト カヴァリ(JUST CAVALLI)」がドバイで展開しているラグジュアリーヴィラ事業の建設をダマックが請け負っている。

 サジワニ創業者兼会長は、「今後も『ロベルト カヴァリ』の素晴らしいレガシーを発展させられることをうれしく思う。当グループはロベルト・カヴァリと長きにわたって実りある関係を築き上げており、ラグジュアリーに対する考え方も似ている。引き継ぎ期間中も、同社が安定して経営されることを約束する」と語った。なお、今回の取引をまとめるにあたってはジャン・ジャコモ・フェラリス(Gian Giacomo Ferraris)=ロベルト・カヴァリ最高経営責任者の存在が大きかったといわれており、買収後も現職にとどまると見られている。

 ロベルト・カヴァリは米国内に7つの直営店と4つのアウトレットなどがあるが、それらを運営している米子会社のアートファッション(ART FASHION)も会社清算の手続きのため、4月に米連邦破産法7条を申請している。ポール・サリッジ(Paul Surridge)「ロベルト カヴァリ」クリエイティブ・ディレクターは3月に退任しており、後任は決まっていない。なお、ロベルトカヴァリジャパンは解散している。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。