瀧定大阪グループの繊維商社スタイレムは、海外法人のグローバルな生産背景を活用した新しいサービス「GOS(グローバル・オペレーション・スキーム)」を本格的に始動した。
同社は2009年、中国・上海に現地法人を立ち上げて以来、香港、ベトナム、インド、中国・深圳、イタリア・プラート、タイ・バンコク、韓国・ソウル、そして今年インドネシアに拠点を設置してグローバル戦略を推進してきたが、「GOS」は各国のネットワークを緊密に連携させることで、OEM(相手先ブランドの生産)やODM(相手先ブランドの企画生産)の企画提案機能、調達・生産機能の精度をさらに高めることを目指す。
GOS室長を務める峠(たお)義行・事業本部ファブリック事業部第2部副部長兼12課課長は、「海外法人を窓口として現地の提携工場との協業をさらに強化し、コストメリットのある付加価値商品を提供することが目的だ。当社が従来メインとしてきた百貨店やセレクトショップ向けブランドに加え、ロープライスゾーンの市場も開拓したい」と「GOS」の狙いを説明する。
中でも重要拠点としているインドは、12年の現地法人設立時から峠氏が同地における生産管理のスキーム作りに携わり、原料から紡績、織り・編み、染色、縫製まで同国内で完結できるサプライチェーンを整備した。商品企画力、生産能力はもとより、スタイレムの技術系スタッフを定期的に工場に派遣して技術指導を行うことで品質の向上にも努めている。また、昨年からトレーサビリティーが確保されたリサイクル原料を使用し、エコとファッションを意識したプロダクトカテゴリー「エコアーチ(ECOARCH)」を打ち出して、オーガニックコットンやBCI(Better Cotton Initiative)コットンなどを使用してサステナブルな素材提案も意識している。
「このグローバルな体制を生かし、適材適所の生産で、さまざまなオリジナル商品を安定した品質で提供したい」と話した。