ファッション

UAの11月度は増税後の落ち込みから持ち直し ユニクロは“感謝祭”が不発

 大手SPA、セレクトショップ、専門店の2019年11月の売上高(既存店ベース)は、気温が下がりきらなかったことで冬物衣料の動きが鈍く、前年実績を割り込んだという企業目立った。台風19号による店舗休業や増税後の反動などで落ち込んだ10月に続き、厳しい秋冬商戦を強いられている。

 ユナイテッドアローズ(UA)の小売りとECの既存店売上高は前年同月比1.6%増と、引き続き「オン、オフ兼用できるキレイめカジュアルがウィメンズ、メンズともに売れている」(広報担当者)という。高額のダウンアウターなどは増税前の購入が多かったが、ウィメンズは「マウンテンパーカやウールのラップコートが売れており、アウターの動きは悪くはない」。一方、メンズはスーツ不振の流れの中でビジネス衣料が苦戦、アウターも「ウィメンズの軽めのアウターのような商材がメンズはなかなかなく、厳しい」。他、ニットやロングスリーブTシャツなどの中軽衣料も売れている。

 「無印良品」を運営する良品計画の直営既存店売上高は同0.8%増、衣服・雑貨カテゴリーでは同4.1%増だった。「下旬に気温が下がったことでニットやダウンがしっかり売れた。加えて、店頭で打ち出した冬用のあったか肌着も好調だった」(広報担当者)という。他カテゴリーでは、京都・山科に出店したスーパーマーケット業態の宣伝効果などもあって、食品が同30.7%増となるも、大型家具が不振で生活雑貨は同7.3%減となった。

 ユニクロの国内既存店とECの合計売上高は、同5.5%減だった。「上旬は増収だったが、22~25日に開催した恒例の“誕生感謝祭”の気温が高く、防寒衣料が全般的に難しかった」と広報担当者。昨年は“感謝祭”を5日間開催したのに対し、今年は曜日の並びで1日減らした点も影響したと見る。そういった中でも、“ハイブリッドダウン”“カーブパンツ”“スフレヤーンニット”など「新商品の動きは悪くない」。

 アダストリアの既存店売上高は同0.7%減。客単価は同2.7%増と維持しているものの、客数が同3.3%減となっている。「気温の変動が激しかったことで、冬物の動きが計画よりも緩やかだった」と広報担当者。好調ブランドは「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」「ニコアンド(NIKO AND…)」など。

 しまむらの主力である「ファッションセンターしまむら」の既存店売上高は同1.3%減。従来に比べてやや落ち幅が小さくなったが、昨年11月を振り返ると一昨年同月比12.3%減と大幅に落としていた。ティーン向けスカートやあったか寝具、子ども向け衣料などは好調だったが、中綿ジャケットやタイツなどの防寒アイテムが伸び悩んだという。

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