「ビームス(BEAMS)」メンズの2020年春夏のテーマは“オルタナティブ カウボーイ”だ。ウエスタンルックを現代的に解釈したビームス流のスタイルを提案する。展示会場にはウッドチップを敷き、無機質なモルタルと天井裏のダクトを見せることで東京の街に佇む都会的なカウボーイを表現した。
吉川基希メンズディレクターは「ここ2~3年はストリートやスニーカーといった1990年代のリバイバルブームが続いている。ただ最近は、ストリート化していたコレクションブランドもエレガントな方向に振っていて、少しずつ潮目が変わっているなと感じていた。原宿などの若い子のスタイルを見ていると、特にパンツとシューズが変わってきている。これまでのスニーカー一辺倒から、レザーのポインテッドシューズを履き、それに合わせるために、ブーツカットやシューカットのきれい目パンツを選ぶようになった。足元の変化からスタイルを考えたときに、70年代のウエスタンルックがハマると思った」と説明する。
70年代ファッションを象徴するタイダイやデニムも推すが、いずれも現代的にアップデートする。「当時のタイダイだと現代のスタイルとしては強すぎる。だからプリントで転写し、色もペールトーンに抑えた」と吉川ディレクター。生地にもこだわり、スエットや柄シャツ、カーディガンなどをポリエステルで上品に仕上げた。「パンツもポリエステル。コットンやウールよりも洗濯しやすいのも今っぽい」。シルエットに関しては、90年代ブームの流れも踏襲し、引き続きオーバーサイズだ。「90年代の流れが全く無くなるわけではない。お客さまには引き続き求められる要素だと思うので、サイズ感やシルエットで90年代の雰囲気を残しつつ、提案の幅を広げていきたい」。