「ディオール(DIOR)」が、12月3日にマイアミで行った2020年プレ・フォール・コレクションで、ナイキ(NIKE)の「ジョーダン ブランド(JORDAN BRAND)」とコラボレーションした“エア ジョーダン 1(AIR JORDAN 1)”を発表した。キム・ジョーンズ(Kim Jones)「ディオール」メンズ アーティスティック・ディレクターは個人としては過去にナイキとの協業経験があるが、「ディオール」とナイキのコラボはこれが初めて。「ジョーダン ブランド」がラグジュアリーブランドとコラボするのも初だ。
キムが日頃から“エア ジョーダン 1”を愛用していることに加え、同シューズが1984年の発売開始から今年で35年という節目を迎え、奇しくも同年が「ディオール」がアメリカでメンズコレクションの販売を開始した年でもあるということからコラボが実現したという。
“エア ジョーダン 1”のハイカットモデルをベースとしたこの1足は、シルエットやステッチなどオリジナルモデルを忠実に再現してイタリアの工場で生産されたもので、クリーム × グレーのカラーリングのアッパーには「ディオール」がバッグなどに採用しているレザーを使用している。両サイドに配されたスウッシュの内側は“ディオール オブリーク(DIOR OBLIQUE)”柄となっているほか、履き口のウィングスロゴが“AIR JORDAN”から“AIR DIOR”に、シュータンのロゴも“NIKE AIR”から“DIOR AIR”に変更。さらに、クリア素材のアウトソールの底面には“DIOR”の文字と“AIR DIOR”のロゴが大体にあしらわれ、ジャンプマンロゴと“AIR DIOR”のシルバータグが付属されている。
価格は非公開だが、2020年4月から世界の限られた「ディール」店舗での販売を予定しているという。また、米「WWD」によると両者の協業は今後も継続される可能性があるそうだ。
キムは2018年に「ディオール」に参画して以降、現代アーティストのカウズ(Kaws)やダニエル・アーシャム(Daniel Arsham)、空山基との協業を発表し、ジュエリー・デザイナーには「アンブッシュ(AMBUSH)」のYOONを起用。11年在籍した「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」時代にも、「シュプリーム(SUPREME)」や「クリストファー・ネメス(CHRISTOPHER NEMETH)」、藤原ヒロシが主宰する「フラグメント デザイン(FRAGMENT DESIGN)」とのコレクションを成功させるなど、ラグジュアリーとストリートの垣根を超えたクリエイションを何度も披露してきた。
なお、ラグジュアリーブランドとスポーツブランドの協業は過去にも数例あり、「シャネル(CHANEL)」と「リーボック(REEBOK)」、「プラダ(PRADA)」と「アディダス(ADIDAS)」、「バルマン(BALMAIN)」と「プーマ(PUMA)」、「ジバンシィ(GIVENCHY)」と「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」などがある。