プレゼントに中古品を贈ることはもはやタブーではなく、実際にはむしろ喜ばれるかもしれないという結果が報告された。
市場調査・データ分析会社のユーガブ(YOUGOV)による1276人のアメリカ人を対象にした最近の世論調査によると、5人中3人(61%)の調査対象者が中古品をプレゼントされることを肯定的に捉えており、その傾向は特に限定品やレアアイテムの場合に強まるという。なお、「中古品をプレゼントされたくない」と回答した人は全体の4%にとどまった。
年齢別で見ると18~34歳の約半数(49%)が「中古品をプレゼントにすることもあり得る」と回答したが、55歳以上で同じ回答をした人は38%にとどまった。現在のリセール市場は主にミレニアル世代やZ世代の若者たちからの支持で盛り上がりを見せているため、若年層の方が中高年世代よりも中古の贈答品に対する順応性が高いことは当然といえる。
中古品をプレゼントされた場合の反応について男女間に大きな差は見られず、63%の女性が「よい気分だ」と回答。同意見の男性は59%だった。
今回の調査の依頼者であるフリマアプリを運営するメルカリ(MERCARI)によると、この結果はリセール市場が大きく拡大している現在の状況にぴったり当てはまるものだという。自社サービスを“インターネット上で最大の委託販売・中古品販売サイト”と銘打つリセールサイトのスレッドアップ(THREDUP)は、「メイドウェル(MADEWELL)」や「リフォーメーション(REFORMATION)」など多くの話題性のあるブランドと提携し、メイシーズ(MACY’S)やJ.C.ペニー(J.C. PENNEY)のような百貨店で中古のアパレル商品を販売している。
リセール市場が拡大している理由のひとつに、不透明な景気が続く中での節約志向が挙げられる。そしてもうひとつの理由が、消費者による環境や社会への配慮の高まりだ。
アクセンチュア(ACCENTURE)の10月のリポートによると、1500人のアメリ人のうち45%が「ビジネスや職場環境を通じて社会問題に対する取り組みを幅広く行っている小売業者から購入したい」と回答しているなど、“責任あるリテール”がトレンドとして急浮上している。
このような背景を見ると、リセール市場の成長がすぐに止まることはないと言える。調査会社のグローバルデータ(GLOBALDATA)がスレッドアップの依頼で行った分析結果によると、アパレルのリセール市場は通常の小売市場に比べて過去3年の間に21倍の速度で膨れ上がっているという。また、2023年にはリセールの市場規模が現在の240億ドル(約2兆6160億円)から倍以上の510億ドル(5兆5590億円)にまで成長すると考えられている。
ジョン・ラーゲリン(John Lagerling)=メルカリ最高経営責任者は「プレゼントの購入者たちは、リセールを利用することで周りと差をつけられるだろう」と語っており、「普通の店舗だと商品のラインアップが限られており、ありきたりでノーブランドなプレゼントになってしまう。メルカリでプレゼントを購入する人は他とは違う商品を求めており、出品者たちは日々15万点以上のアイテムを掲載している。全てのカテゴリーでバラエティーに富んだアイテムが販売されており価格も魅力的だ」とコメントしている。