セレクトショップの「フリークス ストア(FREAK'S STORE)」などを運営するデイトナ・インターナショナルは、30~40代に向けた新ブランド「アーセンス(ARESENSE)」を2020年春夏からスタートする。「フリークス ストア」でバイイングも担う梅本愛子ウィメンズ商品部アシスタントディレクターが手掛ける。
デビューシーズンはジャケットやトップス、パンツなど、26型をトータルでそろえる。“素敵”だったり“凛”として見えたり、女性のキャリアアップに寄り添うことをテーマに、イージーケアも念頭に置く。価格帯はジャケットが2万円台、コートが3万円台、シャツ、パンツ、そのほかトップスが8000~1万8000円。ブラックやベージュ、グレーなどベーシックなカラーリングが中心で、素材はケアが簡単な麻調のポリエステルなど。
梅本ディレクターは「仕事とプライベートの境がなく、仕事でプレゼンしてそのまま保育園のお迎えに行き、公園に行って遊べたり、出張などで、機内で着ていてもストレスなく、シワにならずにそのまま打ち合わせに行けるような服をイメージした」と説明する。メンズの仕立てを理解した上での女性らしい曲線の美しさを表現したいと、型紙にもメンズのパタンナーを採用した。シューズとバッグを仕入れで並べるほか、アーティストとのコラボ企画や、スタイリストの白幡啓とコラボしたアクセサリーも展開する。「シンプルなブランドなので、どうやってブランドを伝えるかが課題。これまでお付き合いがあり、人が並ぶような企画を一緒にやってきた方々にお声掛けし、話題性のある企画を継続的に続ける。そういった中で、『アーセンス』の服の良さにも気づいてもらえたら」。
“アーセンス”とは英語の“Make Sense”(意味のある)を意味するラテン語の“Aresennse(アレセンス)”を英語読みしたもの。ロゴは、出産や子育てを経たりしながら働く女性特有のさまざまなキャリアアップをマーブル模様で表現し、女性の芯の強さを感じられるようにしっかりとしたフォントを選んだ。
梅本ディレクターは「デイトナで11年間働いてきて、新規事業提案をしてもいい空気になったとき、私はアパレルでどうやって社会に貢献できるんだろうと考えた。例えばサステナブルと言われているけど、自分自身も服の断捨離をしながら“無駄”を繰り返している。そんな中で自分ができる社会貢献は、自分と同じステージに立って、同じようなマインドを持っている人に対して、悩みを解消していくことなんじゃないかなと思った。スケールは小さいけど、売り切れる数量で慎重に取り組んでいきたい」という。
3月からファッションビルでのポップアップを予定し、秋には常設店の出店を検討するほか、ECはデイトナが共同出資するECデパートメントストア「スタイル ヴォイス ドットコム(STYLEVOICE.COM )」で取り扱う予定。模索中とはしつつも、5年後に小売りベースで売上高20億円を目指す。