12月3日、「ディオール(DIOR)」のメンズ・アーティスティック・ディレクターのキム・ジョーンズ(Kim Jones)が手掛ける2020年プレ・フォール・コレクションがマイアミのルベル・ミュージアム(Rubell Museum)で開催された。
キムはさまざまなアーティストとコラボレーションを行うことでも有名で、これまでに現代アーティストのカウズ(Kaws)やダニエル・アーシャム(Daniel Arsham)、レイモンド・ペティボン(Raymond Pettibon)らと協業してきた。今回のプレ・フォール・コレクションでは、「ステューシー(STUSSY)」創業者のショーン・ステューシー(Shawn Stussy)とのコラボレーションが実現した。
今回のファーストルックはモダンなシアーシャツとクラシックなシャツの上にサイケデリックなプリントが施されたカシミアのセーターを重ね、バギーショーツとフレンチスタイルのベレー帽を合わせたスタイルで、ステューシーとのコラボレーションがクリアに表現されている。また、今回発表されたナイキ(NIKE)の“エア ジョーダン(AIR JORDAN)”とコラボレーションした“エア ディオール(AIR DIOR)”のスニーカーは、ラグジュアリーなストリートウエアファンの間で人気となることは間違いない。
全体に手縫いのビーズがあしらわれたマルチカラーのトライバル・シャツジャケットに花柄のシルクのパジャマを合わせたスタイルもサイケデリックなテイストで、シルクのショートパンツは70年代のサーファーたちが着ていたコーデュロイショーツを意識したものだ。
細いデザインのなめらかなカシミアコートや「ディオール」で人気のダブルのスーツなど、トラディショナルなスタイルも健在。また、メタリックで光沢のあるパイソン柄のレザーショートパンツやシャツ、カーコートが好青年風のスタイルにスパイスを加えていて、マイアミらしい雰囲気も感じられる。
キムは比較的短期間のうちに、「ディオール」でクチュールのテクニックを用いながら若い男性たちの求める革新的なメンズウエアを進化させてきた。同時に、このコレクションでは原点であるクールさにも回帰しており、現代のファッションに精通している顧客が求める“時代を超越するものでありながらトレンドも押さえている”という期待にもしっかり応えたコレクションとなっている。