「リファ(REFA)」や「シックスパッド(SIXPAD)」などを手掛ける美容機器メーカーのMTGは12月9日、2019年9月期決算を発表した。売上高は前期比38%減の360億円(前期583億円)、営業利益は144億円の赤字(同69億円の黒字)、経常利益は146億円の赤字(同69億円の黒字)、当期純利益は262億円の赤字(同40億円の黒字)だった。当初、11月14日に19年9月期決算の発表を予定したが、韓国の取引先の在庫状況に関する通報があり延期していた。
主な要因として「リファ」の苦戦を挙げる。「リファ」は中国での新EC法施行によるバイヤーの減少(国内56億円減、韓国71億円減、その他アジア15億円減)、日韓関係の悪化、香港のデモなどの影響で、18年9月期で321億円だった売り上げが、19年9月期は同60%減の130億円と大きく減少した。そのほか、店舗関連や建物、土地、ソフトフェアなどの資産価値の減損など、特別損失として100億円を計上した。
20年9月期の連結業績は、売上高は380億円、営業利益は20億円の赤字、経常利益は20億円の赤字、純利益は20億円の赤字と予想する。赤字幅が大きく改善する要因として、プロフェッショナル事業とトレーニングジム「シックスパッド ステーション(SIXPAD STATION)」が好調に推移すると予想し、20年9月の第3四半期から黒字化を目指す。「現在、サロンだけで『リファビューテック(REFA BEAUTECH)』のドライヤーとアイロンを販売しているが、10月に発売し、10~11月で計画比90%増と大変好調だ。20年夏には新製品も予定している。『リファ』の美容ローラーが苦戦する中で、『リファビューテック』が第2の柱となってくれることを期待している」と松下剛MTG社長は語る。また20年夏には「リファ」から「ビューティシャワー」や「リファ ミスト」のサブスク型モデルを開始するほか、20年1月にはスリープテックブランド「ニューピース」をリリース、20年夏には「シックスパッド」から家庭用EMSウェアも販売予定だという。
決算発表の延期については「10月前半に当社の会計監査人に対して韓国の取引先の在庫状況に関する通報があり、社内調査を行ってきた。当初は11月14日までには調査が終わり、発表できると考えていたが、思ったよりも時間がかかってしまった。結果としては、この韓国の件は、決算には影響がなかった。今後は12月開催予定の株主総会を経て、取締役を刷新し、社内ガバナンスを強化していく」と松下社長はコメントした。また大田嘉仁会長が取締役会長に、吉高信管理特別顧問と米澤和芳上席執行役員が、それぞれ取締役に新任するなど、新役員人事も発表された。