オーストリアのレーヨン最大手レンチング・グループ(LENZING GROUP)はこのほど、コットン製の古着を原料の一部にしたレーヨン繊維“テンセル(TENCEL)リヨセル”繊維の量産に成功したと発表した。これまで木材パルプを原料にしてきたが、繊維廃棄物を原料に使ったレーヨンの量産は世界初になる。
同グループは9月、衣類の製造過程で出る綿の残布と純正木材パルプを混合して新しい“テンセルリヨセル”を生産する技術「リフィブラ(REFIBRA)」を発表していた。これは、綿の残布を最大30%配合できる技術で、今回の発表はその第2段階。30%のうちコットン製の古着を最大10%混合することができる技術だという。5年以内にリサイクル原料を50%にまで引き上げる考えだ。
同グループの2018年度の売上高は21億8000万ユーロ(約2616億円)、レーヨンの生産能力はグループで約103万t。