ZOZOは12月10日、中国版「ゾゾタウン」である「ZOZO」のサービス提供を開始した。現在、「ゾゾタウン」の中から177ショップが出店、今後も随時出店者を増やしていく。“ファッションメディアEC”をコンセプトに、商品の販売に限らず、コーディネート情報や日本のファッション文化の発信を行うという。
配送は日本の物流拠点「ZOZOBASE」から行う。そのほか通関や一連のフルフィルメント業務、メディアの編集や翻訳、カスタマーサポートなどの業務は中国に設立した法人「上海走走信息科技」が行う。
ZOZOは2011年10月にも中国へ進出するも、13年1月にサイトをクローズしており、一度失敗している。その中で今回の進出はどこに勝算を感じているのか、また、日本からの配送に伴う送料や返品・返金対応などはどのように行うのか。ZOZOの担当者に聞いた。
WWD:中国版の「ZOZO」はウェブサイトとアプリでのサービス提供か、それともいずれかのみなのか。
ZOZO担当者(以下、担当者):現在提供しているサービスは、アプリでのサービス提供のみとなります。中国の「ZOZO」アプリでは、当社が運営するファッションコーディネートアプリ「WEAR」の機能を活かし、「WEAR」上に蓄積されたユーザーによる等身大のコーディネート投稿や、トレンドショップニュース、着こなしのコツなどのファッション情報を発信する"ファッションメディアEC"というコンセプトで展開しています。ひとつのアプリ内で、コーデ情報を見ることができ、かつ商品も購入できるアプリというイメージです。日本のファッション文化やファッションの楽しみ方を紹介しながら、商品の購入ならびに日中のファッション交流のプラットフォームを目指します。ただし現状、コーディネート投稿の機能は中国の「ZOZO」にはありません。
WWD:中国の「ZOZO」の価格は、どのように決めている?
担当者: こちらについては非公開としています。
WWD:日本の「ゾゾタウン」では、購入者は送料を200円支払う形となっている。日本国内の「ZOZOBASE」からの配送ということは、購入者の送料負担の額は大きくなるのか?
担当者:送料について、中国の購入者が負担する送料はありません。また、出店ブランドさま側としても、越境発送のための業務は、すべて当社が請け負うため、発送コストや業務が追加で生じることはありません。
WWD:返品・返金対応についてはどのような手はずになっているのか。
担当者:返品・返金の手はずについては、購入頂いた商品を現地法人に返送して頂き、商品の状態を確認後、返金する流れとなっております。
WWD:いずれ中国の現地にも物流拠点を置くつもりか。
担当者:サービスの成長に合わせて検討してまいります。
WWD:ZOZOは2011年に中国に進出し、一度撤退している。前回と今回の進出では何が違うと考えているのか。
担当者:初めて進出した当時は、ファション消費が今ほど大きくなく、日本から進出するブランドも多くありませんでした。それから約7年を経て、現在の中国市場はファッション消費額が高くなったほか、日本からの進出ブランドも増えています。また、EC化率も日本を超え、ファッション消費額についても6年前の約4倍になるなどの変化が見られます。こうした市場に再度進出し、ZOZOの強みである良質な商品やコンテンツを、中国ファッションや消費行動を理解した現地メンバーが提供する事で、中国ユーザーが日中の垣根なくファッションを楽しめるサービスを目指していきたいと考えています。