カラフルな色石を用いたジュエリー「クニエリカ(KUNIERIKA)」が11月末に東京・表参道で展示会を開催し、メダルをモチーフにしたジュエリーやイエローダイヤモンドのリングなどの新作が登場した。同ブランドの魅力は、石の個性を大切に顧客一人一人に合わせた丁寧な物作りだ。石留めの仕方などディテールにもこだわったデザインは職人泣かせだという。「クニエリカ」の廣村晋江デザイナーに新作やクリエイションについて話を聞いた。
WWD:新作にメダルのモチーフを使用したのは?
廣村晋江(以下、廣村):仕事や家事などいそがしい毎日を送る女性に、誰もメダルをくれない。そんな頑張る女性にメダルを贈りたいと思った。石を選んでもらってのオーダーも可能で、パールのネックレスは80cmのオペラだが、着ける人の身長に合うようにアレンジする。1カ月半~2カ月程度と納期も比較的短い。
WWD:サファイヤやガーネットなどの色石のほかにイエローダイヤモンドが加わったのは?
廣村:大学時代の友人が、香港にあるベルギーのダイヤモンド商のところで働き始めた。そこの4代目オーナーに私の制作活動を伝えたところ、イエローダイヤモンドを出してきて、好きな石を選んでいいと言われた。ダイヤモンドというと格付けを気にする人が多いが、カラーダイヤモンドはそれだけでない。だから相性がいいもの6石を選んで購入したのがきっかけだ。
WWD:イエローダイヤモンドというと通常かなり高額だが?
廣村:これは「クニエリカ」だから出せる価格帯。ファンシービビッドイエローの脇石にはブルートパーズを使用した。通常このような組み合わせはしないが、黄色と水色が引立て合うと思ったから。好きな石を好きなように選んでデザインしてみた。
WWD:今後どのようなものをデザインする予定か?
廣村:カラーダイヤモンドにはとても興味がある。業者のところで眠っているデッドストックの石を使って一点モノを作りたい。石自体はとてもきれいなのに、1石しか残っていないなどの理由で通常の流通にのらないものがある。
WWD:リフォームなどのサービスも行っているようだが?
廣村:祖母や母親が持っていたジュエリーをそのまま眠らせておくのはもったいないので、積極的に顧客にはリフォームを勧めている。顧客一人一人と話しをしながら、どのようにリフォームするかを話すのが楽しい。古いケースに入れて持ち込まれるので、リフォームが仕上がったらオリジナルのケースに入れ替えて手渡すようにしている。