「WWDビューティ」2019年12月26日・20年1月2日合併号は恒例企画のベストコスメ特集。美容ジャーナリストや美容誌・女性誌の編集長、エディター、ライター、メイクアップアーティスト、百貨店化粧品バイヤーなどの協力を得て、19年下半期(7〜12月)に発売された製品を対象に全18部門で「WWDビューティ 2019年下半期 ベストコスメ」を選出した。
ブランドの世界観や製品のコンセプト、キーカラーの質感や色味などを伝えていることはもちろん、ほかにはない新鮮さや驚きがあった作品に支持が集まった。
1位 ウズ バイ フローフシ「38℃/99℉
リップスティック<トウキョウ>」
ウズ「同 リップトリートメント」
安倍佐和子/ビューティエディター
ニューヨークの洗練、エフォートレスな時代の空気を感じさせるADは「ウズ」のメッセージ、世界の舞台へと羽ばたいたフレッシュな感性が表現されていて、日本発のコスメブランドの明るい未来を予感させてくれる。
岡部麻衣/三越伊勢丹 化粧品MD統括部 マーチャンダイジングディビジョン 新宿化粧品 マーチャンダイザー
11月20日、伊勢丹新宿本店にオープンした「ウズ」。ほかにはない空気感のビジュアルが目を引く。ブランド内で人気が高いのは6色のリップスティック。カラーによって濃度や質感が異なる6種のフォーミュラを開発しており、滑らかな塗り心地で密着力のあるテクスチャーをまとった表情は実にバリエーション豊か。
松井朝子/ハースト婦人画報社「エル・オンライン」ビューティデスク兼「エル・ジャポン」編集長代理
初めてのリップスティックを、リップトリートメントと共に発売した際のADビジュアルは、世界の著名なフォトグラファーたちが、広告のためではなくプライベートで撮った「38℃の瞬間」。瞬間を切り取ったパーソナルな温もりを感じさせる写真に心を動かされた。
2位 スック
「2019AW カラーコレクション」
入江信子/美容エディター・ライター
ワインレッド背景の中、トーンを落として影をつけた、“すみずみまで見せすぎない”写真。そのビジュアルからにじみ出る色香が大人の余裕を感じさせ、“かわいい”を卒業したい女性の気持ちにマッチする。プロダクトと共に、ブランドの方向性を鮮やかに表現している。
SAKURA/モデル・ビューティジャーナリスト
トレンドカラーの美しいくすみオレンジメイクを提案するビジュアルがインパクトがあった。一目でそのシーズンに注目されるカラーを分かりやすく伝えることは大切なことで、素直に商品にも強く興味を持てたと思う。
山本未奈子/美容家
日本の伝統工芸に用いられる漆工にインスパイアされた黒と朱が混じり合ったカラーが強烈な印象を残す。透明感のある肌、潤いのある口元、上質な輝きの目元で艶を表現したモデルが、製品のコンセプトをそのまま見事に表現している。
3位 ディオール
「ルージュ ディオール
ウルトラ リキッド」
ディオール「同 バーム」
寺本知香/松屋 婦人一部 MD課 バイヤー
赤い“花びら”を効果的に使用することで、リップの発色のよさだけでなく、質感やつけ心地もアピールする女性にはたまらない演出。みずみずしく、触れたくなるようなモデルビジュアルはインパクトがあり、そこに花びらが加わることで繊細さもプラスされていた。
野毛まゆり/美容愛好家
ぱらぱらとページをめくったとき、目に留まらなければその意味すらないのが広告。この一面はじっと見つめるだけでなく、二度見三度見してしまうほど魅力が溢れている。
54人の「WWDビューティ 2019年下半期 ベストコスメ」選定委員 ※順不同、敬称略
【美容ジャーナリスト】海野由利子、加藤智一、倉田真由美、近藤須賀子、斎藤薫、永富千晴、吉田昌佐美 、渡辺佳子 【美容エディター・ライター】安倍佐和子、AYAYA、猪狩幸子、入江信子、宇野ナミコ、大塚真里、小川由紀子、片岡えり、平輝乃、巽香、近内明子、中込久理、藤井優美、松村有希子、松本千登世、渡部玲 【美容家】石井美保、岡本静香、神崎恵、小林ひろ美、深澤亜紀、山本未奈子 【メイクアップアーティスト、ヘア&メイクアップアーティスト】KUBOKI、藤原美智子、MICHIRU、村松朋広、山本浩未 【百貨店化粧品バイヤー】入月雅子/三越伊勢丹 化粧品統括部MD、岡部麻衣/三越伊勢丹 化粧品MD統括部マーチャンダイザー、金川いずみ/阪急うめだ本店ビューティー営業統括部化粧品商品部アシスタントバイヤー、寺本知香/松屋 婦人一部MD課バイヤー、望月美穂/大丸松坂屋百貨店 営業本部 MD戦略推進室 化粧品 部長、吉田薫/東急百貨店 ファッション・雑貨統括部 第二ショップMD部化粧品担当 【メディア】梅田美佐子/宝島社「アンドロージー」編集長、加藤さやか/CCCメディアハウス「フィガロジャポン」シニアエディター、木津由美子/ハースト婦人画報社「ハーパーズ・バザー」編集長代理、桐野安子/光文社「美スト」編集長、高橋絵里子/講談社「ヴォーチェ」編集長、中西陽子/マガジンハウス「アンアン」キャップ、松井朝子/ハースト婦人画報社「エル・オンライン」ビューティデスク・「エル・ジャポン」編集長代理【その他】岡部美代治/ビューティサイエンティスト、SAKURA/モデル・ビューティジャーナリスト、曽田啓子/ビューティービジネスプロデューサー、貴子/松倉クリニック代官山・院長、中嶋マコト/モデル・ビューティジャーナリスト、野毛まゆり/美容愛好家
《選定方法》
2019年7~12月に発売された化粧品(リニューアル発売・新色追加を含む)を対象に、選定委員55人が「スキンケア部門」「ベースメイク部門」「ポイントメイク・目元部門」「ポイントメイク・リップ部門」「ポイントメイク・その他部門」「ヘアケア部門」「ボディーケア部門」「インナーケア部門」「美容機器・ツール部門」「フレグランス部門」「新知見部門」「オーガニック・ナチュラル部門」「プロダクトデザイン部門」「ドラッグストア&バラエティーショップ部門」「ADビジュアル部門」「イベント部門」「ストア部門」「ブランド部門」の計18部門で1~3位を選出。1位を3ポイント、2位を2ポイント、3位を1ポイントで集計し、合計ポイントで順位を決定した。なお、「イベント部門」「ストア部門」は5~9月末までの開催・オープンを対象とした。