ファッション

ブランド部門 「WWDビューティ」2019年下半期ベストコスメ

 「WWDビューティ」2019年12月26日・20年1月2日合併号は恒例企画のベストコスメ特集。美容ジャーナリストや美容誌・女性誌の編集長、エディター、ライター、メイクアップアーティスト、百貨店化粧品バイヤーなどの協力を得て、19年下半期(7〜12月)に発売された製品を対象に全18部門で「WWDビューティ 2019年下半期 ベストコスメ」を選出した。

 ブランド誕生10周年の節目に既存製品をリニューアルして躍進を続ける「THREE」やスキンケアラインを刷新した「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」、ブランド誕生25周年を記念したメイクアップ製品や初のフレグランスを発売した「NARS」など、今年話題が多かったブランドが上位に並んだ。

1位「THREE」

猪狩幸子/ビューティエディター
10周年を迎え、ますます勢いが止まらない! 2019年秋に発売されたスキンケアもメイクも素晴らしく、オーラルやデリケートゾーンの製品、お香まで発売。今後ライフスタイルブランドとしてさらに進化していくのだろうと期待している。

中込久理/美容エディター
核となるスキンケア「バランシングライン」のリニューアル、人気の高いメイクアイテムの充実、限定品のバリエーション、2019年下半期は10周年にふさわしい華やかな展開。フラッグシップショップ「THREE AOYAMA」のリニューアルオープンもあり、オーラルケアアイテムやお香など化粧品以外にも美容の世界を広げ、このブランドが目指すホリスティックビューティを確立したと思う。

MICHIRU/メイクアップアーティスト
地球環境を考えたサステナブルなスキンケア商品、これからの時代に必要な真の美しさを体現しているメイクアップ商品、心と体のバランスを考えたライフスタイルなど、その先にある”ゆるぎない美しさ”へ進化し続けるブランド。

山本浩未/ヘア&メイクアップアーティスト
“オーガニックが効く”と世に知らしめた「THREE」の10周年、コスモス認証を取るなど、本気のホリスティック路線。それを象徴するように、国産にこだわった新たな素材を開発し、口腔ケア、デリケートゾーン、香りとトータルでのアプローチ。素晴らしい!

2位「NARS」

入江信子/美容エディター・ライター
ヒット製品が目白押し!とにかく勢いがあり、このブランドを見れば今のメイクがわかるといってもよいほど。またどのアイテムもモード感を押し出しながらも、使い勝手にも真摯に向き合い、使う側を置いてきぼりにしない。そのバランス感覚が素晴らしい。

片岡えり/美容エディター・ライター
もともとモード派とアーティストには圧倒的人気だった「NARS」。新しいクッションファンデーションの、カバリッジ自在な仕上がり、ムラにならずに塗れる使いやすさ、紫外線カット効果などの機能が加わり、OLや主婦までとりこに。圧巻は60色ものバリエーションをそろえたリップ。全ての色が退屈じゃなく「NARS」らしさが潜んでいる。百貨店のカウンターがいつも混んでいて、普通の人がおしゃれな印象にブラッシュアップする「ナーズ」の魔法。その勢いは止まりそうにない。

木津由美子/ハースト婦人画報社「ハーパーズ バザー」編集長代理
ブランド創立25周年の2019年は、ブランドの原点であるリップスティックをフルリニューアルし、初のフレグランスも発売するなど、さらに弾みをつけた。スタジオ54など、「来年はどうするのか」と毎回心配になるユニークなコラボレーションを今年も継続。一時的な話題性にとどまらないクリエイティビティーで着実に歴史を刻んでいる。

近藤須雅子/美容エディター・ライター
美しく上品で上質な優等生と、アグレッシブな攻めの高インパクト派が拮抗した2019年のメイクで、後者の覇者となったのが「NARS」。使いやすく洗練されたアイテムで確実にきれいにしてくれると同時に、猥雑さが入り交じるモードなセンスが独特のスリリングな魅力を醸し出し、吸引力抜群。装うことの楽しさを堪能させてくれた。

高橋絵里子/講談社「ヴォーチェ」編集長
ブランド誕生25周年の記念イヤーだった2019年。クッションファンデーションの爆発的なヒットと、周年のワクワク感のある商品群が印象的だった。イベントを含め新しいチャレンジを続けているブランドと感じる。「『NARS』を持っていればおしゃれ」みたいなイメージが美容感度の高い購買者層に定着した。

永富千晴/美容ジャーナリスト
トレンドだけでなく、スタンダードで取り入れても使い続けられそうなアイテムや色展開が多いことにときめいた。年齢や立場など、女性にもさまざまな意識変化が見られる中で、「私たちが待っていた!」という手にとりやすい絶妙なカラー、絶妙な赤やブラウンの取り入れ方、また肌づくりやアイライナーなど、メイクアップをすることがまた楽しめるようになった。

3位「クレ・ド・ポー ボーテ
(CLE DE PEAU BEAUTE)」

巽香/美容エディター・ライター
新ベーシックケアは、肌レベルをぐっと底上げする中核のル・セラムに始まり、化粧水、乳液と重ねるごとに肌の輝きを高めて看板に偽りなし。数ある中で、シワのケアの手応えが目に見えて早かったのもこのブランドだったし、メイクのリキッドルージュに至るまで、高い期待値を決して裏切らない研究開発力は今期も揺るがない。

野毛まゆり/美容愛好家
憧れと期待と夢を託す……それが「クレ・ド・ポー ボーテ」。資生堂だからこそできる高い技術力と無限の可能性で、日本全国津々浦々、そして地球規模の女性の心をつかんでいると思います。日本を代表するブランドでしょう。

藤井優美/美容エディター
肌そのものの知性を引き出す――何とも抽象的ではあるけれど、確かに知性のある肌は美しいと思われる。「ル・セラム」からはじまり、ステップを重ねるごとに肌そのもののクオリティーが上がっていくような仕上がり感。これは大きな喜びになると思う。

山本未奈子/美容家
年代や国籍を問わず全ての肌に対応するキーラディアンスケアに注目。最新の研究でホリスティックにアプローチしてあらゆる肌悩みに対応。その中でも、「ル・セラム」は、最初に美容液を塗布することの大切さをあらためて実感させられた特別な一品。

2019年下半期ベストコスメ一覧
美容のプロ55人が選ぶ全18部門の下半期“名品”を発表!

54人の「WWDビューティ 2019年下半期 ベストコスメ」選定委員 ※順不同、敬称略
【美容ジャーナリスト】海野由利子、加藤智一、倉田真由美、近藤須賀子、斎藤薫、永富千晴、吉田昌佐美 、渡辺佳子 【美容エディター・ライター】安倍佐和子、AYAYA、猪狩幸子、入江信子、宇野ナミコ、大塚真里、小川由紀子、片岡えり、平輝乃、巽香、近内明子、中込久理、藤井優美、松村有希子、松本千登世、渡部玲 【美容家】石井美保、岡本静香、神崎恵、小林ひろ美、深澤亜紀、山本未奈子 【メイクアップアーティスト、ヘア&メイクアップアーティスト】KUBOKI、藤原美智子、MICHIRU、村松朋広、山本浩未 【百貨店化粧品バイヤー】入月雅子/三越伊勢丹 化粧品統括部MD、岡部麻衣/三越伊勢丹 化粧品MD統括部マーチャンダイザー、金川いずみ/阪急うめだ本店ビューティー営業統括部化粧品商品部アシスタントバイヤー、寺本知香/松屋 婦人一部MD課バイヤー、望月美穂/大丸松坂屋百貨店 営業本部 MD戦略推進室 化粧品 部長、吉田薫/東急百貨店 ファッション・雑貨統括部 第二ショップMD部化粧品担当 【メディア】梅田美佐子/宝島社「アンドロージー」編集長、加藤さやか/CCCメディアハウス「フィガロジャポン」シニアエディター、木津由美子/ハースト婦人画報社「ハーパーズ・バザー」編集長代理、桐野安子/光文社「美スト」編集長、高橋絵里子/講談社「ヴォーチェ」編集長、中西陽子/マガジンハウス「アンアン」キャップ、松井朝子/ハースト婦人画報社「エル・オンライン」ビューティデスク・「エル・ジャポン」編集長代理【その他】岡部美代治/ビューティサイエンティスト、SAKURA/モデル・ビューティジャーナリスト、曽田啓子/ビューティービジネスプロデューサー、貴子/松倉クリニック代官山・院長、中嶋マコト/モデル・ビューティジャーナリスト、野毛まゆり/美容愛好家
《選定方法》
2019年7~12月に発売された化粧品(リニューアル発売・新色追加を含む)を対象に、選定委員55人が「スキンケア部門」「ベースメイク部門」「ポイントメイク・目元部門」「ポイントメイク・リップ部門」「ポイントメイク・その他部門」「ヘアケア部門」「ボディーケア部門」「インナーケア部門」「美容機器・ツール部門」「フレグランス部門」「新知見部門」「オーガニック・ナチュラル部門」「プロダクトデザイン部門」「ドラッグストア&バラエティーショップ部門」「ADビジュアル部門」「イベント部門」「ストア部門」「ブランド部門」の計18部門で1~3位を選出。1位を3ポイント、2位を2ポイント、3位を1ポイントで集計し、合計ポイントで順位を決定した。なお、「イベント部門」「ストア部門」は5~9月末までの開催・オープンを対象とした。

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