「WWDジャパン」は2017年から、ファッション界の次世代を担う人に光を当てた特集「ネクストリーダー」を実施している。対象はファッションビジネスにかかわるあらゆる分野の若きリーダーたち。この特集を始めたのは、情熱と才能を持ち、強い信念で前へ進む若いリーダーたちを応援したいから。それぞれに専門分野があり、ネットワークと情報を持つ「WWDジャパン」の記者が日ごろの取材で出会い、応援したいと考えるネクストリーダーを推薦する。第1回目の「ネクストリーダー 2018」では14人を選定した。(この記事は2017年12月13日に掲載した「WWD JAPAN.com」からの抜粋です)
伊藤雄相フェイク トーキョー代表取締役&柳翔吾フェイクトーキョーチーフディレクター、MATT.マネージャー
WWD:伊藤さん、フェイク トーキョーを立ち上げたきっかけは?
伊藤雄相(以下、伊藤):大学在学中に入社したキャンディーと、ウィメンズのシスターの事業を譲り受ける形でスタートしました。当時国内には、自分がおもしろいと感じるセレクトショップがありませんでした。大衆的に売れるブランドではなく、アンダーグラウンドの面白いブランドだけを集めて発信していくことは、一般的に考えれば非現実的なことですが、それを継続していくことで、ファッションにも夢があると若い世代に思ってもらえる存在でありたいと思い、立ち上げを決めました。
WWD:では、柳さんがフェイク トーキョーに関わるようになったきっかけは?
柳:友人でもあった現フェイク トーキョー代表の伊藤に、セレクトショップのキャンディー(CANDY)のリニューアルオープンの手伝いをしないかと誘われて、キャンディーで働き始めたのがきっかけです。その後伊藤が発起人となり、キャンディーと同じくセレクトショップのシスターを統合したフェイク トーキョーを立ち上げることになりました。
WWD:フェイク トーキョーを立ち上げてからこれまでのターニングポイントは?
伊藤:新宿2丁目から、渋谷に移転した時です。これまで自分たちがやってきたことをより多くの人に知ってもらういい機会になりました。渋谷の宇田川町で4年ほど営業をして、今年2月に神宮前6丁目の今の場所に移ったことも同じくターニングポイントです。場所を移すにはそれなりのリスクがあり、僕たちにとっての挑戦と言えます。
柳:関わったことすべてがターニングポイントです。誰に教わるわけでもなく、自分たちで試行錯誤しながら今まで進んできました。立ち上げ、バイイング、PR、ウェブサイトの立ち上げ、ショールームの立ち上げ、MATT.の立ち上げ、移転など、その時々で考え方も変わり、システムを変えてみたり、さまざまな方にサポートしていただいたり、ご迷惑をおかけしてしまったり、数えきれないほどのターニングポイントがありました。
WWD:今後の目標、夢、野望などを聞かせてください。
伊藤:ファッションのエネルギーはやはり若い世代から生まれてくるもので、そこを後押ししていく存在が必要ですし、そういう存在になれたらと思っています。ビジネス的にはまだまだ不十分ですが、社会貢献できなければ存在価値はないと思うので、今やっていることが少しでも世の中のためになればと考えています。
柳:フェイク トーキョーは店舗でもあり、会社でもあります。店舗としては、東京のセレクトショップの代表としてのイメージを作っていけるように頑張りたいです。国内外を問わず、「東京に来たら行くべきお店」としてお客さまが自信を持って人に紹介できるようなお店にしていきたいです。そして会社としては、従来のショップ業態だけでなく、時代の変化の流れをいち早くキャッチし、一歩先のファッション的なアプローチを、ファッション業界だけにとどまらず、さまざまな分野にアプローチできるような集団として、フェイク トーキョーに関わる人(スタッフ、取り扱いブランド、お客さま)と共に時代を作っていけたらと思っています。