眼鏡専門店チェーンのメガネスーパーを中核企業とするビジョナリーホールディングスは、インターネットを活用した各種医療関連サービスを手掛けているエムスリーと資本業務提携の契約を締結した。第三者割当増資により、エムスリーの持株比率が33.09%となり筆頭株主となる。資金調達額は約42億円。
エムスリーは、日本の医師の9割に当たる28万人以上が登録する医療従事者専門サイト「m3.com」を運営しているほか、製薬会社向けマーケティング支援サービスや治験支援サービスなど国内外の医療分野に広範なネットワークを有している。ビジョナリーホールディングスはエムスリーとの提携で、アイケア事業を拡充・先鋭化するとともに、健康関連サービスの提供や紹介など新しいビジネスモデルの構築を目指すとしている。同社は100%子会社であるメガネスーパーのアイケアソリューション事業部門を新会社に移管した後、エムスリーが新会社の株式50%を保有し、新しい事業を推進する。
星﨑尚彦ビジョナリーホールディングス社長は、「安定株主の必要性を感じていた。エムスリーは、高いシナジー効果が期待できるパートナーだ。病院よりアクセスしやすい眼鏡店を作りたい。充実したヘルスケアサービスを適切なタイミングとコストで受けられる環境作りを目指す」と話した。
なお、ビジョナリーホールディングスの2019年5~10月期は、売上高が前年同期比9%増の143億円、営業利益が同75%減の1億2000万円で増収減益だった。減益理由については、新規出店と、次世代型店舗への移行や検査機器のリニューアルなどによる関連諸経費の増加のほか、子会社化したヴィジョナイズの株式取得に伴うのれんの一括償却などを挙げている。20年4月期(通期)の売上高は同10%増の293億円、営業利益は同34%減の6億円を予想している。