「WWDビューティ」2019年12月26日・20年1月2日合併号は恒例企画のベストコスメ特集。美容ジャーナリストや美容誌・女性誌の編集長、エディター、ライター、メイクアップアーティスト、百貨店化粧品バイヤーなどの協力を得て、19年下半期(7〜12月)に発売された製品を対象に全18部門で「WWDビューティ 2019年下半期 ベストコスメ」を選出した。
一般向けのポップアップショップやメディア向けの発表会を含めて、5月~9月末に開催されたイベントの中から印象的だったものを選出。その中でも東京都現代美術館で開催されたTHREE「10周年記念発表会」が首位を獲得。
1位 THREE 「10周年記念発表会」
中込久理/美容エディター
ブランド10周年を記念した東京都現代美術館での発表会は、緑に囲まれたガラス張りの美しい空間に晩餐会式にテーブルが設置され、名前付きの着席制。リエ オオモトグローバル・クリエイティブディレクターメイクアップ クリエイティブ ディレクターの話と、10周年の製品発表とともに、リニューアルオープンした旗艦店「THREE AOYAMA」の料理が振舞われた。スキンケア、メイクそのほかの新製品が一堂に展示され、特別に制作して配られた冊子も立派。10年の感謝とおもてなし感溢れる会でテンションが上がった。
野毛まゆり/美容愛好家
いつも目に、耳に、心に、美しく楽しく大きな印象を残してくれる「THREE」の発表会。新製品のラインアップはもちろんだが、一番の楽しみは石橋寧アクロ会長のスピーチにほかなりません。ご自身の化粧品愛と喜びが伝わって、こちらまでハッピーな気分に。
MICHIRU/メイクアップアーティスト
東京現代美術館の美しい光の中で見るビジュアルと新商品。旗艦店内「リバイブキッチン」の野菜とデザートのプレートをいただく。「THREE」10年のフィロソフィーが五感に響いたスペシャルな時間だった。
藤井優美/美容エディター
壮大さをたたえた空間で、“これまでの「THREE」”と“これからの「THREE」”が交差する、何とも不思議な感覚を覚えた会場。日常から切り離され、まさに「THREE」の世界観が投影されていたと思う。これからの「THREE」の10年にさらなる期待が否応なしに高まった。
深澤亜希/美容家
「THREE」は、デビュー後初の発表会を今でもよく覚えているほど印象的なブランド。この10年間、常に新しい美へのアプローチや提案を続けており、10周年の発表会では関わる人全員の「THREE」愛も伝わってくる素敵な発表会だった。会場の東京都現代美術館も、これほど「THREE」にぴったりな会場があるなんて!と感動したほど素敵だった。
渡部玲/美容エディター・ライター
まずは歴史を振り返り、その後名前が記された席に通されて、会場内では会長をはじめブランドを支える人たちの話を聞いた。来年公開の動画も見てブランドの未来を感じさせてくれた発表会だった。リニューアルした旗艦店内のレストラン「リバイブキッチン」の料理からもこれからの「THREE」を想像できた。
2位 ディオール「ミス ディオール
展覧会/ラブ&ローズ
(MISS DIOR LOVE N'ROSES)」
石井美保/美容家
オートクチュールのドレスをパリから何着も運び、「ディオール」の世界観をそのまま表参道に再現した大々的なイベント。ドレスを見ているだけで何時間でもいられるような圧巻の空間の中、ドレスの端切れをリボンにあしらった限定のフレグランスボトルの展示やかわいらしいスイーツやドリンクのカフェも完璧。行列が絶えない話題のイベントだった。
加藤智一/美容ジャーナリスト
「ディオール」の夢と愛に溢れた世界が表現されていて感動。貴重な「ディオール」のドレスから、フレグランス、そして、オリジナルスイーツやドリンクなど、五感全てにおいて「ディオール」を満喫できた。参加者に配られたトートバックが無料だったことにも驚き。
木津由美子/ハースト婦人画報社「ハーパーズ・バザー」編集長代理
メゾンと同時に誕生したフレグランスにふさわしい圧巻のエキシビション。1949年から現代に至る数々のミス ディオールドレス、名前の由来である妹カトリーヌにまつわるパネル、初期のボトル、パリ本店の再現、アーティストとのコラボレーション、カフェの併設など、歴史と現代性をうまく溶け込ませる技は常に秀逸。
曽田啓子/ビューティービジネスプロデューサー
圧巻だったのは、クチュリエのドレス群。「ディオール」の歴史が感じられ、デザインはもちろん、ディテールの細かさやパーツなどどれもこれも上品でエレガントでうっとり。「ミス ディオール」はムッシュ ディオールの最愛の妹、カトリーヌ・ディオールに由来する。歴代のボトルの展示があり、こちらも歴史が感じられた。「ミス ディオール」のフレグランス以外にも、限定メイクやスキンケア、スペシャルドリンクやスイーツなどをそろえるカフェも設置。仕掛けがいっぱいの体験型展覧会は見応えがあった。
松井朝子/ハースト婦人画報社「エル・オンライン」ビューティデスク兼「エル・ジャポン」編集長代理
ムッシュ・ディオールと「ミス ディオール」の世界観にじっくり浸れる小さなミュージアム。貴重なアーカイブが惜しみなく展示されていて、メゾンの歴史をじっくりとたどることができた。連日盛況で長蛇の列にもびっくり。期間中、表参道は可愛いピンクの「ミス ディオール」トートバッグで溢れていた。
3位 シャネル
「ザ インク ライブラリー
(THE INK LIBRARY)」
AYANA/ビューティライター
ブランドのイズムを物語として一流のセンスと共に語れるというのはやはり威厳のある「シャネル(CHANEL)」ならでは。展覧会で見せるオーセンティックさ、最新ガジェットで遊ぶ振り切り感、その両方が存在するイベントでした。
貴子/松倉クリニック代官山・院長
「ルージュ アリュール インク フュージョン」の発売記念イベントだったが、常設にしてもいいのではと思うほどの完成度だった。おみくじのようなプレゼント企画やAI(人口知能)カラー診断、その場で商品を購入できる点など、会場を楽しめてきちんと余韻を持って帰れるところがよかった。
松村有希子/美容エディター
ガブリエル・シャネル(Gabrielle Chanel)が読書家であったことからインスピレーションを得て、図書館をモチーフにしたという今回のイベント会場。「シャネル」の精神が根付いた普遍的なセオリーと、時代にマッチした斬新なコンテンツとが美しく融合した世界観づくりは「シャネル」ならでは。本来、化粧品はモノ的体験価値が優位だが、「シャネル」のイベントではコト的な体験で新製品の魅力を届け、楽しませてくれる点が本当に素晴らしい。
54人の「WWDビューティ 2019年下半期 ベストコスメ」選定委員 ※順不同、敬称略
【美容ジャーナリスト】海野由利子、加藤智一、倉田真由美、近藤須賀子、斎藤薫、永富千晴、吉田昌佐美 、渡辺佳子 【美容エディター・ライター】安倍佐和子、AYAYA、猪狩幸子、入江信子、宇野ナミコ、大塚真里、小川由紀子、片岡えり、平輝乃、巽香、近内明子、中込久理、藤井優美、松村有希子、松本千登世、渡部玲 【美容家】石井美保、岡本静香、神崎恵、小林ひろ美、深澤亜紀、山本未奈子 【メイクアップアーティスト、ヘア&メイクアップアーティスト】KUBOKI、藤原美智子、MICHIRU、村松朋広、山本浩未 【百貨店化粧品バイヤー】入月雅子/三越伊勢丹 化粧品統括部MD、岡部麻衣/三越伊勢丹 化粧品MD統括部マーチャンダイザー、金川いずみ/阪急うめだ本店ビューティー営業統括部化粧品商品部アシスタントバイヤー、寺本知香/松屋 婦人一部MD課バイヤー、望月美穂/大丸松坂屋百貨店 営業本部 MD戦略推進室 化粧品 部長、吉田薫/東急百貨店 ファッション・雑貨統括部 第二ショップMD部化粧品担当 【メディア】梅田美佐子/宝島社「アンドロージー」編集長、加藤さやか/CCCメディアハウス「フィガロジャポン」シニアエディター、木津由美子/ハースト婦人画報社「ハーパーズ・バザー」編集長代理、桐野安子/光文社「美スト」編集長、高橋絵里子/講談社「ヴォーチェ」編集長、中西陽子/マガジンハウス「アンアン」キャップ、松井朝子/ハースト婦人画報社「エル・オンライン」ビューティデスク・「エル・ジャポン」編集長代理【その他】岡部美代治/ビューティサイエンティスト、SAKURA/モデル・ビューティジャーナリスト、曽田啓子/ビューティービジネスプロデューサー、貴子/松倉クリニック代官山・院長、中嶋マコト/モデル・ビューティジャーナリスト、野毛まゆり/美容愛好家
《選定方法》
2019年7~12月に発売された化粧品(リニューアル発売・新色追加を含む)を対象に、選定委員55人が「スキンケア部門」「ベースメイク部門」「ポイントメイク・目元部門」「ポイントメイク・リップ部門」「ポイントメイク・その他部門」「ヘアケア部門」「ボディーケア部門」「インナーケア部門」「美容機器・ツール部門」「フレグランス部門」「新知見部門」「オーガニック・ナチュラル部門」「プロダクトデザイン部門」「ドラッグストア&バラエティーショップ部門」「ADビジュアル部門」「イベント部門」「ストア部門」「ブランド部門」の計18部門で1~3位を選出。1位を3ポイント、2位を2ポイント、3位を1ポイントで集計し、合計ポイントで順位を決定した。なお、「イベント部門」「ストア部門」は5~9月末までの開催・オープンを対象とした。