瀧定大阪グループの繊維商社スタイレムは、イベント「YATTEMI展(やったことないことやってみてん)」を東京・品川の寺田倉庫B&Cホールで12月17日間から3日間開催した。メンズ、ウィメンズ、雑貨など製品事業を担う12の部署の合同イベントで、同社初の試みだ。同社の製品事業部は従来、合わせて年間46回の部署ごとの展示会を行っているが、同イベントの目的は商談ではなく、取引先とのコミュニケーションを深めるためのエンターテインメント性が強い。橋本匡史・同事業本部ガーメント事業部事業部長は、「さまざまなターゲットに向けた製品を手掛ける複数の部署が一堂に集まることで、あらためてスタイレムの総合力と企画力を取引先にアピールするお祭りのようなイベントを目指した。閉塞感がある今のファッション業界の活性化にもつながればいい」と話した。
会場のメイン企画は、スタイレムの49人のデザイナーたちが、イベント名の通り、やってみたことがない方法やコンセプトで自分のクリエイションを表現した作品の発表。あるデザイナーはモノクロームの世界をアート作品のように作り込んだり、また“用尺サステナブル”をテーマに端切れを残さず環境に配慮した作品もあった。
同イベント開催のため、若手社員を中心とした実行委員会が編成され、企画や会場運営はもちろん、特設サイトや動画も制作した。
実行委員長を務めたスタイレム事業本部ガーメント事業部第1部2課の浦野晋平さんは「普段とは違う空間で取引先とコミュニケーションを深めることができた。また社内の部署間の交流にもつながり、今後の業務に大きなプラスになると思う」と話した。
会期中は1000人以上が来場。来年以降の開催については、今回を検証した後に検討するという。