ファッション

“途上国から世界に通用するモノ作り”を実践する先駆者「マザーハウス」 パリ進出と“夢の工場計画”【ネクストリーダー2020】

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 「WWDジャパン」は、ファッション界の次世代を担う人に光を当てた企画「ネクストリーダー」を実施している。今回で3回目を迎えた同企画の対象者は、ファッションビジネスに関わるあらゆる分野の若きリーダーたち。情熱と才能を持ち、強い信念で前へ進むネクストリーダー10組を紹介する。

 “途上国から世界に通用するブランドをつくる”を理念にするマザーハウス(MOTHERHOUSE)は、今年で設立14年を迎える。山口絵理子が24歳のときにバングラデシュで作ったジュート(黄麻)のバッグからブランドをスタートさせ、現在はバングラデシュ(バッグ)やネパール(ストール)、インドネシア(線細工ジュエリー)、スリランカ(色石ジュエリー)、インド(衣類)、ミャンマー(ルビー)の6カ国に自社工場を持ち、600人以上の従業員を雇用して、4カ国に37店舗を構える規模に成長した。2019年秋冬には自身の名前の頭文字を入れたファッションブランド「イードット(E.)」を始めた。

WWD:今、マザーハウスはどんな局面を迎えている?

山口絵理子(以下、山口):13年前から“ビジネスと社会性を両立できるファッション”を目指してきたが、2019年は“かわいい”ということが社会を変えて力になるという、ファッションの力の強さを感じた。さまざまな国を回る中で、インドのある地域の職人にしか織れない布や、スリランカの珍しいキャッツアイなどを見つけたが、希少性の高い素材や技術は、月1万2000個のバッグを生産する「マザーハウス」ではなかなか取り入れることができなかった。マーケットイン(ユーザーの立場を考慮してビジネスを考えること)の発想を一旦捨てて、私がいいなと思うものを作ってみようと、「イードット」を立ち上げた。

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