「WWDジャパン」は、ファッション界の次世代を担う人に光を当てた企画「ネクストリーダー」を実施している。今回で3回目を迎えた同企画の対象者は、ファッションビジネスに関わるあらゆる分野の若きリーダーたち。情熱と才能を持ち、強い信念で前へ進むネクストリーダー10組を紹介する。
廃棄ゼロのパターンメーキングの開発、本の監修、バイオアーティストや建築家とのトークセッションの企画・運営、金沢21世紀美術館でのSF作家とのコラボアート作品の展示、繊維系の地方創生プロジェクトへの参加――川崎和也の取り組みは多岐にわたり、さまざまな業界から引っ張りだこだ。現在、慶應義塾大学大学院に在籍しながら、人工知能(AI)を活用してファッション産業のリ・デザイン(高度な次元で完成されたデザインをさらに最適化すること)を目的にシンフラックスを立ち上げた。シンフラックスは現在、廃棄ゼロのパターンメーキングに取り組んでおり、繊維商社の豊島や東京のデザイナーズブランド「ハトラ」とのコラボレーションも行う。1月にスイス・バーゼルの美術館HeKで開催される展覧会「メイキング ファッション センス(MAKING FASHION SENSE)」にも出展が決まっている。川崎和也とは何者か。
WWD:そもそもスぺキュラティブデザインって何?
川崎和也(以下、川崎):問題提起を目的とするデザインのこと。デザインは一般的に問題解決するものとして捉えられるけれど、例えば環境問題のように解決するのが難しい問題に対して、より多くの人に問題を認識してもらったり、その問題を解決する動き自体を広めたりするために問いを投げかけるためのデザイン。だから、アートに近いといわれることもある。デザインに求められる使いやすさや美しさとは別に、刺激を与えたり議論を活発にしたりすることを目的にしている。
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