アダストリア傘下のエレメントルールは、スタイリストの小山田早織氏をクリエイティブ・ディレクターに迎え、新ウィメンズブランド「エジック(EZICK)」を2020年秋冬に立ち上げる。ターゲットは20~30代。白と黒を基調に、ミニマルなデザインの使いやすいアイテムを多くそろえ、スタイリストの小山田氏らしい「着回し」がキーワードだ。初シーズンはカッチリしたジャケットがMDの軸だが、小物使いや身体に沿うようなシルエットで女性らしく見せ、オンとオフの垣根を超えたスタイルを提案する。
小山田氏が提案するジャケットスタイルは、ベルトによるウエストマーク、スカーフ使いに加え、ボトムスに美しいプリーツスカート(8990円)を合わせるなど、女性らしさを足し算で演出する。商品一つ一つも、イージーケア素材や、着脱を楽にするスカートのウエストゴムなど、日常使いを考えた工夫を散りばめた。小山田氏が「エジック」において大切にするのは、「街に出た時の高揚感」だという。「若い女性はファッションに掛ける金額も減っている。いい服を着た際に体験できる気分が上がる感覚を、気軽な投資で感じてもらいたい」。そのような考えのもと、ブラウスやカットソーの価格は5000~1万円台に収め、主力のワンピースやジャケットも1万5000円前後と、値ごろ感にこだわった。
同社の主力ファッションビルブランド「バンヤードストーム(BARNYARDSTORM)」は、親会社アダストリアの生産背景を生かした値ごろな価格と旬なデザインで、30代以上の働く女性を中心に支持を受けている。同ブランドの業績は近年右肩上がりだという。「エジック」事業のトップを兼ねる中島健太バンヤードストーム営業部長は、立ち上げの経緯について、「当社として20代のファンを獲得するために、『バンヤードストーム』のテイストを広げてしまうと、ブランドの軸がブレてしまうと考えた」と話す。「ただ、百貨店ブランド品質を値ごろな価格で提供するという、これまで大切にしてきたお客さま本位の考えは『エジック』でも大切にしていく」。
出店は数年以内に、「バンヤードストーム」と同等の40店舗前後を計画する。