アディダス(ADIDAS)は、100%リサイクル可能なランニングシューズ“フューチャークラフト.ループ(FUTURECRAFT.LOOP)”の“第2世代”を東京・渋谷のアディダス シブヤ スタジオで公開し、シンガー・ソングライターのSIRUP(シラップ)とアディダス ランニングアドバイザーの湯田友美が来場した。
今年4月に発表し、世界各国の200人に配布した“第1世代”を回収し、“第2世代”の素材としてリサイクルに成功。素材の10%は“第1世代”を循環させたものだ。最大の特徴はブルーのアッパーで、原料自体に着色する技術“ソリューションダイ”を用いて水やエネルギーの消費を抑えている。また、色付きのTPU(100%再利用可能な熱可塑性ポリウレタン)を使用することで、リサイクル工程に今後どのような影響を与えるのか検証することができるという。“第2世代”に実際に触れてみると、“第1世代”よりもアッパーが少し柔らかくなった印象だ。 2021年春夏に予定している一般販売に向けて、リサイクルの研究やインフラの改善を続けていく。
“第1世代”で20km以上の長距離ランニングをした湯田は「さまざまなコンディションで走ってみたが、何の違和感もなく快適に走れた。現役ランナーだったころはシューズを当たり前のように何百足も捨ててきたけど、自分のシューズが生まれ変わるという感覚がうれしい。たくさんの人に実感してほしい」と述べた。
SIRUPは、“第1世代”の発表イベントへの参加を機にサステナビリティへの意識が変わったという。「アディダスのイベントで感銘を受けたと同時に、日本の環境に対する意識が遅れていると感じた。自分は大々的にそういったメッセージを発信するというよりも、公式グッズやライブ中のドリンクでプラスチックを減らすなど、小さいことから始めている」。
アディダス ジャパンのアンジェラ・オルティス(Angela Ortiz)CSRシニアマネジャーは、「ここまでくるのに7年かかった。しかし、まだこれからだ。われわれは“フューチャークラフト.ループ”の開発を通じて業界全体にサステナビリティを呼びかけ、川上から川下まで、共に循環を生み出していけるパートナーを探していきたい」と話した。