1992年生まれのファッションフリーク女子が、先週のファッション週刊紙「WWDジャパン」で気になったニュースを要約してお届け。渋谷のファッションベンチャー企業に勤める等身大OL、Azuのリアルな目線を生かした「このニュースからはコレが見える」という切り口で、さまざまな記事につぶやきを添えます。
今日のニュース:P21「『いいね』の非表示でKPIも変わりそう!?」
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読み解きポイント:「生きやすくなったインスタ、インスタ化するツイッター」
ニュースのポイント
「WWD JAPAN.com」とリデルが今年3月から共同で運営しているインスタグラムアカウントを通して、インスタグラム全盛期を攻略する知見を学んでいく連載。現在はフォロワー3000人以上を抱えクールな世界観を築きあげるKEIさんがアカウントをテイクオーバー中。「いいね数」が非表示になった影響でユーザーの「いいね」に対するアクションが停滞気味になり、「いいね数」をKPIに設定しづらくなった今、保存数やシェア数が増加傾向にある。「いいね数」が多い投稿に対する挨拶としての「いいね」がなくなり、発信者は本当に自分の好きなものを投稿しようというムードにつながっているという。
Azuはこう読む!
ブランドやショップでインスタグラムを運用している皆さん、「いいね数」非表示の影響ってどれくらいあったでしょうか?私は業務としてインスタグラムの運用代行を行っているのでさまざまな業種のアカウントを見ていますが、影響は……そこまでなかったように思います。月間総合「いいね数」は若干落ちたけど、KPIに設定しているのが他の数字なので特に問題ありませんでした。
いわゆるインフルエンサーとして活動する友人やキャスティングを担当する人からは「いいね数がわかりやすい指標だったから、色々面倒だな……」的な声が聞こえてきましたが、実際に困っているのって見せかけの数字だけでなんとかやってたアカウントなのかなと思います。フォロワーもいいねも、コメントだって買える時代ですからね……目に見えるものだけが真実とは限らない……。
そもそも「いいね数」を気にしてSNSを使ったことが一切ないので、個人的には全く影響ありませんでしたが、「いいね数」に縛られて自分らしい投稿ができなかった人にとっては良い流れだったのでしょう(PCから見たらいいね数見えちゃうんですけどね……。)
一方で「なんだかにおうぞ……」と感じたのは、ツイッターです。ファッションブランドや企業は親和性を感じないからかあまりツイッターを活用していないので、今回はあくまで個人の運用の話にはなりますが、最近のツイッターってなんだか「いいね数」が表示されていた頃の「映え命」なインスタっぽくないですか?
「いいね」を狙ったインスタ映えがラグジュアリーな日常や美男美女の戯れ、自然光たっぷりのジューシーな写真だとしたら、同じくツイッター映えは、誰でも理解できる(チープな)共感、特定の人物や事象を攻撃する(チープな)批判、それっぽい感じに当たり前のことしか言ってない(これまたチープな)説教など。ツイッターは今のインスタより拡散力があり、言語で発信範囲が絞られ、数字が可視化されるので、小さなコミュニティで承認欲求を満たすにはもってこいなんです。
実際にインスタの「いいね数」非表示とツイッターに「いいねおばけ」が増えたことの因果関係があるかどうかはわかりません。しかし、なんとなーく「いいね数」に必死になっている人を見るとインスタで「いいね」を稼ぎたいがために危険な撮影をして命を落とした事件と寓話「オオカミ少年」を思い出してしまうのでした。
今、全てのSNSから「いいね」が消えたら、誰の言うことを信じますか?
Azu Satoh : 1992年生まれ。早稲田大学在学中に渡仏し、たまたま見たパリコレに衝撃を受けファッション業界を志す。セレクトショップで販売職を経験した後、2015年からファッションベンチャー企業スタイラーに参画。現在はデジタルマーケティング担当としてSNS運用などを行う。越境レディのためのSNSメディア「ROBE」(@robetokyo)を主催。趣味は、東京の可愛い若手ブランドを勝手に広めること。ご意見等はSNSまでお願いします。Twitter : @azunne