伊コンデナスト(CONDENAST)はイタリア・ミラノの本社1階に初となる店舗「FRAME(フレーム)」を仮オープンした。ルイージ・カドルナ広場に隣接する同店の総面積は約250平方メートルで、店内にはカフェ、ショップ、イベントスペースを構える。正式なオープンは2月で、“体験型ストア”と位置づける。
カフェの運営はミラノの有名ペストリー「サンカルロ(San Carlo)」が行い、月曜から土曜の午前7時から午後10時まで営業する。ショップではコンデナストが扱う媒体や他ブランドの限定アイテムが買えるほか、これまでのアーカイブも提供する。
店舗設計を手掛けたのはミラノを拠点とする建築スタジオのロカテッリ パートナーズ(Locatelli Partners)で、しっくいの天井と暗色のフローリングに鉄と大理石のディテイルが用いられている。「このプロジェクトでイタリアとミラノを象徴する企業であるコンデナストのアーカイブを通して、外の世界と出版の世界との間につながりを作りたかった」とマッシミリアーノ・ロカテッリ(Massimiliano Locatelli)同社創設者は語った。
エットーレ・モチェッティ(Ettore Mocchetti)氏の後任で、「アーキテクチュラル・ダイジェスト(Architectural Digest、以下AD)」と「コンデナスト・トラベラー(Condé Nast Traveller)」両方の編集長就任を1月に控えるルカ・ディーニ(Luca Dini)伊コンデナスト・エディトリアル・ディレクターによれば、「フレーム」には同社の各媒体と読者の交流を活性化する役割があるという。
同氏は「バニティ・フェア(Vanity Fair)」主催の俳優のトークイベントや作家の朗読会、音楽パフォーマンス、「AD」の「ミラノデザインウィーク(MILANO DESIGN WEEK)」中のイベント開催、「ラ・クッチーナ・イタリアーナ(La Cucina Italiana)」によるシェフとの試食会をその例として挙げた。
フランチェスカ・アイロルディ(Francesca Airoldi)伊コンデナスト・チーフ・マーケティング・オフィサーは「フレームは顧客中心の空間であり、顧客に届ける体験の主役となるのはコンテンツだ。他企業と協力して体験を創り出し、雑誌、ソーシャルメディア、Webサイトなどわれわれが持つプラットフォームによってコンテンツの幅を広げていく」とコメントした。
大根田杏(Anzu Oneda):1992年東京生まれ。横浜国立大学在学中にスウェーデンへ1年交換留学、その後「WWD ジャパン」でインターンを経験し、ファッション系PR会社に入社。編集&PRコミュニケーションとして日本企業の海外PR戦略立案や編集・制作、海外ブランドの日本進出サポート、メディア事業の立ち上げ・取材・執筆などを担当。現在はフリーランスでファッション・ビューティ・ライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を行う。