2009年から「WWDジャパン」のバックステージ・フォトグラファーとして海外コレクションを撮影する景山郁が、現場で見た最新トレンドや業界ルール、珍事件などを紹介します。世界でも限られた媒体やフォトグラファーのみが入場を許されるファッションショーの舞台裏での出来事をお届け!
今回のテーマ:モデルしか入れない秘密のスペース「モデルラウンジ」とは?
「ディオール(DIOR)」と「ロエベ(LOEWE)」のバックステージで「モデルラウンジ」というスペースを発見!以前「ジバンシィ(GIVENCHY)」のバックステージで「サイコロジールーム(心理相談所)」を見かけましたが、今回見つけた「モデルラウンジ」は長年バックステージの撮影をしている私にとっても今年初めて見た新しいスペースです。
「モデルラウンジ」はヘアメイクを終えたモデルがフィッティング(着替え)するまでの間、スタッフやフォトグラファーから離れてリラックスできるような小さなスペースのようです。なので、モデル以外は入れません。「ディオール」「ジバンシィ」ともにショーのコールタイム※が早朝で、かつ長時間拘束の仕事だったので、今回ラウンジが設置されたのかもしれません。
※コールタイム…モデルやスタッフの入り時間
また、バックステージに雑誌やウェブのエディターやフォトグラファーが入ると、モデルたちは(任意ではありますが)ビューティショットのためのポーズをしたり、ビデオインタビューに答えたりしなければならなく、ショーが始まるまで忙しくなるモデルも多いです。少しでもショー前はリラックスしたいと思うモデルには、この「モデルラウンジ」はいいのかもしれませんね。仮眠も取れそうなスペースだったので、ファッション・ウイーク中の連日の仕事で寝不足なモデルにとってはうれしいことでしょう。こういったスペースの開設も、ショー進行スタッフのモデルへの気遣いですね!
景山郁:フリーランス・フォトグラファー。2003年からフォトグラファーとしてのキャリアをスタート。07年に渡米、09年より拠点をパリに移す。10年から「WWDジャパン」でパリ、ミラノなどの海外コレクションのバックステージと展示会などの撮影を担当。コレクション以外にもポートレート、旅やカルチャーなどエディトリアル、広告を手掛ける。プライベートでは動物と環境に配慮した生活をモットーにしている