小売業界向けの調査およびコンサルティング会社のカスタマー グロース パートナーズ(CUSTOMER GROWTH PARTNERS、以下CGP)によると、今年の米「スーパーサタデー」(12月21日)の総売上高は344億ドル(約3兆7496億円)で、1日の売上高がアメリカ史上最高を記録し、昨年の319億ドル(約3兆4771億円)を10%ほど上回る結果となった。
「スーパーサタデー」はクリスマス直前の土曜日を指すが、今年の「スーパーサタデー」は予想通り「ブラックフライデー」の総売上高312億ドル(約3兆4008億円)を超える形となった。
CGPのクレイグ・ジョンソン(Craig Johnson)社長は「秋の気温が比較的高く、10~11月初旬のアウターの売り上げが伸び悩んでいたが、その後『スーパーサタデー』をピークに急速に売り上げが伸び、その勢いは日曜日も衰えることがなかった」とコメントしている。
また、ジョンソン社長によるとリテール分野はウォルマート(WALMART)、アマゾン(AMAZON)、コストコ(COSTCO)、ターゲット(TARGET)の影響が大きいが、購買の速度に関してはブランド品を低価格で販売するオフプライス・チェーンが最強だという。売り上げ不振が長く続いた小売業者の業績は好調だったが、オフプライス・ストアの勢いはとても強いという。
ベライゾン(VERIZON)の2019年ホリデー・リテール・インデックスを見ても、ECサイトの利用者は11月1~27日の期間と比べて金曜日は15%増、「スーパーサタデー」の土曜日は21%増、日曜日は14%増となっており、この週末の購買活動の活発化がうかがえる。
ベライゾンのリテール・ホスピタリティー・流通リーダーのミシェル・デュプレ(Michele Dupre)は、「消費者は『スーパーサタデー』のセールと、商品がすぐに届くというメリットの両方に魅力を感じている。クリスマスイブまでに商品が確実に届けられる点が、ギリギリで買い物する消費者を引き付けている」と語っている。
CGPのジョンソン社長によると、売上高の増加は安定した仕事や賃金の上昇に伴う良好な家計状況が関係しているという。また、大々的な販促キャンペーンや買い物に出かけやすい天候、そしてユダヤ教の「ハヌカ」の行事が今年は22日の日曜日の夜から始まるという点も「スーパーサタデー」の売上高が増加する要因となった。
ホリデー商戦は好調だったが、この勢いが2020年以降の経済成長の維持につながっていくかどうかにも注目したい。