※この記事は2019年8月13日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
渋野フィーバーに見るビームスの強さ
「AIG全英女子オープン」で優勝した女子プロゴルファー、渋野日向子選手のフィーバーがすごかったですね。8月5日は、深夜3時につけっぱなしのテレビから聞こえてきた歓声で目を覚ましました。見ると画面には、渋野選手のあのはじけるような笑顔が映っていました。その後、繰り返し放送された例の強気のパットと独特のかわいいガッツポーズを見て、多くの人が気になったのが「ビームス ゴルフ(BEAMS GOLF)」のポロシャツだったと思います。
カラフルなデザインとコンパクトなシルエットがフレッシュな渋野選手に似合っていましたが、ギョーカイ人として最初の感想は正直“え?全英優勝選手の契約が大手スポーツメーカーではなく、『ビームス ゴルフ』なの?”ではないでしょうか。今後についてはわかりかねますが、スター誕生に立ち会ったビームスの嗅覚とグリップ力はすごい。ビームスは今やセレクトショップであると同時に企画屋集団でもあり、店舗以外に大小さまざまな仕掛けを打ち出し続けておりますが、こうやって大きな話題をつかむのも常に関心と人脈のアンテナを張り巡らしているからでしょう。
9日金曜日に原宿のビームス本社に取材で訪れたところ、エレベーターホールの壁に渋野選手の笑顔の写真がずらりと貼られていてテンションがあがりました。ビームス内で大きな話題が立ち上がった時、設楽洋社長が自らSNSでバンバン発信することが象徴するように、ビームスのメンバーは個も社も発信力に長けています。エレベーターホールの写真も発信のひとつであり、得意のミーハー&お祭り心を目立つ場所で、タイミングよく、はっきりと情報共有することで、社内外の機運もグンとあがります。ミーハーはファッションビジネスの原点でコアですよね。
ゴルフをする者から言わせてもらうと、特にウィメンズのゴルフウエアの選択肢は狭いです。“女子ゴルフ”は、なぜかキラキラとかカワイイといった形容詞が似合うキャラ立ったデザインが主流で、普段キラキラしていない者からするとコスプレみたいで食指が伸びません。ボーイッシュな「ビームス ゴルフ」のポロシャツを通じて“これならば、”とゴルフに関心を持った女性もいるのではないでしょうか?ただし、同じデザインのポロシャツは再販の予約が開始5分で完売だそうでしばらく手に入れることは難しそうです。
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