美容ジャーナリストや美容誌・女性誌の編集長、エディター、ライター、メイクアップアーティスト、百貨店バイヤーなど総勢54人の協力を得て行った、恒例企画の「WWDビューティ」の「ベストコスメ」。「WWD ビューティ」では「WWD」の公式インスタグラム・ツイッターでフォロワーの方にベストコスメについて意識調査を実施した。
「美容メディアの『ベストコスメ』を参考にして商品を購入したことはありますか?」という質問にインスタグラムとツイッターで約6割のユーザーが「ある」と回答し、「ベストコスメ」が今だも影響力を持っていることが分かった。参考にする人の意見として「美容の専門家が選ぶ製品だから信用できる」「大勢の人が評価する製品だから買って失敗するリスクが少ない」など「ベストコスメ」に対する信頼の声が目立った。
またインスタグラムで行った、「『ベストコスメ』マークを店頭で見て購入したことがありますか?」という問いでは、「ある」と答えたユーザーは4割となった。店頭で購入に至らない理由として、「他人のベストが自分にとって最良とは限らない」「敏感肌のため自分に合うか分からない」「『ベストコスメ』というだけでは購入する理由にならない」という意見が挙がった。事前の下調べとして各誌・メディアの「ベストコスメ」を利用しているユーザーが多いのではないだろうか。
次に「どの『ベストコスメ』を参考にしたことがありますか?」という問いには、美容3誌を上回ってユーザーが参考にしたのが、アイスタイルが運営するコスメ・美容の総合サイト「アットコスメ(@COSME)」だった。美容業界関係者が選出する他メディアとは異なり、一般ユーザーも多く利用する同サイトの口コミをもとにした「アットコスメ」の「ベストコスメ」は、消費者のよりリアルな声が製品に対する親和性や信頼につながっているのではないだろうか。
続いて「『ベストコスメ』を参考にしてがっかりした経験はありますか?」という問いには、63%のユーザーが「ある」と回答。多数の美容のプロの評価をもとに「ベストコスメ」に選出された商品でも、実際に使用してみて“がっかり”したことがあるという回答が半数以上だった。また「リピート買いしたいと思いますか?」という問いには「いいえ」と答えたユーザーは約7割に上った。
スキンケアやメイクアップ製品などは実際に肌に使ってみないと効果や使用感は分からないものだが、一方で「ベストコスメ」を参考にする層も一定数いることが今回のアンケート結果からあらためて明らかになった。コスメはブランドによって代表的なアイテムも違い、選択肢も多数あることから美容のプロが選出する「ベストコスメ」は購入する際の指標になっているようだ。
一方でSNSでは製品の紹介や使用感を発信する“美容アカウント”と呼ばれる、個人アカウントが多く存在する。それらのアカウントのフォロワーは情報や口コミを参考にする程度で、それぞれが自身に合ったコスメを試した上で、判断して購入しているのではないだろうか。「ベストコスメ」に限らず、大多数の意見が自分に当てはまらないことはままあること。特にコスメともなれば、たとえ1位に選ばれた製品でも、肌質によって合わないものもあれば、メーカーがうたう発色や質感がしっくりこず、今回のアンケートのように「がっかり」することもあるだろう。肌質も価値観も人それぞであり、商品の評価も異なるはず。今後大事になってくるのは、「何が人気なのか」ではなく、「何が自分に合っているか」を知るすべなのではないだろうか。
なお、美容ジャーナリストや美容誌編集長などが選出した19年下半期(7~12月)発売製品の全18部門ベストコスメは、「WWDビューティ」2019年12月26&20年1月2日合併号をチェック!。