チョコレートの激戦区・銀座で、12日にオープンしたイタリアのチョコレート専門店「ヴェンキ(VENCHI)」の1号店がにぎわいを見せている。オープン初日は約650人、週末の15日までには約2600人が来店した。最大の特徴は、イタリアン・ライフスタイルを体現したという、細部まで凝った内装。まるでイタリアにいるような世界観の中、本場のチョコレートやジェラートをほおばれる。そんな他にはない体験価値を与えてくれる店作りが人気を呼んでいるようだ。
1878年にイタリア・トリノで生まれた「ヴェンキ」は、創業141年の歴史を持つ老舗のチョコレートブランド。現在では世界各国に100を超える直営店を持つ、イタリアを代表するチョコレートブランドだ。小﨑正貴ヴェンキ・ジャパン社長は、「『ヴェンキ』は、本当の“イタリアン・ライフスタイル”を届けるということに重きをおいている。イタリアへ旅行に行ったような気分を味わってもらえるよう、パッケージデザインや内装に至るまで本国と同じものを採用している」と語る。
その言葉通り、店内外の壁面には本国が手掛けたパターンが施されている。これは、18世紀イタリアの絵画技法で描いた自然物や、自社広告などのコラージュなどを重ねた一つのアート作品。遠目から見ると花・葉・鳥のモチーフなのだが、近づくと小さなスプーンで描かれていることが分かり、さらに小さなスプーンの中を覗き込むとビンテージのコサージュが見える……という見るものを楽しませる仕掛けとなっている。
店の奥に進めば、壁面を覆いつくすかのように、カラフルなパッケージのチョコレートが陳列している。銀座店では、90種類以上のチョコレートを取りそろえ、内43種類は量り売り形式で購入が可能。キャビアのように細かいチョコをまぶしたひと口サイズの“キュボット チョキャビア”(1グラム約17円)や、ローストしたピエモンテ特産ヘーゼルナッツとカカオを組み合わせた伝統的な“ジャンドゥイオット”(同)、3層から成る四角い“クレミノ”(同)などを1粒から気軽に楽しむことができる。天然の素材を中心に作られたチョコレートはコーヒーはもちろん、アルコール類にもマッチ。伝統的なレシピと斬新なフレーバーの食べ比べも楽しそうだ。
なお、エントランス近くにはジェラートラボもあり、ダークチョコレートの「クオール ディ カカオ」、「ピスタチオ」等のイタリアらしい16種類のフレーバーを楽しむことができる。合成香料、フルーツアロマ、着色料、添加物の使用を抑え、鮮度にこだわったジェラートは、コーンやカップにトッピングが可能。ラズベリー、チョキャビア、ヌガティーヌの中から好きなものをたっぷり添えることができる。
また、その他にも40種類以上もの詰め合わせボックス、ココアパウダー、スプレッド等を多数ラインアップ。丹念に選ばれた天然のものを中心に作られたチョコレートは、ギフトにも最適だ。
2020年春には直営店および、首都圏百貨店や商業施設内にショップインショップを出店。2021年以降は年に4、5店舗のペースで大都市圏への出店を計画する。日本のチョコレート市場に新たな風を起こしそうだ。
■ヴェンキ 銀座店
住所:東京都中央区銀座4-3-2
営業時間:9:00~21:00