イタリアの老舗レザーブランド「ヴァレクストラ(VALEXTRA)」は2020年春夏、ロンドンを拠点にする照明デザイナーのマイケル・アナスタシアデス(Michael Anastassiades)とコラボレーションし、 “フルート(FLUTE)”コレクションを発表した。
バッグとブランド初となるジュエリー、照明で構成される同コレクションは、真ちゅうのチューブ(管)を用いたミニマルでタイムレスなデザインが特徴的。ラインアップは、1960年代にデビューしたレザーバッグ“セリエ エス(SerieS)”に形状記憶のハンドルと真ちゅうのチューブをあしらったハンドバッグやユニセックスで使用できる大きいサイズのトラベルバッグなど。ジュエリーは18金のネックレス、イヤリング、リング2型、バングル2型をそろえる。価格帯はバッグが42万9000円〜、ジュエリーは33万円〜。
「ヴァレクストラ」とアナスタシアデスに共通する“永遠に愛される”デザイン
アナスタシアデスはインテリア業界でラブコールが絶えない人気照明デザイナーで、イタリアの照明ブランド「フロス(FLOS)」やデンマークの音響機器「バング & オルフセン(BANG & OLUFUSEN)」とのコラボレーションも話題になった。「ヴァレクストラ」との取り組みは今回が初めてだったが「ずっと私の哲学と共通するものを感じていた」とアナスタシアデスは話す。「『ヴァレクスト』は建築やデザインとの深い歴史があり、従来のファッションブランドとは一線を画する存在感がある。私はいつも“永遠に愛されるもの”を作ろうとデザインを続けてきた。それはタイムレスな美しさを持ち、機能性を備えていること。照明とファッションアイテムのデザインアプローチは異なるが、哲学は一緒だ」と説明する。
ヴァレクストラのサラ・フェレロ(Sara Ferrero)CEOは、アナスタシアデスとのコラボレーションを「まさに『ヴァレクストラ』の美学を物語るコレクションになった。建築とバッグの関係性を美しく表現し、シンプルに見えるが、細部に気を使い計算し尽くされている」と評価する。
“これ以上にない出来栄え”の古典主義の風格を持つジュエリー
「ヴァレクストラ」初のジュエリーは、ニューヨークのメトロポリタン美術館にも所蔵されている紀元前1100〜1600年の古代キプロスのオブジェ“ゴールド スパイラル(Golden Spiral)”が着想源になっている。「古典主義のイメージだ。リングやバングルはスライドさせて2つに分かれ、付け方を変えられたりと見た目の美しさだけでない遊び心も加えた。これまで友人のためにジュエリーをデザインしてきたが、販売するのは初めてだった」とアナスタシアデス。
フェレロCEOは「ジュエリーは女性にとって重要なアイテムであり、ラグジュアリーブランドとして、“『ヴァレクストラ』がジュエリーを提案するならば”ということを考えてきた。マイケルのデザインは繊細な18金を扱いながらも品があり、これ以上にない出来栄えになったと思う。すでに多方面から高評価を受けている」と語った。ジュエリーコレクションは今シーズン限定ではなく今後も「ヴァレクストラ」の定番商品として販売を続ける予定だ。