ファッション

ニュースはみんなのもの、臆せず発信し続けます ファッションフリークOL「WWDジャパン」最新号につぶやく

 1992年生まれのファッションフリーク女子が、今週のファッション週刊紙「WWDジャパン」で気になったニュースを要約してお届け。渋谷のファッションベンチャー企業に勤める等身大OL、Azuのリアルな目線を生かした「このニュースからはコレが見える」という切り口で、さまざまな記事につぶやきを添えます。

今日のニュース:P.14『編集部年末座談会“記者魂を揺さぶったアノ話”』

読み解きポイント:「ニュースは誰のもの?」

ニュースのポイント

 「WWDジャパン」の新人記者が、2019年の締めくくりということで先輩記者16人が何を感じ、何を考えたかを知るべく、突撃座談会を敢行。「19年に記者魂を揺さぶったトッピクスは?」をテーマに1年を振り返った。「シャネル(CHANEL)」「フェンディ(FENDI)」を率いていたカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)の死去や、デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)の「ヴェトモン(VETEMENTS)」退任といったデザイナー関連のニュース、キム・カーダシアン(Kim Kardashian)の「キモノ(KIMONO)」やラグジュアリーブランドの相次ぐ人種差別による炎上騒動、ヤフーによるZOZO買収や「フォーエバー21(FOREVER21)」の日本撤退といったビジネスニュースなど、さまざまな話題が19年を彩った。

Azuはこう読む!

 この連載を始めたのは7月末だったのですが、座談会で話題に上がったテーマは半分以上書いた気がします。ニュースを読んで、自分の意見を考えることを繰り返していくうちに、小さなニュース一つも「自分ならどう受け止めるだろう?他の角度だったら?」と考える癖がつくようになりました。

 例えばキム・カーダシアンによる補正下着ブランド「キモノ」が日本の着物文化を侮辱する名前だとして猛抗議を受けたあの事件。日本人だけではなく日本文化を愛する外国人までもが「それは違う!」とSNSで声をあげ、割と早い段階でブランド名変更にまで至りました。

 当時は連載をしていなかったので、「あらキム、また炎上したのね」くらいにしか思っていなかったのですが(笑)、もしあの時このネタを書くとしたら「下着って嫌なものだっけ?」と提示したでしょう。思い返すとあの騒動抱いた違和感はSNSでの極論と突発的な熱。「下着ブランドに着物の名前をつけるなんて」という声がそこそこあって、「いや、下着は悪くないだろ」と思ったり、そもそもの「さまざまな体型や肌色の女性に合わせた補正下着」という割と素晴らしいコンセプトをすっ飛ばしてボコ殴りされているのをみて、「ちょっとキムの気持ちも考えなよ……」と勝手に幼馴染の感覚になったりもしました。基本的に炎上案件を見ると、救いの道を見出したくなるのです……。

 ブランド名を「スキムス ソリューションウエア(SKIMS SOLUTIONWEAR」に改名した結果、「キモノ」時代の廃棄分など含めて損失額は1000万ドル(約10億9千万円)に登ると明かしていましたが、発売後数分で200万ドル(約2億1千8百万円)売るお化けブランドなのできっと痛くも痒くもないのでしょう。実際にサイト上で商品を見てみると、(日本ではあまりシチュエーションが想像できないものもありますが)「天才なの?その形絶妙すぎない?」というアイテムや9色5サイズというよりどりみどりのラインナップに商才を感じざるを得ません。もちろんだからと言って文化的な差別や多くの人が不快に思うことをして良いわけではありませんが。

 この連載を通して、「私はこう思うけど、みなさんはどうですか?」と投げかけてきたつもりです。正直一人でブツブツつぶやくより圧倒的に多くの方に見ていただいているので、「こんなこと言って良いのだろうか」と怖くなることもありますが、ニュースは誰かの所有物ではなく全員のものなので、臆せず思考し言葉を紡いでいきます。

 ということで2019年に魂を揺さぶったニュースは「全部!」でした。正確なニュースをいち早く届けてくれる記者の皆さま、お疲れ様でした!

Azu Satoh : 1992年生まれ。早稲田大学在学中に渡仏し、たまたま見たパリコレに衝撃を受けファッション業界を志す。セレクトショップで販売職を経験した後、2015年からファッションベンチャー企業スタイラーに参画。現在はデジタルマーケティング担当としてSNS運用などを行う。越境レディのためのSNSメディア「ROBE」(@robetokyo)を主催。趣味は、東京の可愛い若手ブランドを勝手に広めること。ご意見等はSNSまでお願いします。Twitter : @azunne

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