井浦新(いうらあらた) 1974年9月15日生まれ。東京都出身。
いつも自由で自信に溢れ、年を重ねることを楽しむ。けれども、若々しさや瑞々しさは失いたくない。そんな大人の男性のために、「全てを手に入れたい」という名を持つスキンケアブランド「ALLIWANT TOKYO(アリワント トーキョー)」がデビューした。近年、盛り上がりを見せるメンズビューティ市場だが、成分や使い心地、デザインを含め、自身の好みにしっくり当てはまり、生活の一部として使い続けられるようなブランドに出合えた男性はまだまだ少ないのではないか。「男性のライフスタイルに沿う」「メード・イン・ジャパン」「品質を重視して結果を出す」というこだわりを3本柱に、大人の男性たちのニーズに応えるブランドが「アリワント」だ。
今回、同ブランドがローンチするスキンケアラインの第1弾は、求める効果に合わせた成分を配合し1本で理想の肌に導いてくれる、3製品からなる「ALLIWANT SUPERSTAR (アリワント スーパースター)」シリーズ。乾燥やくすみ、たるみなど、最も気になる肌のトラブルに集中的に働きかける。重厚感のあるボトルタイプと共に、持ち運びに便利なポンプタイプの「ALLIWANT SUPERSTAR JET SET(アリワント スーパースター ジェットセット)」シリーズも発売する。3月26日に公式ウェブサイト で先行予約販売を開始後、今後はセレクトショップやサロンなどでの販売を計画している。また5月22日には、紫外線から肌を守り肌のキメを整えるUVクリームとほてった肌をクールダウンするジェル状ローションからなるサマー・ケアライン「アリワント パラディ(ALLIWANT PARADIS)」を発売する。
ローンチにあたり、俳優の井浦新をイメージキャラクターに起用し、スチール広告とスペシャルムービーを制作した(「アリワント」のウェブサイトで視聴が可能)。エキセントリックな役柄を演じることが多い井浦だが、彼が持つさまざまな魅力が詰まったものだ。そこで、井浦に、メンズ美容や男性の魅力、最近の活動などについて聞いた。
「ALLIWANT TOKYO」のイメージキャラクターを務める
WWDジャパン(以下、WWD): 「アリワント」を使ってみた感想は?
井浦新(以下、井浦): 元々乾燥しやすい肌だが、過剰なケアはしてこなかった。年相応のシワが刻まれた男でありたいし、高保湿の製品を使って肌がベタついたり、顔を一枚覆われた感じも苦手なので、スキンケアは口元が割れたり白くならない程度に抑えていた。「アリワント」は1本でしっとりと潤うのにすぐに浸透して、サラッとした質感に変わるのですごく使いやすい。全てがセンス良くデザインされていてギフトにもピッタリ。スキンケアに詳しい男性はまだまだ少ないかもしれないが、シンプルで機能的な「アリワント」はもらったら嬉しい。
WWD: イメージビジュアルもインパクトがあり、井浦さんの新たな一面を見た気がした。
井浦: ビジュアル撮影ではそれぞれの製品のコンセプトを体現した。「ブラック」の撮影では艶感のある“強さ“や、内面からにじみ出る強さを醸し出しながらも、あくまでナチュラルな表情を保つように意識をしたし、「シルバー」では、ナチュラルで何にもとらわれない素直な気持ちを表現した。映像の撮影は、どのような世界観を築きたいか、撮影スタッフと密にコミュニケーションを取りながら進めたが、普段から慣れている撮影プロセスとは違い、一瞬の表情を捉える写真のような表現方法であり、僕にとって新鮮な経験だった。
WWD: 憧れの男性像は?
井浦: 人生の経験が身体に刻まれている男性は素敵だと思う。シワ一つでさえも生きてきた証になるし、人の個性は内面から表れるもの。やるべきことを全力で続ける男は、年齢に関係なく独特の瑞々しさがある。いつまでも挑戦し続けている人は、男女問わず尊敬できる。いつの時代にも、有名無名問わず、この日本の歴史を見ても、そのような人生の先輩がたくさんいる。まるで命を燃焼するかのように、全力で生きた人たちの生きざまや後世に残したもの、その足跡を辿るのも興味深い。
WWD: 「メード・イン・ジャパン」をこだわりの一つとしている「アリワント」だが、最近ではアパレル・繊維業界でも日本のアイデンティティやクラフツマンシップの魅力が見直されている。井浦さんも日本の伝統文化や工芸にも造詣が深いと伺っているが?
井浦: 幼いころから日本の伝統や文化、歴史、自然に惹かれてきた。昔から旅も好きで、旅先で経験したことや感動したことは自分の糧になっている。日本文化に触れることは個人的な楽しみの一つだったが、学んでいくうちに伝統工芸の職人たちが厳しい状況に直面している現実を知った。日本文化を守りたいとは多くの人が感じているはずだが、環境の変化によって工芸のための素材自体が手に入らなくなるなど、手仕事の継承が難しくなっているというのが現状だ。雑誌・新聞で連載を担当させていただくことがあるので、自分が見たものを写真に収め、日本文化の素晴らしさを綴っていたが、「人に伝える」立場にある自分になにができるかを考えた時、経験したことや学んできたことをより多くの人に知ってもらいたいという気持ちがさらに強まった。日本の伝統文化や歴史、自然や、その継承に興味を持っている方だけでなく、知らない方にも伝えるために2013年に立ち上げたのが、匠文化機構だ。
*匠文化機構とは、井浦新が中心となり2013年に設立した一般社団法人。日本の伝統文
化・芸術・芸能などに関連する活動や文化財修復保護の支援、伝統文化の未来を担う
人材の育成のサポートを通して、日本が誇る伝統文化の活性化と伝承に取り組む。
WWD: 現在は、ドキュメンタリーを撮られているんですよね?
井浦: 「アジアハイウエイ」というドキュメンタリー番組を撮っているところだ(NHKプレミアム)。東京・日本橋を最東端に、東海道から四国、北九州へと続き、海を渡って釜山からアジア全域につながり、トルコとブルガリアの国境の最西端をつなぐ道を「アジアハイウエイ」という。不安定な政治情勢や内戦によって、これまで入ることが許されなかった地域も現在は訪れることができるようになった。この「アジアハイウエイ」を走り、現代のアジアを見つめることを目的としたドキュメンタリーだ。日本橋でスタートして中央アジアまで進み、残り半分残っているという長いプロジェクトだが、興味があっても行けなかった場所にも行くことができるので、とても貴重な経験をさせてもらっている。自分の中で、「日本人のアイデンティティとは何なのか」という問いが生まれてから、日本文化を学ぶうちにその深みと面白さに気付き、日本にこだわってきた。だが、掘り下げれば掘り下げるほど、日本文化がシルクロードやアジア諸国、東洋全体のそれとつながっていることに気付いた。アジア諸国を体験することによって、日本との違いや共通点、どのような経緯で特定の文化が日本へと渡ったかを知ることは重要。日本の外に出てみることの意義を実感している。
*ドキュメンタリー「アジアハイウエイを行く シーズン1」は、井浦新が32カ国を結ぶアジアハイウエイを旅し、現代のアジアと向き合うドキュメンタリー。4月11日(土)21:00から、NHKプレミアムで放送。
WWD: 井浦さんのこだわりは?
井浦: こだわらないこと。笑 若い頃は色んなことにこだわりすぎて、いつのまにか自分を縛っていた。それに気付いてからは「こだわらないことにこだわる」ように心がけているが、やはり難しい……。でも、時間の使い方は気を付けている。ロケや外出先でも、数分の空き時間も無駄にしない。旅行の際は必ずカメラと、慣れ親しんだ香りのお香を旅のお供にしている。旅先のホテルで、慣れ親しんだ香りで落ち着く時間も大切にしている。ロケや宿泊先が乾燥していることも多いので、コンパクトな「アリワント ジェットセット」は気軽に持ち運べるし、かなり使えそうだ。
WWD: 「アリワント」のブランド名の由来「ALL I WANT(欲しいものすべて)」だが。
井浦: ブランド名が意味する通り、欲望のままに生きることは人間らしくて素敵だと思う。欲望や願望、願いといった強い感情は人間の内面から来るものだが、「アリワント」はそんな男性にピッタリのブランド。本当に男らしいアイテムだと思う。