【7ページ目】BOTTEGA VENETA(ボッテガ・ヴェネタ)
■BOTTEGA VENETA(ボッテガ・ヴェネタ)のはじまり
1966年、イタリア・ヴェネト地方にあるヴィチェンツァで創業。地元の熟練した革職人の伝統に深く根ざしている高級皮革品ブランドとして、「ボッテガ・ヴェネタ」をスタートした。2001年にグッチ・グループ(GUCCI GROUP、現ケリング)の傘下に入り、トーマス・マイヤー(Thomas Maier)をクリエイティブ・ディレクターに起用。クラフツマンシップを大事にしたラグジュアリーブランドとして確立。ブランドのモットーは「自分のイニシャルだけで十分(When your own initials are enough)」。18年以降、ダニエル・リー(Daniel Lee)やマチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)がクリエイティブを手掛け、ブランドの新たなステージを切り拓いた。
■BOTTEGA VENETA(ボッテガ・ヴェネタ)の歴史
1966年、イタリアのヴィンチェンツァで創業。74年にインポーターのアオイと取引を開始し、日本に上陸。
2001年、ピノー・プランタン・ルドゥート(PINAULT PRINTEMPS REDOUTE、現ケリング)の傘下に入る。日本法人を設立。6月、トーマス・マイヤー(Tomas Maier)がクリエイティブ・ディレクターに就任(02年春夏〜18年春夏)。02年、青山店をオープン(06年に表参道ヒルズに移転)。有名アーティストとの協働により広告キャンペーンを制作する「アート・オブ・コラボレーション」をスタート。07年、世界最大規模となる銀座店をオープン。
09年、新社長兼CEOにマルコ・ビッザーリ(Marco Bizzari)=ステラ・マッカートニー社長兼CEOを任命。10年、公式ウェブサイト開設&eコマース開始。11年、初の香水「ボッテガ・ヴェネタ オードパルファム」を発売。13年、写真の分野で新たな才能を発掘するコンテスト「ニュー・エクスポージャー(NEW EXPOSURE)」をスタート。3月、伊モンテベッロ・ヴィチェンティーノに新設したアトリエがラグジュアリーファッションブランドとして世界で初めて、環境評価制度LEED NC-2009(新築・大規模増改築部門)において最高レベルのプラチナ認証を取得。9月、フルラインアップがそろう初のメゾンをミラノにオープン。8月、初のメンズ香水「ボッテガ・ヴェネタ プール オム」を発売。
14年、アイウエアの製造・販売を専門とする新会社、ケリング アイウエア(KERING EYEWEAR)での取り扱い開始。12月、ホテルオークラ東京が15年に建て替えられることを受け、SNS上で「#MyMomentAtOkura」プロジェクトを発足。15年1月、新CEOにカルロ・アルベルト・ベレッタ(Caro Alberto Beretta)が就任。16年、ブランド設立50周年。またトーマス就任15周年を祝い、17年春夏は初のウィメンズとメンズの合同ショーで発表した。9月、新CEOにクラウス・ディートリッヒ・ラース(Claus Dietrich Lahrs)前ヒューゴ ボス(HUGO BOSS)CEOを任命。10月、初のカプセル・コレクションを日本限定で発売。
18年2月、NYの世界最大の旗艦店オープンを祝い、18-19年秋冬のランウエイショーを現地で開催。7月、ダニエル・リーがクリエイティブ・ディレクターに就任(19年春夏〜22年春夏)。12月、アジア最大級の旗艦店を銀座にオープン。19年9月、新CEOにバルトロメオ・ロンゴネ(Bartolommeo Longone)=サンローラン(SAINT LAURENT)最高執行責任者が就任。世界初のカフェ「ボッテガ カフェ(Bottega Cafe)」が阪急メンズ大阪にオープン。ダニエルが手掛けた初店舗が米マイアミにオープン。
21年1月、インスタグラムの公式アカウントを削除。4月、世界中のさまざまなアーティストと協業するデジタルジャーナル「Issue」の発行をスタート。6月、表参道店がオープン。9月、親会社ケリングが動物の毛皮使用廃止を発表(22年秋〜)。11月、マチュー・ブレイジーがクリエイティブ・ディレクターに就任(22-23年秋冬〜)。
■BOTTEGA VENETA(ボッテガ・ヴェネタ)の主な歴代デザイナー
トーマス・マイヤー:
ドイツ生まれ。クラフツマンシップやクオリティー、オリジナリティーをとても重要視するデザイナーとして知られている。「ソニア リキエル(SONIA RYKIEL)」や9年間「エルメス(HERMES)」などで経験を積み、1997年、シグニチャーブランド「トーマス・マイヤー」をスタート。2001年、「ボッテガ・ヴェネタ」のクリエイティブ・ディレクターに就任。13年にケリングとトーマスが共同出資する形で合弁会社を立ち上げ。18年6月、17年間携わった「ボッテガ・ヴェネタ」を退社。夏、自身のブランドで「ユニクロ(UNIQLO)」とコラボ。「ユニクロ」初の本格的リゾートウエア・コレクションを発売した。その後、ブランドを休止。
ダニエル・リー:
イギリス生まれ。ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズでデザインを専攻。「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「ダナ キャラン ニューヨーク(DONNA KARAN NEW YORK)」などで経験を積んだ後、12年にセリーヌ(CELINE)に入社。フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)の下、ウエアのディレクターを担当。32歳にして「ボッテガ・ヴェネタ」のクリエイティブのトップに就いた。21年11月、突然の退任を発表。22年10月3日、「バーバリー(BURBERRY)」のチーフ・クリエイティブ・オフィサーに就任。
マチュー・ブレイジー:
1984年パリ生まれ。ベルギー・ブリュッセルにあるファッションスクール、ラ・カンブル(La Cambre)を卒業後、「ラフ シモンズ(RAF SIMONS)」のメンズデザイナーとしてキャリアをスタートさせた。その後、「メゾン マルタン マルジェラ(MAISON MARTIN MARGIELA、現メゾン マルジェラ」のプレタポルテとオートクチュールラインに相当する“アーティザナル”コレクションのデザイナーを経て、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)時代の「セリーヌ(CELINE)」のデザインチームに。14年にはシニアデザイナーに昇格。16〜19年、当時ラフがチーフ・クリエイティブ・オフィサーに就任した「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」でデザイン・ディレクターを務めた。21年「ボッテガ・ヴェネタ」のデザイン・ディレクターを経て、11月からクリエイティブ・ディレクターに。
■BOTTEGA VENETA(ボッテガ・ヴェネタ)の成長の要となった代表アイテム
“イントレチャート”(編み込み技法):
イタリア語で「手編み込み」を意味し、革製品に多用される技法で、ブランドを象徴するクラフツマンシップのデザインの一つ。ぜいたくにラムスキンを使い、全て職人による手作業で作られており、トートバッグの場合、完成までに丸2日かかる。
“カバ(Cabat)”:
トーマスが初めてデザインしたアイテム。全体に“イントレチャート”を用いたトートバッグで、内側には取り外し可能なファスナー付きポケットを設ける。
“ポーチ(The Pouch)”:
ダニエルがデビューした19年春夏〜。極細のナッパレザーを編み込み、ループフリンジで覆われたボリュームのあるデザイン。ロゴブームだった当時において、ロゴを一切あしらわないミニマルなデザインのクラッチバッグは、シーズンを重ねるごとに愛用者が増加。
“カセット(The Cassette)”:
2019年プレ・フォール〜。カセットテープのように四角いフォームをしたショルダーバッグで、“イントレチャート”のサイズを巨大化させることでモダンに仕上げた。チャンキーチェーンをあしらった“ザ・チェーン カセット”やパッドを入れることで丸みを持たせた“パデッド カセット”なども登場。
“ストレッチ(Stretch)”:
2019年プレ・フォール〜。サンダルのアッパーにメッシュ素材を使用したシリーズ。足首にチェーンや細いストラップをあしらったデザインも。
“リド(Lido)”:
“イントレチャート”のサイズを大きくすることでモダンに再解釈したデザインのサンダル。
“アルコ(Arco)”:
ミラノの凱旋門「アルコ・デッラ・パーチェ(平和の門)」に由来して名付けられたバッグ。フラップのドーム型形状や長いチューブ状のハンドルが特徴のハンドバッグ。
“ジョディ(Jodie)”:
ホーボーバッグをモダンに再解釈。ハンドル部分にあしらった大きなノット(結び目)が特徴で、身体が隠れるほどのビッグサイズから手持ちできるミニサイズまで豊富に展開。女優のジョディ・フォスター(Jodie Foster)にちなんで名付けられた。
“パドル(Puddle)”
2020-21年秋冬〜。丸みを帯びたフォルムにチャンキーソールを採用したラバー製のレインブーツ。
“パラキート”:
2021年春夏にダニエルが提案。パキッとした明るいグリーンで、青々とした芝生をイメージする「グラスグリーン」とも呼ばれる。新生「ボッテガ・ヴェネタ」を象徴するだけでなく、トレンドカラーとしてグリーンが業界に影響をもたらした。
“カリメロ(Kalimero)”:
2022-23年秋冬〜。マチューデビューコレクションで発表したバケットバッグ。「“イントレチャート”への新たなアプローチ」とする素材は、手作業で編み込まれ、縫い目がないのが特徴。
■公式サイト
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