【3ページ目】CELINE(セリーヌ)

■CELINE(セリーヌ)のはじまり・歴史

1945年、第二次世界大戦が終戦を迎えたばかりのころ、30歳を目前にしたセリーヌ・ヴィピアナ(Celine Vipiana)が自身の名を冠したブランド「セリーヌ」を立ち上げ、創業する。子供向けのメイド・トゥー・メジャーのシューズブランドとしてスタートした後、60年代には初のレザーグッズおよびアクセサリーラインを発表。68年には、スポーツウエアのコレクションをデザイン。
87年からプレタポルテを開始。88年、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の傘下に入る。
98-99年秋冬から、チーフデザイナーにマイケル・コース(Michael Kors)を、2005年春夏〜05-06年秋冬はロベルト・メニケッティ(Roberto Menichetti)を、06年春夏からクリエイティブ・ディレクターにイヴァナ・オマジック(Ivana Omazic)をそれぞれ起用する。
06年、LVMHファッション グループのアジア太平洋地域のプレジデントなどを務めたセルジュ・ブランシュウィッグ(Serge Brunschwig)氏が会長兼最高経営責任者(CEO)に就任。
08年、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)がクリエイティブ・ディレクターに就任(10年春夏〜)。また、マルコ・ゴベッティ(Marco Gobbetti)元ジバンシィ会長兼CEOがセリーヌの会長兼CEOに就任。
17年2月、セヴリーヌ・メルル(Severine Merle)=ベルルッティ(BERLUTI)エグゼクティブ・バイス・プレジデントをCEOに起用。LVMHにとって、3人目の女性CEOになる。4月、「ギンザ シックス(GINZA SIX)」に銀座中央通りに面した2フロアの旗艦店を出店。
12月、フィービーの退任を発表。18-19年秋冬が最後のコレクションに。
18年、17年に設立したLVMHとイタリアの大手アイウエアメーカー、マルコリン(MARCOLIN)の合弁会社、ティリオス(THELIOS)により、最先端技術を導入した生産拠点“マニファトゥーラ ティリオス(MANIFATTURA THELIOS)”で、「セリーヌ」のアイウエア事業をスタート。
2月、エディ・スリマン(Hedi Slimane)がアーティスティック、クリエイティブ&イメージディレクターに就任。ウィメンズのほか、メンズ「セリーヌ オム(CELINE HOMME)」、オートクチュール、香水を統括する。本社を構える17世紀に建てられたコルベール・ド・トルシーには、ブランド初のメンズウエアを作るためのアトリエを設けた。
9月、ロゴを刷新。エディによるファースト・コレクションとなる19年春夏はウィメンズとメンズの合同ショー形式で、合計96体を発表した。
19年3月、新コンセプトに基づく男女複合の旗艦店として表参道店をリニューアル。
20年9月、BLACKPINKのLISAがブランドのグローバルアンバサダーに就任。
21年4月、カプセルコレクション“プラージュ(PLAGE)”からブランド初のスイムウエアを発売。11月、ギンザ シックス店をリニューアル。12月、香水のコレクション「セリーヌ オート パフューマリー(CELINE HAUTE PARFUMERIE)」のグローバルブランドアンバサダーにBLACKPINKのLISAが就任。22年春夏のショーではランウエイモデルとして登場した。
22年4月、シグネチャーバッグの“セーズ(16)”と“トリオンフ(TRIOMPHE)”をカスタムオーダーできる「オート マロキネリー(HAUTE MAROQUINERIE)」コレクションを発表。5月、ライフスタイルアクセサリーコレクション“メゾン セリーヌ”から犬用グッズに特化した“ドッグ(DOG)”シリーズを発売。エディが愛犬エルヴィスのためにデザインしたもの。

■CELINE(セリーヌ)の主な歴代デザイナー

フィービー・ファイロ:

パリ生まれロンドン育ちのイギリス人。ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校卒業後、クロエ(CHLOE)に入社。1997年からステラ・マッカートニー(Stella McCartnery)のデザインアシスタントとして従事。2002年春夏からクリエイティブ・ディレクターを務めたが、「家族との時間を大切にしたい」と07年春夏をもって退任。08年、「セリーヌ」のクリエイティブ・ディレクターに就任。初披露となった10年プレ・スプリングはパリとニューヨーク、ミラノで発表。13-14年秋冬のコレクションは3人目の出産を控え、ミニショーでの形式に切り替え発表し話題を集めた。”ラゲージ”や”トラペーズ”といったバッグをヒットさせたほか、ミニマリズムとリアリズムをファッション界に復活させた。最後の18-19年秋冬は、フィービーは制作に関わらず、デザインチームによるコレクションをパリコレ期間中にショールームで発表した。業界内で仕事と家庭を両立させるデザイナーの一人としても知られている。

エディ・スリマン:

1968年7月5日生まれ。2000〜07年まで「ディオール オム(DIOR HOMME)」でアーティスティック・ディレクターに就任。退任後08年にロサンゼルスに移住。13年プレ・スプリングから16-17年秋冬まで「サンローラン(SAINT LAURENT)」のクリエイティブ・ディレクターとして、メンズとウィメンズのコレクションを手掛け、ブランドを再生させた。退任後は写真家として活動。18年2月、「セリーヌ」のアーティスティック、クリエイティブ&イメージディレクターに就任。ウィメンズの他、メンズ、オートクチュール、香水を統括する。香水のプロデュースは、04年の「ディール オム」以来。18年7月に50歳を迎え、サプライズパーティーがパリのナイトクラブで行われた。20年、ストリーミングサービス「MUBI」はエディが選んだ映画を無料配信。フランシス・フォード・コッポラ(Francis Ford Coppola)の代表作「地獄の黙示録」など全10作品がラインアップした。21年3月、上海で個展「サン オブ サウンド」を開催。中国での個展は初で、14年にフランスで開催した写真展「ソニック」以来6年ぶり。

■CELINE(セリーヌ)成長の要となった代表アイテム

“ラゲージ(Luggage)”:

2009年〜。1970年代に販売していた「セリーヌ」の旅行鞄をインスピレーション源にしたバッグ。イットバッグとして日本でも大ヒットした。

“クロンビーコート”:

10年プレ・スプリング〜。コクーンシルエットのテーラードコート。フィービーが提案したことで、マスキュリンなアウターが人気に。

“クラシック(Classic)”:

11年〜。ゴールドのクロージャーをつけたシンプルなショルダー兼クラッチバッグ。

“トラペーズ(Trapeze)”:

11年プレ・フォール〜。独特なフォームと多彩なカラーバリエーションで人気を集めたバッグ。

“エッジ(Edge)”:

13年プレ・スプリング〜。シンプルでクリーンなデザインとサイドまで続くジップが特徴のハンドバッグ。

“ベルトバッグ(Belt Bag)”:

14年プレ・フォール〜。フロントに垂れ下がるベルトが印象的なワンハンドルのハンドバッグ。

“バレリーナ”(Ballerina):

15年春夏〜。柔らかなレザーとゴムでデザインされたパンプス。

“カバ(Cabas)”:

カーフスキンを用いたトートバック。

“トロッター(Trotteur)”:

16年春夏〜。丸みのあるフォームと、フラップに配したゴールドのメタルパーツがポイントのショルダーバッグ。

“トリフォルド(Tri-Fold)”:

16年プレ・フォール〜。エフォートレスで造形的なデザインが特徴で、素材には柔らかなカーフレザーを使用。

“ビッグバッグ(Big Bag)”:

17年秋冬〜。一枚革を贅沢に用いたバッグシリーズ。ベルトのデザインが特徴。

“16(セーズ)”:

19年春夏〜。エディによる初のバッグ。17世紀に建てられたブランドの本社とアトリエがあるパリのヴィヴィエンヌ通り16番地がバッグの名称の由来。

“セー(C)”:

19年春夏〜。クロージャーの金具にあしらったCの文字が印象的なチェーンバッグ。

“トリオンフ(Triomphe)”:

19年秋冬〜。「トリオンフ」を意味するパリの凱旋門を囲む鎖から着想を得たモチーフを取り入れたバッグシリーズ。“マイヨン トリオンフ”や“トリオンフ キャンバス”“キュイル トリオンフ”などのモデルが続々登場。

“セリーヌ エッセンシャル(CELINE ESSENTIALS)”:

シーズンがない定番ライン。デニムやライダースジャケット、スニーカーやアルファベットネックレスなど。

■公式サイト

https://www.celine.com/ja-jp/home

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