【27ページ目】CHANEL(シャネル)

■CHANEL(シャネル)のはじまり・歴史

1910年、デザイナーのガブリエル・シャネル(Gabrielle Chanel)がパリ・カンボン通り21番地に帽子店「シャネル モード」をオープン。12年、ドーヴィルに自身初のブティックをオープン。13年、男性用肌着の素材として用いられていたジャージーを使ったスポーツウエアを発売し、成功を収める。15年、フランス南西部バスク地方にあるビアリッツに初のクチュールハウスをオープン。300人のスタッフと共に、初のオートクチュール・コレクションを発表した。18年、カンボン通り31番地にクチュールサロンをオープン。
21年には、ファッションデザイナーが手掛ける初めての香水として「シャネルN°5」を発表。24年、ツイードのスーツを製作。また香水とビューティ製品の製造販売を手掛けるソシエテ デ パルファン シャネルを設立し、フェイスパウダーやリップスティックを発表。26年、リトルブラックドレスを発表。27年、15のアイテムで構成された初のトータルスキンケアラインを発表。32年、ハイジュエリー・コレクション「ダイヤモンド ジュエリー(Bijoux de Diamants)」を発表。第二次世界大戦が始まった39年、ビアリッツのクチュールハウスを閉店。
54年、71歳のガブリエルはオートクチュールを再開。57年にバイカラーシューズを発表。
71年、ガブリエルが87歳で死去。78年、プレタポルテとアクセサリーを発表。
83年、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)がオートクチュールとプレテポルテ、アクセサリーのアーティスティック・ディレクターに就任。87年、ブランド初の腕時計“プルミエール(Premiere)”が誕生。93年、ファインジュエリー事業を立ち上げ。94年、国内初路面店を銀座並木通りにオープン。95年、ネイルエナメルの“ルージュ ヌワール”を発売。
2000年、アイウエアを発表。初のスポーツウオッチ“J12”が誕生。09年、ファイン ジュエリー クリエイション スタジオを開設。11年、シャネル財団を設立。13年、ウォッチ クリエイション スタジオを開設。
16年、初の自社製ムーブメント“キャリバー 1”を搭載した腕時計“ムッシュー ドゥ シャネル”を発売。モーリーン・シケ(Maureen Chiquet)=シャネル グローバルCEO(07年〜)が退任し、アラン・ヴェルタイマー(Alain Wertheimer)=シャネル会長兼共同オーナーが引き継ぐ。12月、銀座並木通り店リニューアル。
18年2月、ファーフェッチ(FARFETCH)の少数株を取得しデジタルプロジェクトで協業。6月、創業以来初の決算(17年12月期)を発表。8月、初の男性用メイクアップラインとして「ボーイ ドゥ シャネル(BOY DE CHANEL)」が誕生。10月、日本法人のリシャール・コラス(Richard Collasse)社長(95年〜)の後任に、ギエルモ・グティエレス(Guillermo Gutierrez)取締役副社長が昇進。12月、エキゾチック・レザーと毛皮の使用廃止を発表。
19年カールが死去。ヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)がファッション・コレクション部門のアーティスティック・ディレクターに就任(19年クルーズ・コレクション〜)。
20年、気候変動に関する取り組みとして、「シャネル ミッション 1.5(Chanel Mission 1.5)」を立ち上げ。9月、人権とコーポレート・サステナビリティに関する部門を新設。21年3月、国際的な美術館やギャラリーなどとパートナーシップを結んでアート業界の支援に取り組むシャネル・カルチャー・ファンド(Chanel Culture Fund)を設立。12月、グローバルCEOにユニリーバのリーナ・ネアー(Leena Nair)=チーフ・ヒューマン・リソース・オフィサーを任命。アラン・ヴェルタイマーCEO(16年〜)はグローバル・エグゼクティブ・チェアに就任。22年1月、初のクリーンビューティライン“No1(ヌメロアン) ドゥ シャネル”が誕生。

■CHANEL(シャネル) の主な歴代デザイナー

ガブリエル・シャネル:

1883年8月19日フランス・ソーミュール生まれ。11歳の時に母親を亡くし、孤児院暮らしを経験。“ココ”の愛称で知られたガブリエルは1910年、パリに帽子店をオープンしキャリアをスタート。31年、ハリウッド女優の映画衣装や私服を担当。71年1月10日、住んでいたホテル リッツ パリで死去(87歳)。

カール・ラガーフェルド:

ドイツ・ハンブルク出身。52年、パリに移り名門リセ・モンテーニュに進学。54年、インターナショナル・ウールマーク賞を受賞。その後、ピエール バルマン(Pierre Balmain)のアシスタントとして3年間働く。57年に「ジャン・パトゥ(Jean Patou)」に移る。64年、「クロエ(CHLOE)」に入る(75年1月〜83年専任デザイナー)。65年、「フェンディ」にデザイナーとして就く。83年に「シャネル」のオートクチュールとプレテポルテ、アクセサリーのアーティスティック・ディレクターに就任。84年、自身のブランドを設立。92年「クロエ」に復帰(〜97年)。2004年、カールは「H&M」と協業。16年秋、そごう・西武との協業で「リミテッドエディション バイ カール・ラガーフェルド」を発売。19年2月19日死去。「シャネル」「フェンディ」で関わった最後のコレクションは19-20年秋冬。

ヴィルジニー・ヴィアール:

1962年、フランス・リヨン市で、シルクメーカーを営む一家に生まれる。地元のファッションスクールで学んだ後、衣装デザイナーのドミニク・ボルグ(Dominique Borg)のアシスタントとしてキャリアをスタート。87年にインターンとして「シャネル」に加わり、やがて刺しゅう部門の責任者に。92~97年にカールと「クロエ」で仕事をした後、97年に一緒に「シャネル」に戻る。以後、オートクチュールやプレタポルテ、アクセサリー部門を統括。2019年からファッション・コレクション部門のアーティスティック・ディレクターに就任。

■CHANEL(シャネル)成長の要となった代表アイテム

「シャネル N°5」:

ファッションデザイナーが手掛けた初めての香水。1921年発表。ネーミングの「5」の由来は、試作品から選ばれた番号が5だったこと、ドレスのコレクションを5月5日に発表したことから、マドモワゼルのラッキーナンバーとしてつけられたなど諸説ある。マリリン・モンロー(Marilyn Monroe)が「寝ている時に身につけているのは、『シャネル N°5』を数滴だけ」と語ったことも有名な話。

ツイードスーツ:

1924年、スコットランド旅行中に第2代ウェストミンスター公爵が猟で着用していた素材を女性用スーツに用いた。56年には、ブレードを施したツイードのスーツをコレクションで発表。やがて女性の憧れる服に。カールはTシャツやデニムに合わせられるモダンスタイルを継承した。

リトルブラックドレス:

1926年、当時喪服としてのイメージが強かったブラックドレスを少ない装飾と着心地の良さを追求し、ガブリエルが考案。以降、ジャージーやシルクなどを用いるなど、カールとヴィルジニーがデザインを継承している。

“2.55”バッグ:

1955年2月登場。軍用バッグにヒントを得て作り始めたバッグに、ガブリエルが競馬場で馬の飼育係が着ていたジャケットをアイデアにキルティングステッチを施し、ゴールドチェーンのストラップをつけた。カトリーヌ・ドヌーヴやブリジット・バルドーが愛用しブランドを代表するバッグに。名前は誕生年月に由来。

バイカラーシューズ:

1957年、つま先にブラックのレザーをあしらったパンプスが登場。代表的な配色の理由について、ガブリエルは「ベージュは脚を長く見せ、黒は汚れを隠し、足を小さく見せるから」。

“プルミエール”:

1987年に誕生したブランド初の腕時計。パリのヴァンドーム広場と香水「N°5」のボトルストッパーからヒントを得た八角形のフェイスが特徴的。2022年10月に復刻版が登場。

“メティエダール コレクション”:

2002年〜。“メティエダール“はフランス語で“手仕事”を意味。刺しゅうや羽根飾りなど芸術の域にも達する職人技をふんだんに取り入れたプレタポルテ・コレクション。1985年にボタンメーカーのデリュ(Desrues)をメティエダール”のアトリエとして初めて傘下に収めて以降、刺しゅうのルサージュ(Lesage)やシューズメーカーのマサロ(Massaro)、ツイード生地に使用する糸を製造しているヴィマール 1991(VIMAR 1991)などが新たに加わり、オートクチュールを支えるアトリエの職人技の保護・発展に取り組んでいる。

■公式サイト

https://www.chanel.com/jp/

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