【5ページ目】MARC JACOBS(マーク ジェイコブス)
■MARC JACOBS(マーク ジェイコブス)のはじまり
1984年、当時学生だったマーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)が立ち上げたシグニチャーブランド。卒業コレクションが業界で目に留まり、一躍その名を広める。マークのクリエイションの原点とも言える“グランジ”は、今もなお象徴的に取り入れられている。コレクションラインの「マーク ジェイコブス」に加え、「マーク BY マーク ジェイコブス」(2015-16年秋冬をもって休止)や「ザ マーク ジェイコブス(THE MARC JACOBS)」などを展開し、NYを代表する世界的ブランドに成長する。
■MARC JACOBS(マーク ジェイコブス)の歴史
1984年、ニューヨークにあるパーソンズ美術大学(Parsons School of Design)に通っていたマークは、ロバート・ダフィー(Robert Duffy)と出会い、ジェイコブス・ダフィー・デザイン社(Jacobs Duffy Designs Inc.)を設立。「マーク ジェイコブス」をスタートする。マークは当時、パーソンズでの卒業制作のニットセーターで、主席に与えられる「ペリー・エリス(Perry Ellis)金の指貫賞」と「最優秀デザイン学生賞」などを受賞し、注目を集めていた。86年、カシヤマUSAのバックアップの元、初コレクションを発表する。
93年、社名をマーク ジェイコブス インターナショナル(MJI)に変更。94年、ニューヨーク・ファッション・ウイークに初参加。メンズおよびウィメンズのフットウエアコレクションを発表する。97年、マークはLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)擁する「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のアーティスティック・ディレクターに就任(〜2013年)。同時にMJIはLVMHの傘下に入る。また自身初のショップをNYのマーサー・ストリートにオープン。アメリカファッション協議会(CFDA)の「ウィメンズ・デザイナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞する。
2000年、メンズ(〜17-18年秋冬)とセカンドラインの「マーク BY マーク ジェイコブス」(01年春夏〜15-16年秋冬)をスタート。01年、初の香水「マーク・ジェイコブス・パフューム(Marc Jacobs Perfume)」を発表。04年、アイウエアと時計のコレクションを発表。06年、英陶磁器ブランド「ウェッジウッド(WEDGWOOD)」とのテーブルウエアを発表。07年、キッズラインをスタート。香水「デイジー マーク ジェイコブス(DAISY MARC JACOBS)」を発表。08年、日本法人を設立。10年、書籍やステーショナリーを集積した業態「ブックマーク(BOOKMARC)」をNYのブリーカー・ストリートにオープン。また「マーク ジェイコブス青山」をオープン。13年、「マーク BY マーク ジェイコブス」のウィメンズラインのクリエイティブ・ディレクターにケイティ・ヒリヤー(Katie Hillier)が、デザイン・ディレクターにルエラ・バートリー(Luella Bartley)が就任。10月、「ブックマーク」アジア初店舗を原宿にオープン。カラーメイクコレクションをセフォラ(Sephora)と共同開発したコスメライン「マーク ジェイコブス ビューティ(MARC JACOBS BEAUTY)」をローンチ。
14年7月、CEOにセバスチャン・スール(Sebastian Suhl)=ジバンシィ(GIVENCHY)CEO(当時)が就任。16年6月、MJIと日本法人の合弁により、住友商事が保有していた日本法人の株式34%を譲渡。17年7月、MJIのCEOにエリック・マレシャル(Eric Marechalle)=ケンゾー(KENZO)CEO(当時)が就任。18年9月、ブランドのデザインチームに自身のブランドを去ったアクセサリーデザイナーのオランピア・ル・タン(Olympia Le Tan)が加入。
19年、プレ・フォールから「ランウエイ(RUNWAY)」と、コンテンポラリーライン「ザ マーク ジェイコブス」をスタート。20年9月、ユニセックスライン「ヘブン バイ マーク ジェイコブス」をローンチ。21年11月、「マーク ジェイコブス」NY旗艦店でデビューショーを行った小泉智貴デザイナーによる「トモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)」とコラボし、日本限定コレクションを発売。22年7月、新コンセプトストアとして表参道店をオープン。11月、井野将之デザイナーによる「ダブレット(DOUBLET)」とコラボ。
■MARC JACOBS(マーク ジェイコブス)のデザイナー
マーク・ジェイコブス
1963年4月9日ニューヨーク市生まれ。78年、ハイスクール・オブ・アート・アンド・デザイン(High School of Art and Design)に通いながら、ヨーロッパブランドのセレクトショップ「シャリバリ(Charivari)」でアルバイトを始める。81年、パーソンズ美術大学に入学。84年、同校の卒業制作のニットセーターで、主席に与えられる「ペリー・エリス金の指貫賞」と「最優秀デザイン学生賞」などを受賞。この頃、ロバート・ダフィーとジェイコブス・ダフィー・デザイン社を設立。また、セブンス・アヴェニューのアパレルメーカー、ルーベン・トーマス社(Reuben Thomas Inc.)で「スケッチ・ブック(Sketchbook)」という新ブランドのデザイナーになる。86年、カシヤマUSAのバックアップの元、シグニチャーブランド「マーク ジェイコブス」の初コレクションを発表する。87年、CFDAから新人に与えられる「ペリー・エリス賞」を最年少で受賞する。89年、ロバート・ダフィーと共にペリー・エリス社に入る。マークは、ウィメンズスポーツウエア(カジュアルウエア)のデザインを監修し、若くしてNYを代表するデザイナーズブランド「ペリー・エリス」のウィメンズデザインのヴァイス・プレジデントに就任。
92年、徐々に普及し始めていたグランジファッションが持つダウン・ビートにインスパイアされ、素材を生かしたレイヤードデザインのグランジコレクションを「ペリー・エリス」のコレクションで発表。好評を博し、CFDAで最も栄誉ある「ウィメンズウエア・デザイナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞する。しかし保守的な「ペリー・エリス」の顧客には、受け入れられず、コレクションラインを終了、マークは契約中に解雇された。97年、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のアーティスティック・ディレクターに就任(98-99年秋冬〜2014年春夏)。
2002年、CFDA「メンズウエア・デザイナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。07年9月、08年春夏「マーク ジェイコブス」のショーが2時間遅れでスタートしたことで、来場していたジャーナリストやエディターは激怒。以降は時間通りの開催になったことは逸話(しかし19年春夏に約10年ぶりにマークが90分の大遅刻。自身のインスタグラムで謝罪し、またも話題を集めた)。10年、米「タイム(Time)」誌が選出する世界で最も影響力のある100人「Time 100」にデザイナーとして初めて選ばれる。19年4月、かねてから交際していたモデルでキャンドルメーカーのチャー・デフランチェスコ(Char Defrancesco)と結婚。
■MARC JACOBS(マーク ジェイコブス)の代表的なブランド・ライン
「マーク ジェイコブス」
1984年にスタートしたコレクションライン。86年に初コレクションを発表し、94年にニューヨーク・ファッション・ウイークに参加して以来、ショー形式でコレクションを発表。2018年には、マークが「ペリー エリス」在籍中の93年春に発表した “グランジ”コレクションの25周年を記念し、カプセルコレクション“REDUX GRUNGE COLLECTION 1993 / 2018 MARC JACOBS”で復刻。
「マーク BY マーク ジェイコブス」
2001年春夏に、コンテンポラリー・ゾーンのセカンドラインとしてスタート。日本では百貨店や駅ビルなど数多くの店舗を構えていた。15年、「マーク ジェイコブス」に統合する形で15-16年秋冬をもって休止。
「ザ マーク ジェイコブス」
2019年プレ・フォール〜。コレクションライン「マーク ジェイコブス」のコンテンポラリーライン。スヌーピー(SNOOPY)で知られるピーナッツ(PEANUTS)やニューヨーク・マガジン(New York Magazine)などとクリエイティブパートナーシップを提携するなどし、幅広いグッズを展開。同年、「マーク ジェイコブス」としては2年ぶりとなるメンズウエアを発表した。
「ヘブン バイ マーク ジェイコブス」
2020年9月に立ち上げたユニセックスライン。1990年代以降のサブカルチャーを再解釈し、多面的なキャラクターたちが描かれる世界観を描く。10月にはバッグをローンチ。
■MARC JACOBS(マーク ジェイコブス)の成長の要となった代表アイテム
“クラシック Q(CLASSIC Q)”
2007年に「マーク BY マーク ジェイコブス」から発売。ミリタリーライクなロゴプレートと丸みのあるシルエットが特徴的。誕生15周年の22年、「マーク ジェイコブス」表参道店オープンを記念して復刻。
“トラブル(TROUBLE)”
2014-15年秋冬にデビューしたチェーンバッグ。1960年代のハンドバッグにインスパイア。シックスダイヤモンドカットのチェーンやカスタムメードされた丸いクロージャーがジュエリーライクと話題に。
“ザ J マーク”
2016年春夏〜。新生「マーク ジェイコブス」のシンボルとして、バッグやスモールレザーバッグなどにあしらわれた、アルファベットのJを組み合わせたデザイン。“ザ スナップショット(THE SNAPSHOT)”や“ザ J マーク ショルダー バッグ(THE J MARC SHOULDER BAG)”などにも使用。20-21年秋冬には“J マーク”のモチーフを横にした“ザ J リンク(THE J LINK)”が誕生。21-22年秋冬には、バッグ“ザ J マーク サッチェル”を発売。
“ザ スナップショット”
2016年春夏〜。クラシカルなカメラバッグ型のショルダーバッグ。コンパクトなボディと太めのストラップ、“J マーク”のロゴが特徴。22年秋には、アーカイブのディテールを落とし込んだ新しいデザインも登場。
“ザ トート バッグ(THE TOTE BAG)”
2020年にデビュー。しっかりとしたハンドルとストラップがついたトートバッグ。素材はキャンバスが定番だが、レザーやジャカード、メッシュ、クロコの型押しなども用意。また、カラーブロッキングやスパンコールといったデザインも豊富だ。スマホやタブレット、ノートパソコンに合わせた4種類のサイズをそろえる。
“ザ モノグラム コレクション(THE MONOGRAM COLLECTION)”
2021-22年秋冬のショーでデビューしたロゴプリントのコレクション。MARC JACOBSの文字をチェーン状にあしらったデザインはウエアやバッグ、アクセサリーなどでラインアップ。
■公式サイト
「マーク ジェイコブス」が夏に向けてウーブン素材の新作バッグシリーズを発表
「マーク ジェイコブス」がアイコンバッグを取りそろえるポップアップを京成百貨店で開催
「マーク ジェイコブス」が期間限定のカフェを東京・青山にオープン フードやドリンクを提供
1位は、【一粒万倍日】「ルイ・ヴィトン」が3月21日の最強開運日に向けて新作ウオレットを発売| 週間アクセスランキング TOP10(3月9〜15日)
【一粒万倍日】2023年発売の新作財布まとめ 「ロエベ」や「ボッテガ・ヴェネタ」「グッチ」など ※随時更新
「マーク ジェイコブス」が三越銀座店でポップアップ 注目はリバイバル&先行販売
【一粒万倍日】「マーク ジェイコブス」のシンボル「J マーク」から春らしい色の財布が登場
【LVMHお仕事図鑑 】「マークジェイコブス」マーチャンダイジング ディレクターのお仕事
1位は、「ティファニー」がSnow Manを起用したスペシャルムービーを公開| 週間アクセスランキング TOP10(2月9〜15日)
CONNECT WITH US
モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説
前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。
大胆に露出 ケンダル・ジェンナーとイリーナ・シェイクが「マーク ジェイコブス」の2023年春キャンペーンに登場
【2023年バレンタイン】スイーツだけじゃない!ハートやチョコがモチーフの限定コレクション 「ルイ・ヴィトン」や「ディオール」「マーク・ジェイコブス」など
「マーク ジェイコブス」がNYコレに復帰 パンクの女王ヴィヴィアン・ウエストウッドへのレクイエム
「マーク ジェイコブス」2023年春夏コレクション
“ヘブン バイ マーク ジェイコブス”と「キコ コスタディノフ」が初コラボ 服やバッグ、アクセサリーを発表
【2023年バレンタイン】「マーク ジェイコブス」はバッグやアクセ、香水をオススメ
「マーク ジェイコブス」が阪急うめだ本店でポップアップ 日本先行販売のバッグなど
「マーク ジェイコブス」が人気バッグ“ザ スナップショット”のアーカイブから新作までそろうイベントを開催
【2023年】干支のウサギがモチーフのキュートなアイテムが続々登場 「ルイ・ヴィトン」「ロエベ」「グッチ」など約20ブランド(※随時更新)
「マーク ジェイコブス」から2023年の卯年を記念した“ふわもこ”バッグ
「マーク ジェイコブス」の最新キャンペーンにケイト・モス 2000年フォールを彷彿させるピンクヘアで登場
「マーク ジェイコブス」から新作ジュエリー “ザ チャームド”コレクションが初登場