STELLA McCARTNEY(ステラ マッカートニー)
■STELLA McCARTNEY(ステラ マッカートニー)のはじまり
ファッションデザイナーのステラ・マッカートニー(Stella McCartney)が2001年に立ち上げたシグニチャーブランド。当時、若手ながら実力派として注目を集め、現在はウィメンズのプレタポルテとユニセックスのカプセルコレクション、キッズウエア、アクセサリー、水着、ランジェリー、スキンケアに加え、アディダス(ADIDAS)とのコラボレーションラインなどを展開。世界に48の直営店と21のフランチャイズ店を構え、77カ国863の専門店や百貨店でも販売する(23年9月現在)。
■STELLA McCARTNEY(ステラ マッカートニー)の歴史
1998年春夏〜2001-02年秋冬まで「クロエ(CHLOE)」のクリエイティブ・ディレクターを務めていたステラ・マッカートニーは01年、シグニチャーブランド「ステラ マッカートニー」をスタートする。10月にパリで02年春夏コレクションを発表しデビュー。生涯ベジタリアンであるステラは、当時から全てのアイテムにリアルなレザーとフェザー、スキン、ファーを使用していない。
04年、アディダスと長期パートナーシップ締結し、「アディダス バイ ステラマッカートニー(ADIDAS BY STELLA McCARTNEY)」をスタート。ビーガンフレグランス「ステラ(STELLA)」を発表。06年、オーガニックスキンケアライン“ケア(CARE)”を発売。08年、ランジェリーコレクションを発表。09年、ビーガン素材のアイコンバッグ“ファラベラ(Falabella)”を発表。同年、キッズラインを発表。11年、アイウエアを発表。
12年、「アディダス」の招へいによりロンドン五輪・英国代表チームのクリエイティブ・ディレクターに就き、ウエアなどを制作。ファッションデザイナーとしては五輪史上初めて、一カ国の五輪全競技のウエアをデザインした(16年リオデジャネイロ五輪でも再任)。13年、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)プレステージと、フレグランスおよびビューティ製品の長期に渡るライセンス契約を締結。15年、アディダスと「ステラスポーツ(STELLASPORT)」をスタート。16年、フレグランス“ステラ ポップ(STELLA POP)”を発表。16-17年秋冬シーズンからスイムウエアをスタート。17年春夏シーズンからメンズウエアを発表。17年、米カリフォルニアを拠点とするバイオテクノロジー企業のボルトスレッズ(Bolt Threads)とパートナーシップを締結し、ファッションにおけるサステナビリティの改革への取り組みを強化する。同年、伊テキスタイルメーカーISA社と長期ライセンス契約を締結し、ランジェリーとスイムウエア商品のグローバルな戦略的成長および販売拡大を図る。18年3月、17年間のパートナーシップを経て、ケリングの株式を買い取り独立。その後、国連と持続可能なファッションに関するパートナーシップを締結する。同年秋、アディダスのアイコンスニーカー“スタンスミス(STAN SMITH)“で初めて人工皮革を使ったビーガン素材のモデルを発表。同年、サステナビリティと乳がん啓発の活動を支援する非営利チャリティープラットフォーム「ステラ マッカートニー ケアズ ファンデーション(Stella McCartney Cares Foundation)」を設立。ブライダルラインを本格的にスタート。
19年、5月にグーグル(GOOGLE)と提携し、ファッション業界向けに素材のサステイナビリティを計測するクラウドツールの試験的な開発を開始。7月、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON 以下、LVMH)とパートナーシップを締結。所有権の過半数は保持しながら、引き続きクリエイティブ・ディレクターとアンバサダーを務める。またステラはベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼最高経営責任者や取締役会メンバーへのサステイナビリティに関する特別アドバイザーの役割も担う。
20年8月、伊ティリオス(THELIOS)とアイウエアのライセンス契約を締結。9月、ジェンダーレスなカプセルコレクション「ステラ マッカートニー シェアード(STELLA McCARTNEY SHARED)」を発売。水着とアンダーウエア両方の機能とスタイルを併せ持つカプセルコレクション“ステラウェア(Stellawear)”発売。
21年、ブランド設立20周年。未来への意思を示す設計図としての新ビジョンをAからZの26ワードで示し、アーティストとのコラボレーションを発表。「アディダス」とイングランドのプレミアリーグ「マンチェスター・ユナイテッドFC(MANCHESTER UNITED FC)」に所属するポール・ポグバ(Paul Pogba)選手とトリプルコラボした世界初のビーガン素材のスパイクを発表。同年、キノコ由来の人工レザー「マイロ(MYLO)」を用いたウエアを発表。22年、「マイロ」を使ったバッグ“フレイム マイロ(FRAYME MYLO)”を発売。LVMHと99%ナチュラルでクルエルティフリー(動物実験を行わない)のスキンケアライン「ステラ バイ ステラ マッカートニー(STELLA BY STELLA McCARTNEY)」を立ち上げる。23年4月、世界初カフェ併設コンセプトストア「ステラズ ワールド バイ ステラ マッカートニー(STELLA’S WORLD by Stella McCartney)」を阪急うめだ本店にオープン。
■STELLA McCARTNEY(ステラ マッカートニー)のデザイナー
ステラ・マッカートニー
ミュージシャンとして知られるポール・マッカートニー(Paul McCartney)と写真家で動物愛護活動家のリンダ・マッカートニー(Linda McCartney)の三女として、1971年にロンドンで生まれる。95年、ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校(CENTRAL SAINT MARTINS)を卒業。97年、「クロエ」のクリエイティブ・ディレクターに就任(98年春夏〜01-02年秋冬)。2000年、乳がん患者とその家族を支援するために、乳がんで亡くなったリンダの名を冠した、がんの治療・研究センター、リンダ・マッカートニー・センター(Linda McCartney Center)を設立。01年、自身の名を冠したステラ マッカートニーを設立し、ブランドをスタート。10月にパリコレでデビュー。13年、大英帝国勲章オフィサー(OBE、第4等)を受章。
20年、ファッションデザイナーとして初めて米「ヴォーグ(VOGUE)」の表紙を飾る。21年、「持続可能な市場のためのイニシアチブ ファッションタスクフォース(Sustainable Markets Initiative Fashion Taskforce)」を設立した英国のチャールズ皇太子(Charles, Prince of Wales、当時)の招待を受け、G7サミットと環境問題についてさまざまな切り口から語り合うCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)に参加。唯一のファッションデザイナーとして素材のイノベーションに関する展示「ファッションの未来」を主催し、英国でのファーの取り扱い禁止の呼びかけやファーに代わるサステナブルな新素材を提案した。また、G7イギリス会議にも出席し、持続可能な未来に真剣に取り組む企業や人を讃えるテラ・カルタ(Terra Carta)条約に署名。22年、英国に多大なる貢献をしたとして、大英帝国勲章コマンダー(CBE、第3等)を受章した。23年、初のカフェ併設コンセプトストアのオープンを祝し約4年ぶりに来日。東京藝術大学では学生と特別講義を行った。ステラは生涯ベジタリアンとしても知られ、デビュー当時からコレクションでは全てのアイテムにリアルなレザーとフェザー、スキン、ファーを使っておらず、その精神は今日もサステナビリティのブランディング理念に通じている。
■STELLA McCARTNEY(ステラ マッカートニー)の成長の要となった代表アイテムなど
“ファラベラ(Falabella)”
2009-10年秋冬に発表したブランドを代表するバッグ。クルエルティフリー(動物実験を行わない)のビーガン素材を使ったボディーとダイヤモンドカットのチェーンディテールが特徴。トートやクロスボディーなどさまざまな形を展開するベストセラーアイテム。
“エリス(Elyse)”
2014-15年秋冬〜。マスキュリンな要素とフェミニンな要素が融合し、FSC(森林管理協議会) 認証ウエッジヒールとマイクロソールを組み合わせたアイコニックなプラットフォームシューズ。17年プレ・フォールからは、軽量なスニーカータイプの“スニークエリス(Sneak Elyse)”を発表。
“ロゴ(Logo)”
2018年春夏〜。パーフォレーション(穴あき)を施したサーキュラーロゴがアイコニックなバッグ。軽量で実用的なサイズ感が特徴。
“ループ(Loop)”
2018-19年秋冬〜。100%リサイクル可能なスニーカー。環境負荷が大きい接着剤を用いず、ソールには再生可能原料のバイオTPU素材のラバーソールを採用。ビンテージのランニングシューズを着想源とし、ユニセックスで展開。
“フレイム(Frayme)”
2021-22年秋冬〜。クルエルティフリーな素材により、イタリアで職人による手作業で作られる。バッグを囲むように施したオーバーサイズのガルバニックチェーンストラップは、ゴールドとシルバーでミックスしている。
“S ウェーブ(S-Wave)”
2022-23年秋冬に発表したブランドのシンボル。単なるモノグラムではなく、ブランドが培ってきた理念や未来を語る姿勢を具現化した。DNAを表す二重らせんや音波、自然の神秘的な幾何学模様からインスピレーションを得たデザインで、バッグやプレタポルテなどにパターン柄としても採用されている。
■公式サイト
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