最新号紹介

2025年春夏ミラノコレ総括 「プラダ」のミックス&マッチにトレンドの兆し

「WWDJAPAN」10月7日号は、2025年春夏ミラノ・ファッション・ウイークを総括します。今季はデザイナーらが考える「生き方」が表出したシーズンでした。個々が抱える生きづらさを出発点に、批判の目を持って疑問を呈したり、ポジティブに現実を受け止め軽やかに生きるための術を提案したりといった表現が目立ちました。

存在感を発揮したのは、「プラダ(PRADA)」と「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」。「プラダ」はアルゴリズムによって、人々の本来の創造性が失われているのではないかと警報を鳴らします。トロンプルイユの手法で自分の目で見ることの大切さ、強烈なミックス&マッチスタイルでファッションの無限の可能性を訴えました。市場に目を向けてみても、年代やブランド、テイストさえにもとらわれず自由に組み合わせるファッションを楽しむ人が増えています。根底にあるのは、「自分の感覚でいいと思ったものを身につけ、個性を表現したい」という気持ち。「プラダ」はそんな人々の背中を力強く押し、個性を貫く大切さを発信しました。

「ボッテガ・ヴェネタ」は、まるで夢中で遊んでいる子どもの空想の世界を再現したかのような、超絶技巧のクリエーションを披露しました。そこにはたくさんの動物のモチーフが登場します。新しい世界を目指して人間と動物が共に旅するノアの箱舟のストーリーに重ね、混沌とした世界から抜け出す「ボッテガ・ヴェネタ」という箱舟に観客を乗せたわけです。

ミラノブランドから学ぶ透け素材を新鮮に見せるには?

素材軸では春夏に欠かせないオーガンジーやチュール、ハイゲージニットなどの透け素材が多用されました。ロングトレンドだからこそ変化を付けたいシースルーの提案は、色を重ねて楽しむアートのようなコレクションを見せた「アンテプリマ(ANTEPRIMA)」や、固さと柔らかさといったテクスチャーの対比で新鮮な女性像を描いた「スポーツマックス(SPORTMAX)」などが、お手本になりそうです。「フェンディ(FENDI)」を筆頭に、透け素材で作るガーリースタイルも、2025年春夏のキーワードになりそうです。海外ニュースページでは、ミラノコレに関する有力バイヤー評も掲載しています。

巻末の「ファッション&ビューティパトロール」では、国内外のファッションパーティーに出演するDJデュオのUNA&MATCHAをゲストに迎え、ミラノ・ファッション・ウイーク中のナイトライフをリポートしてもらいました。フォトグラファーとしての才も持つMATCHAが、パーティー会場で見つけたオシャレピープルたちをスナップ。ファッション好きなUNAさんの解説とともにお届けします。

(COVER CREDIT)
BRAND:PRADA
ART DIRECTION&DESIGN:RYO TOMIZUKA
COVER REELS DESIGN:CHIGE(GWISUB JUNG)

CONTENTS

EDITOR'S VIEW

ミラノで日本の“リアルトレンド”を考える。

THE NEWS

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ユニクロ「情報製造小売業になる」

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エディ・スリマンがケリングとメディアに激怒

2017 S/S PARIS COLLECTION 前編

ゆるさと緊張感の心地よいバランスの作り方

2017-18 F/W

PREMIERE VISION
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2017 S/S

MILAN COLLECTION

旬のミラノをつかむ3トレンド

“ニューウーマン”への新4大アイテム

アンダーズ東京のルーフトップで2016年秋冬の新作お披露目

「アグ(R)」アンバサダーのロージーが来日

奥恵美子のちょっと学べるF.J.A

第65回「ヴォーグ」エディターVSブロガー論争で見えてきたこと

eコマース編

第11回 ミステリーショッパーが行く!

アーバンリサーチ バイヤーズセレクト

使い勝手よりも、本来のファッション性を追求

ファッション業界人物列伝

−「あの時、私は…」−

エルメス・インターナショナル前 上級副社長/シーナリーインターナショナル代表

第9話 齋藤峰明

FASHION PATROL

トマト、赤ワイン、唐辛子だけでは物足りない!

情熱のイタリア・ミラノがさらに赤く染まる

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