「デシグアル」が銀座中央通りに旗艦店 国内・アジア戦略の要に

2020/10/20

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スペイン・バルセロナ発のファッションブランド「デシグアル」は6月、フラッグシップストア「デシグアル東京銀座中央通り」をオープンした。日本上陸10周年を果たした同ブランドは、直営とフランチャイズで35店舗を運営し、100以上の卸先、そして自社ECとECパートナーシップというデジタル領域にも販路を広げている。今なお幅広い世代から支持され続ける理由は何か?フラッグシップストアの特徴やブランドの歴史などを通し、その魅力に迫る。
DESIGUAL
GINZA
FLAGSHIP
STORE
スペイン・バルセロナ発のファッションブランド「デシグアル」は6月、フラッグシップストア「デシグアル東京銀座中央通り」をオープンした。日本上陸10周年を果たした同ブランドは、直営とフランチャイズで35店舗を運営し、100以上の卸先、そして自社ECとECパートナーシップというデジタル領域にも販路を広げている。今なお幅広い世代から支持され続ける理由は何か?フラッグシップストアの特徴やブランドの歴史などを通し、その魅力に迫る。
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銀座中央通りにオープンしたフラッグシップストアは、ブランド初となるショールーミング形式を取り入れた3階層の店だ。“デジタルショールーム”をコンセプトに店頭商品の在庫確認やオンライン上のアイテムオーダーを全てデジタル端末で行い、取り寄せや配送ができる。同店を拠点としてショールーミングシステムを良いものにアップデートし、国内の他の直営店にも導入していく予定だ。
外観はガラスをメインに使用しつつ、ブランドを象徴する“D”を逆さに再構築したモチーフをあしらうことでほかにない存在感を放っている。内装は、昨年リニューアルした「デシグアルストア原宿」と、新たにオープンした名古屋初の直営店に続いて新コンセプトのデザインを採用。コンクリートやメタリックな素材を多用し、モダンな空間に仕上げた。オープン時は限定商品や東京で撮影したルックブックを用意して開業を祝した。

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バラッシュ・クリザニック/「デシグアル」ジャパン&アジア太平洋カントリーマネージャー
PROFILE:「テンダム」でインターナショナルディレクターを務め、2010年にヨーロピアンカントリーディレクターとして「デシグアル」に入社。ジャパンゼネラルマネージャーを経て、現在は日本およびアジア太平洋エリアのマーケットを統括
「デシグアル」は2019年から若い消費者にもリーチし、既存顧客の満足度もさらに高めるためのリブランディングをグローバルで行っている。その戦略を大々的に実施する第一の国として、日本を選択した。その一環として昨年秋に「デシグアルストア原宿」をリニューアルし、EC利用者も多かった名古屋にも初の直営店をオープン。そして今年、「デシグアル東京銀座中央通り」がグランドオープンを迎えた。日本で最も感度の高いエリアの一つである銀座からブランド価値を発信できることをとてもうれしく思う。
今後もフィジカルストアの出店に注力しつつ、各店のデジタルオムニチャネル化に焦点を当て、デジタルを通した店舗オペレーションや販売プロセス、店舗体験を全ての直営店・フランチャイズ店でより活発化させる。
もちろん店舗のない未来は考えていない。ただ、オフラインとオンラインをつなぐエコシステムの構築は、われわれも消費者も望んでいることだ。日本にはデジタルやSNSが隆盛するとともに、リアルでのコミュニケーションやつながりも大切にするという側面がある。デジタルとフィジカルの両立により、日本のマーケットに沿ったビジネスを行っていく。

「デシグアル」は2019年から若い消費者にもリーチし、既存顧客の満足度もさらに高めるためのリブランディングをグローバルで行っている。その戦略を大々的に実施する第一の国として、日本を選択した。その一環として昨年秋に「デシグアルストア原宿」をリニューアルし、EC利用者も多かった名古屋にも初の直営店をオープン。そして今年、「デシグアル東京銀座中央通り」がグランドオープンを迎えた。日本で最も感度の高いエリアの一つである銀座からブランド価値を発信できることをとてもうれしく思う。
今後もフィジカルストアの出店に注力しつつ、各店のデジタルオムニチャネル化に焦点を当て、デジタルを通した店舗オペレーションや販売プロセス、店舗体験を全ての直営店・フランチャイズ店でより活発化させる。
もちろん店舗のない未来は考えていない。ただ、オフラインとオンラインをつなぐエコシステムの構築は、われわれも消費者も望んでいることだ。日本にはデジタルやSNSが隆盛するとともに、リアルでのコミュニケーションやつながりも大切にするという側面がある。デジタルとフィジカルの両立により、日本のマーケットに沿ったビジネスを行っていく。
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バラッシュ・クリザニック/「デシグアル」ジャパン&アジア太平洋カントリーマネージャー
PROFILE:「テンダム」でインターナショナルディレクターを務め、2010年にヨーロピアンカントリーディレクターとして「デシグアル」に入社。ジャパンゼネラルマネージャーを経て、現在は日本およびアジア太平洋エリアのマーケットを統括
HISTORY

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「デシグアル」はスペイン語で“他とは一味違う”を意味し、これを体現するアイテムが“アイコニックジャケット”だ。1984年、当時バルセロナで古着店を営んでいた創業者のトーマス・メイヤーが、ビンテージデニムからジャケットを作るアイデアを思い付き、3.5本のデニムパンツから1着のデニムジャケットを製作。この“アイコニックジャケット”が感度の高い人々の中で話題となりブランド立ち上げの基盤となった。
今も継続してリリースされる定番品だが、2019年からはDNAであるパッチワークを進化させ、テーラードとデニムジャケットを融合させた“ハイブリッドジャケット”を提案するなど、新たなクリエイションにも挑戦し続けている。

「デシグアル」はスペイン語で“他とは一味違う”を意味し、これを体現するアイテムが“アイコニックジャケット”だ。1984年、当時バルセロナで古着店を営んでいた創業者のトーマス・メイヤーが、ビンテージデニムからジャケットを作るアイデアを思い付き、3.5本のデニムパンツから1着のデニムジャケットを製作。この“アイコニックジャケット”が感度の高い人々の中で話題となりブランド立ち上げの基盤となった。
今も継続してリリースされる定番品だが、2019年からはDNAであるパッチワークを進化させ、テーラードとデニムジャケットを融合させた“ハイブリッドジャケット”を提案するなど、新たなクリエイションにも挑戦し続けている。

COLLABORATION
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バルセロナは街の至る所にアートやギャラリーがあり、市民の生活に根付いている。「デシグアル」にとってもアートは欠かせない要素で、“Desigual in βata”という特別な傘のもと、毎シーズンさまざまなクリエイターたちと協業。既存客だけでなく、アートサイドから幅広い年齢層の顧客とのつながりを生み出している。昨年リニューアルした原宿店3階では、多様なアーティストを起用した展示・企画を行っているほか、ファサードデザインにも気鋭アーティストを起用している。
今季は2012年から継続しているデザイナーのクリスチャン・ラクロワとのコラボアイテムのほか、世界のセレブリティーと協業するデザイナー、マリア・エスコテや、画家、DJ、女優などマルチに活躍するミランダ・マカロフとのアイテムが登場する。
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バルセロナは街の至る所にアートやギャラリーがあり、市民の生活に根付いている。「デシグアル」にとってもアートは欠かせない要素で、“Desigual in βata”という特別な傘のもと、毎シーズンさまざまなクリエイターたちと協業。既存客だけでなく、アートサイドから幅広い年齢層の顧客とのつながりを生み出している。昨年リニューアルした原宿店3階では、多様なアーティストを起用した展示・企画を行っているほか、ファサードデザインにも気鋭アーティストを起用している。
今季は2012年から継続しているデザイナーのクリスチャン・ラクロワとのコラボアイテムのほか、世界のセレブリティーと協業するデザイナー、マリア・エスコテや、画家、DJ、女優などマルチに活躍するミランダ・マカロフとのアイテムが登場する。
SUSTAINABILITY
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サステナブルであることは、現代のファッションビジネスに最も求められる要素だ。「デシグアル」はこれまでも、社会的な責任を果たし環境に配慮する取り組みを実施してきたが、2020年からサステナブルなブランド運営を実現するための計画を本格化させている。20-21年秋冬コレクションでは、コレクション全体の20%を持続可能な自然由来の素材で製作し、持続可能なコットンの生産を包括的に目指すNGO法人「ベター・コットン・イニシアティブ」にも参加。さらに23年までに商品全体の50%を持続可能な繊維から生産し、25年までに100%を達成する宣言も行った。
10月21日からは、阪急うめだ本店でサステナビリティをテーマにポップアップも開催する。来年から商品やパッケージにプラスチックを用いない制度を段階的に導入するほか、生産システムにも持続可能な基準を取り入れ、トレーサビリティーを改善する施策も行う。
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サステナブルであることは、現代のファッションビジネスに最も求められる要素だ。「デシグアル」はこれまでも、社会的な責任を果たし環境に配慮する取り組みを実施してきたが、2020年からサステナブルなブランド運営を実現するための計画を本格化させている。20-21年秋冬コレクションでは、コレクション全体の20%を持続可能な自然由来の素材で製作し、持続可能なコットンの生産を包括的に目指すNGO法人「ベター・コットン・イニシアティブ」にも参加。さらに23年までに商品全体の50%を持続可能な繊維から生産し、25年までに100%を達成する宣言も行った。
10月21日からは、阪急うめだ本店でサステナビリティをテーマにポップアップも開催する。来年から商品やパッケージにプラスチックを用いない制度を段階的に導入するほか、生産システムにも持続可能な基準を取り入れ、トレーサビリティーを改善する施策も行う。

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ジョルディ・バルセルズ/「デシグアル」ジオグラフィーヴァイスプレジデント
PROFILE:2003年にコマーシャル・ディレクターとして「デシグアル」に入社。 その後、他ブランドの最高経営責任者を4年以上 務め、11年にアジア太平洋地域担当副社長として「デシグアル」に戻る。2014年から現職
われわれは世界各国でビジネスを行っているが、アジアは急成長している市場の一つだ。現在、日本をはじめシンガポール、中国、アジア各地で市場に応じた形(小売店、EC、マルチブランド店舗)でビジネスを行っている。これらのエリアはビジネス的にポジティブな要素が存在していると考えており、今後もポジショニングを強化していく。
新型コロナウイルス感染拡大という未曽有のパンデミックが発生し、顧客の関心は健康とウエルネスに注がれ始めた。ファッションビジネスにおいても、消費者の生活をどのようにアップデートできるのかを明確に発信できないと生き残っていけないだろう。
だが、「デシグアル」はその歩みを止めない。われわれは人々をポジティブにさせるユニークなクリエイションと、消費者の声に耳を傾ける姿勢で成長を遂げてきた。時代に先駆けたアーティストとのコラボをはじめ、常に生活をエキサイティングにする価値を届けてきた。これらは時代とエリアに関係なく共感されるほかにない価値だと信じている。これからも多様性や自由を発信するとともに、タブーを破っていく確固たるアイデンティティーを持ちながら、人々を笑顔にさせるモノと体験を提供していく。

われわれは世界各国でビジネスを行っているが、アジアは急成長している市場の一つだ。現在、日本をはじめシンガポール、中国、アジア各地で市場に応じた形(小売店、EC、マルチブランド店舗)でビジネスを行っている。これらのエリアはビジネス的にポジティブな要素が存在していると考えており、今後もポジショニングを強化していく。
新型コロナウイルス感染拡大という未曽有のパンデミックが発生し、顧客の関心は健康とウエルネスに注がれ始めた。ファッションビジネスにおいても、消費者の生活をどのようにアップデートできるのかを明確に発信できないと生き残っていけないだろう。
だが、「デシグアル」はその歩みを止めない。われわれは人々をポジティブにさせるユニークなクリエイションと、消費者の声に耳を傾ける姿勢で成長を遂げてきた。時代に先駆けたアーティストとのコラボをはじめ、常に生活をエキサイティングにする価値を届けてきた。これらは時代とエリアに関係なく共感されるほかにない価値だと信じている。これからも多様性や自由を発信するとともに、タブーを破っていく確固たるアイデンティティーを持ちながら、人々を笑顔にさせるモノと体験を提供していく。
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ジョルディ・バルセルズ/「デシグアル」ジオグラフィーヴァイスプレジデント
PROFILE:2003年にコマーシャル・ディレクターとして「デシグアル」に入社。 その後、他ブランドの最高経営責任者を4年以上 務め、11年にアジア太平洋地域担当副社長として「デシグアル」に戻る。2014年から現職
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