いま改めて、ランニングがアツい!

2025/03/19

いま改めて、ランニングがアツい!
改めて、ランニング市場が盛り上がっています。

日本ではコロナ禍中に増えた新規ランナーがコロナ明けにやや減少したというデータもありますが、走ることが日常生活に定着した人も少なくありません。米国や新興国ではランニングブームが到来し、特に若い世代が仲間と走ることを楽しんでいます。

ここでは、ランニングシューズ開発を競うスポーツブランドの動向やおしゃれなランナーたちのスナップ、注目の新星ランニングブランドのディレクターインタビューなどをご紹介します。
PHOTO : SHINJI SERIZAWA STYLING : MASAAKI IDA MODEL : DENZEL(IMAGE) ART DIRECTION : RYO TOMIZUKA
1
“イノベーティブ”をかけた戦い
スポーツメーカー各社が、自社の先進性を証明するためにランニングシューズ開発に注力するようになっておりそれがランニング市場盛り上がりの一因です。
2
駅伝から世界のEKIDENへ
日本のお正月の風物詩、箱根駅伝は、実はいま中国や台湾でも人気。選手だけでなく、箱根を目掛けてシューズを開発するスポーツメーカーにもいっそう力が入ります。
3
マラソン×ツーリズムの可能性
3月2日に開催された「東京マラソン」は、出走者の47%が海外ランナーでした。旅行を兼ね、地方のハーフマラソンを楽しむ日本人ランナーも今後増えそうです。
4
カルチャーとしてのランニング
米国をはじめとした海外では、コロナ禍に失われた人とのつながりを取り戻す手段として、ランニングが若い世代の間でカルチャーとして盛り上がっています。
RUNNER’S STYLE SNAP
おしゃれなあの人は走るときに何を着ている?
ファッション関連業界のランナーたちをスナップし、
「イノベーションを感じたランニンググッズ」も紹介してもらいました。
PHOTO : MIYU TERASAWA EDIT : AIKA KAWADA
INNOVATION RACE
激化するシューズ開発競争を追え
ランニングシューズの開発・販売において、日本市場の最重要イベントとなっているのが、お正月の風物詩である箱根駅伝です。箱根で選手が履いたシューズやブランドは、一般ランナーからも支持が高まります。2017年に厚底カーボンプレート搭載シューズを投入し、ランニングシューズに革命を起こした「ナイキ」は、18年以降箱根でのシェア1位の座を保ってきましたが、25年は「アディダス」「アシックス」が「ナイキ」のシェアを抜くという大きな変化がありました。各社のシューズ開発に迫ります。
INTERVIEW
箱根での着用者ゼロから年々拡大
「ランニング文化を定着させたい」
東京マラソンEXPO(2024年)のブースから
METASPEED SKY PARIS/2万7500円
かつて箱根の顔だった「アシックス」だが、2017年の「ナイキ」の厚底シューズ革命の影響で、21年の箱根ではついに着用者ゼロに。以来、トップランナーに的を絞った製品開発とマーケティングを強力に推進し、24年の箱根は「ナイキ」に次ぐシェア率2位(24.8%)、25年は「アディダス」に次ぐ2位(25.7%)にまで迫った。
ランニングで開発した先進技術を
他カテゴリーにも展開
2024-25年の駅伝シーズン向けシューズのビジュアルから
DEVIATE NITRO ELITE 3/3万800円
「プーマ」は2021年、グローバルでランニングの再強化を開始。競合他社がバスケやサッカーなど多様なスポーツのイメージがあるのに対し、「プーマ」はサッカーのイメージが強い。「ブランドとしてマルチカテゴリーを目指す中で、成長性の大きいランニングに注目した」といい、ランニングで開発したソールテクノロジー“NITRO”を、ゴルフなど他分野にも活用している。
五輪メダリストや箱根区間賞も輩出
“量より質”で選手との関係強化
1月には、駒澤大学4年の篠原倖太朗選手とアスリート契約を締結
CLOUDBOOM STRIKE LS/4万4000円
2024年のパリ五輪では、「オン」と契約するヘレン・オビリ選手(ケニア)が、マラソン女子で銅メダル獲得。国内でも、24年の箱根で3人、25年も3人の着用者が出て、うち1人は区間賞を獲得した。このように、スイス発の新興ブランド「オン」は着々と大手ブランドを脅かす存在になっている。「人生を賭けて走る選手に選ばれることが、一般ランナーの信頼を得ることにもつながる」。
地道な努力で駅伝選手にアプローチ
“安全な靴”から“スピードも狙える靴”へ
スピードシューズ“HYPERION ELITE 4 PB”のビジュアルから
HYPERION ELITE 4 PB/3万5200円
1914年に米シアトルで創業した「ブルックス」。日本だけでなく、中韓での認知を上げるためにも、箱根駅伝に注目している。2024年に初めて箱根での着用者が1人出て、25年も1人が着用。大手ブランドのようなマーケ費用も、ネットワークもない中、地道に記録会に顔を出して大学陸上部監督とあいさつをするなどの努力を重ね、選手にサンプルを試着してもらう機会をつかんできた成果だ。