ビューティ業界で気になるニュースをピックアップ
化粧品は愛でるもの!?
 “記事は足で書け”と言われますが、ニュース媒体である「WWDビューティ」も同様です。とはいえ、ビューティ業界はファッション業界と比べても発表会が多いですし、発表会では情報が溢れているためそれで記事は書けます。さらに先輩方が培ってきた各社との信頼関係から情報の先出しをしてくれる企業も少なくありません。そんな中で“足で書く”が自分自身の中で薄れてきているのでは……と危惧していました。
 
 そんなモヤモヤ感を抱いていた中、久しぶりに大型の見本市に行ってきました。ファッションや食、サービス業などが一堂に会したものでしたが、やはりじっくり見るべきはビューティでした。全てのブースを取材できるような出展数ではないとき、選ぶのは自分の琴線に触れるか否かで決めます。商品だったり、ブース全体の印象だったり、対応している人の雰囲気だったりと観点は違いますが、完全に自分の“好み”です。あるブースの前で足が止まり、話を聞いてみると、皮膚疾患の医薬品を得意とする医薬品製造メーカーがオリジナル化粧品ブランドを手掛けたものでした。
 
 まあ、ここまではそう珍しくないことなのですが、さらに話を聞くと創業地の富山県立山市に東京ドーム2個分の約10ヘクタールの複合型ウエルネス&リトリート施設を開業するというのです。そこにはハーブ園やアロマ工房、レストラン、イベントスペース、トリートメントスペース、宿泊施設が含まれると言います。しかも、建物の設計は隈研吾氏が手掛けるとも。なんだか聞いていてワクワクする話でしたし、なぜ富山に大型施設を建築するのかも気になりました。後日、詳細を聞かせてもらいたい旨を伝え、編集部に戻りました。帰社して早々に同僚部員にその思いを熱く伝え、あらためて取材をさせてもらったものが「WWDビューティ」の紙面や「WWD JAPAN.com」に掲載されています。
 
 記事を書いてくれたのは私の熱すぎる思いを聞かされた部員なのですが、冷静かつ客観点に詳細を伝えてくれています。足で稼いだ情報を部員と共有でき、それが形となるのは喜びでもあるわけです。話は少しズレますが、企業やPR会社の方が新製品の紹介に来てくださる“キャラバン”があるのですが、「WWDビューティ」編集部は、個別に聴いた内容も皆で共有していることが多いのでよく驚かれます。他の媒体では、極端なことをいうと各編集員個々にキャラバンしないと情報が伝わらないというのです。その点、得た情報は共有して全員でアップデート、知識を蓄積できるのが「WWDビューティ」編集部のよい慣習だと感じています。これからも、編集部員一丸となって“足で書いた”記事を伝えていきます。
 
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牧田 英子
「WWDJAPAN」エデュケーションデスク
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