“ファッションロー”とは、ファッション産業に関連する法律の総称です。模倣品対策や労働問題、SNS炎上や取引時のトラブルなど、ファッション業界には法的問題が山積みです。
法律は「ビジネスにブレーキをかけるもの」だと思われがちですが“、使うときのコツ”をきちんと理解することでどこに“セーフ”と“アウト”の境界線があるかが分かり、境界線を知ればその手前で踏みとどまることも、ビジネス判断としてあえて境界線を越えることもできるのです。
「WWDジャパン」では2018年8月から毎月1回、連載「初心者のためのファッションロー相談所」を、19年12月9日号ではファッションロー特集「みんなの疑問・不安に4人の弁護士がすっきり回答 業界にまつわる18の法律相談」を組むなど、法律を理解することの重要性と、ビジネスに失敗しないためのヒントを発信しています。
今回のセミナーには同特集に登場したファッション業界の法律問題に精通する4人の弁護士が登壇。ビジネスに密接に関わる法律問題のポイントを基礎から分かりやすく解説します。
PART 1:
「解決!ファッションビジネスの法律問題」
小松隼也弁護士・海老澤美幸弁護士 / 三村小松法律事務所
PART 2:
選択制 ※コースAまたはBどちらかをご選択のうえお申し込みください。
A:「ファッション業界人が知らなきゃまずい著作権、肖像権の基本」
池村聡弁護士 / 三浦法律事務所
B:「ファッションにおける商標法・不正競争防止法の実務的かつ創造性ある活用」
関真也弁護士 / 関真也法律事務所
開催日時
2020年1月28日(火)13:10~16:30(受付12:40から)
開催場所
銀座 伊東屋 G.Itoya 10F HandShake Lounge
(〒104-0061東京都中央区銀座2-7-15)
受講料
定期購読者:30,000円 / 1名(税抜)
その他:40,000円 / 1名(税抜)
ファッションビジネスには、実にさまざまな法律問題が潜んでいます。本セミナーでは、「新進気鋭のデザイナーが、ファッションブランドとECサイトをスタートする」というケースを想定し、ビジネスを進める過程でクリアしていくべき法律問題を取り上げて解説します。たとえば、以下のような項目を検討する予定です。
・会社の立ち上げって自己資金?投資の話もあるけどどうしよう?
・商標登録ってしたほうがいいの?
・パターンナーや工場に業務を発注するときに気をつけることは?
・好きな映画のオマージュを取り入れたいけど、どこまでなら使っていいの?
・モデルやカメラマンと街で撮影した写真をカタログに使ってもいい?
・人手が足りなくなってきたから業務委託しようかな?
・海外のショップから取扱いのオファー!何に気をつけよう?
・海外のショールームやプレスから勧誘が!何に気をつけよう?
・他ブランドとのコラボレーション!何に気をつけよう?
・ビッグメゾンからブランドを買いたいというオファーが! 注意点は?
etc...
みなさまには、ぜひ本セミナーを通じて、ファッションビジネスのプロセスを仮想体験しながら、ファッションビジネスにどのような法律問題が潜んでいるかと、法律知識を駆使することによってそれらをどのようにうまく解決することができるか、という「リーガルディレクション」に触れていただきたいと思っております。
PROFILE:(こまつ・じゅんや)2009年に弁護士登録後、 11年に東京写真学園プロカメラマンコース卒業。15年にニューヨークのフォーダム大学ロースクールでファッションローを専攻し卒業。帰国後は、ブランドの立ち上げや知財戦略、海外との契約交渉などを得意とする。法律の知識を生かしてビジネスをサポートするリーガルディレクターとしての活動も。ファッションに関する法律の研究機関ファッション・ロー・インスティテュート・ジャパン所属、ファッション関係者の法律相談窓口fashionlaw .tokyo (fashionlaw.tokyo/)共宰
PROFILE:(えびさわ・みゆき)1998年自治省(現:総務省)入省。99年、宝島社に入社しファッション雑誌の編集業務に携わる。2003年に渡英しスタイリストのアシスタントを経験、帰国後は『エル・ジャポン』のコントリビューティング・エディターなどを務めた。17年に弁護士登録。専門はファッションロー。知財戦略から契約交渉、労働問題まで幅広く取り組む。ファッション関係者の法律相談窓口fashionlaw.tokyo(fashionlaw.tokyo/)主宰。ファッションエディターとしても活動中
商品のデザインは勿論のこと、店内ディスプレイ、各種広告、SNSの利活用などなど、ファッション業界の業務は、著作権や肖像権と切っても切れない関係にあります。知らず知らずのうちに他人の著作権や肖像権を侵害してしまい、痛い目に合わないためにも、あるいは権利侵害を気にするあまり、必要以上にビクビクしてつまらないクリエイティブにならないためにも、著作権や肖像権の正確な知識はファッション業界人にとって不可欠です。実際のトラブル事例等も豊富に紹介しつつ、著作権、肖像権の基本を分かりやすく解説します。
PROFILE:(いけむら・さとし)2001~18年森・濱田松本法律事務所。09~12年まで文化庁長官官房著作権課へ出向し、著作権法の改正作業等を担当。19年三浦法律事務所設立。専門は知的財産権およびエンターテインメント分野で、とりわけ出版、放送、音楽等コンテンツ関係の案件を多く手掛ける。著書に「はじめての著作権法」(日経文庫)、「インターネットビジネスの著作権とルール(第2版)」(CRIC、近刊)など多数。妻と息子の3人家族。趣味は音楽鑑賞(レコード屋巡り)、食べ歩き、買い物(ビームスクラブブラックステージ)
ブランドイメージを保護するために中心的役割を果たす法律として、商標法と不正競争防止法2条1項1号及び2号があります。品質の良い商品・サービスを継続的に消費者に提供し、好ましいブランドイメージを確立することができたとしても、例えば他社の粗悪な類似品が市場に出回ることにより、自社のブランドイメージまで低下してしまうことは避けなければなりません。ファッション分野でも通信販売が一層重要性を増している昨今では、ネット上で使用される類似品の広告も、ブランドイメージを守るために対処しなければならないものが少なくありません。
また、近時、ファッションデザインの模倣問題に対する意識が高まり、紛争になる事案も増えてきています。デザインの保護に関し、商品ラインアップの入れ替わりが早いファッション業界では、保護を受けるために登録等の手続を要しない不正競争防止法2条1項3号(商品形態模倣規制)をうまく活用することが重要です。
そこで、この講演を通じて、商標法と不正競争防止法の目的・機能をしっかりと踏まえ、対処の可否とその方法を事案ごとに検討し、積極的で創造性ある解決策を自ら生み出せる考え方のヒントを皆様にご提供したいと考えております。
PROFILE:(せき・まさや)弁護士・ニューヨーク州法弁護士。関真也法律事務所代表(www.mseki-law.com/)。ファッション関係の主な著書に「ファッションロー」(勁草書房)がある。AR/VR、ECを含め、ファッション分野のほか、漫画・アニメ・映画・VTuberなどのコンテンツ分野を中心に、商標権、不正競争防止法、著作権その他知的財産関係の紛争・契約問題を中心に取り扱う。東海大学総合社会科学研究所客員講師兼研究員、ファッションビジネス学会活性化委員会委員・ファッションロー研究部会部会長、日本知財学会事務局・ブランド経営分科会幹事・コンテンツマネジメント分科会幹事、日本商標協会編集・出版委員会委員、知的財産管理技能検定技能検定委員